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2007年6月 3日 (日)

遺言は絶対? その2

●協議分割

遺言により、被相続人が相続人に相続させる財産やその割合を指定(指定相続分といいます)していたとしても、相続人全員の同意がある場合はこれに従う必要はありません。同様に、この場合は法定相続分※1(民法で定められた相続割合)に従う必要もありません。このような、遺産分割にかかわる話し合いを「遺産分割協議」といいます。

※1: 法定相続分
法定相続人はまず第一順位が相続し、第一順位がいなければ第二順位・・・というように相続の順位が決まっています。第一順位=子、  第二順位=直系尊属、  第三順位=兄弟姉妹であり、被相続人の配偶者は常に相続人となります(例えば被相続人に子がいれば、配偶者と子の両方が相続人)。法定相続分は以下のようになります。

①相続人が配偶者のみ: すべて(100%)配偶者が相続
②配偶者と子の場合:   配偶者が1/2、子全体で1/2
③配偶者と直系尊属:   配偶者が2/3、直系尊属が1/3
④配偶者と兄弟姉妹:   配偶者が3/4、兄弟姉妹全体で1/4

●遺留分

遺言の内容に、「家族には全く相続させずに全部寄付する」あるいは「愛人に全部渡す」などと書かれていたらどうするのでしょうか?

被相続人の財産形成には、本人以外の貢献があったと考えられるでしょうし、また残された家族の生活もあります。相続人にとってあまりに不利益な事態となることを防ぐため、被相続人が自由に処分できる財産の割合には制約がもうけられています。この、一定の相続人(※2遺留分権者)に留保された、相続財産の一定割合を「遺留分」といいます。

※2:遺留分権者は、被相続人の配偶者、子、直系尊属(父母)です。遺留分の割合(合計)は以下の通りです。

・相続人が直系尊属のみの場合: 相続財産(正確には、遺留分算定の基礎となる財産)の3分の1
・上記以外(すなわち、配偶者、子どものいずれかがいる場合): 同様に2分の1

各法定相続人の遺留分割合はこちら 

相続人が、兄弟姉妹のみの場合、遺留分はありません。

しかし、遺留分を侵害する内容の遺言であっても、遺言が無効になるわけではありません。遺留分権者が遺留分を取り返す権利(遺留分減殺請求権)を行使するかどうかは自由です。この権利を行使しない場合は、遺言通りになります。


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