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2007年6月28日 (木)

相続時精算課税制度

H15年の税制改革によって新しく導入された制度で、親の財産を次世代へ円滑に移転させるためのものです。通常の贈与では暦年で110万円までの控除枠がありますが、代わりにこの制度を利用することにより2,500万円(住宅取得資金贈与の場合は3,500万円)まで贈与税はかからず、代わりに相続時に相続税が課税されるというものです。

○対象者: ・贈与者・・・65歳以上の親(贈与の年の1月1日時点の年齢)→特定贈与者といいます。
         ・受贈者・・・20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む)(贈与の年の1月1日時点の年齢)

○対象財産: 親が子どもに贈与する財産の種類に制限はありません。株でもOKです。また、金額、贈与回数、贈与期間にも制限はありません。

○その他: 

・父母それぞれの贈与に適用を受けることができます。
・一度届け出すると変更不可で、相続時まで継続してこの制度の適用を受けることになります。
・この制度の適用者が特定贈与者(被相続人)の一親等の血族に該当しないような場合には、2割加算の対象になります。

○税額の計算

①贈与時: 

この制度を選択した子が親(特定贈与者)以外の人から贈与を受けた場合は、110万円を基礎控除した後に、通常通りに贈与税額を計算します。この制度を選択した親からの贈与財産については、累積で2,500万円の非課税枠を超えた部分に一律20%の贈与税がかかります。(住宅取得資金の場合は3,500万円まで。ただしH19年末までの当初の期限は延長されています。)

②相続時:

それまでの贈与財産と、相続財産を合計した価額に対し、所定の税率をかけて相続税額を計算します。そこからすでに支払った贈与税額を控除した額が、支払うべき相続税額です。

→ ・すでに支払った贈与税額のほうが、計算された相続税額より多い場合は、還付を受けることができます。
   ・贈与財産の価額は、相続時ではなく贈与時の価額で計算します。

この制度を利用しても利用しなくても、理屈の上では支払う税額の合計は同じであり、節税になるわけではありません。しかしこの制度を利用することにより、少ない税額で早めに財産を移転することができるので、評価が上昇しそうな財産を持っているときには有効活用できます。

一方で建物や土地の場合については、(相続税評価額は通常は時価よりも安くなるので、)暦年課税と相続時精算課税のどちらが有利かはわかりません。

「相続時精算課税」の場合は2,500万円(3,500万円)が相続財産として算入されますが、一方で暦年課税を選択し、贈与税の非課税限度額を超える部分については親名義の不動産(贈与する人の名義)としておくことにより贈与税は課税されず、相続時には相続税評価額として評価されるので(相続時に不動産が大きく値上がりしていなければ)暦年課税のほうが有利になることもあります。

ただし、親名義の部分は「住宅ローン減税」は受けられないので注意が必要です。


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