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2007年7月

2007年7月31日 (火)

居住用財産の譲渡特例1

不動産を譲渡し、譲渡所得が発生した場合には不動産の所有期間に応じて所得税、住民税が課税されます。

・長期譲渡所得の場合: 所得税15%、住民税5%
・短期譲渡所得の場合: 所得税30%、住民税9%

長期と短期: 不動産を売却した年の1月1日の時点で、所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得となり、5年以下の場合は短期譲渡所得となります。

また、平成16年度の税制改正以降、土地・建物等の譲渡損失は他の所得(土地・建物等の譲渡所得以外の所得)と損益通算をしたり、損失を翌年以降に繰り越し控除することはできません。

しかし、マイホーム(自宅、居住用財産)に関しては別で、次回以降説明いたしますが、様々な特例があります。

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2007年7月30日 (月)

不動産と税金9 都市計画税

前回からの続きです。

7.都市計画税

○課税対象: 市街化区域の土地・建物の1/1現在の所有者(固定資産課税台帳に登録) に対して課税
         (固定資産税とは別に課税されます)

○納付先: 市町村(地方税です)

○税額: 都市計画税 = 固定資産税評価額 × 税率(市町村により、最高0.3%)

○特例(住宅用地の特例)

住宅用地の都市計画税については、固定資産税同様に以下の特例があります。

①小規模住宅用地: 住宅1戸あたり、200m2以下の部分については、課税標準が通常の3分の1となります。
              固定資産税評価額 ×1/3

②一般住宅用地:  住宅1戸あたり、200m2超の部分については、課税標準が通常の3分の2となります。
              固定資産税評価額 ×2/3

ただし、建物床面積の10倍までが対象となります。また、店舗併用住宅でも、住宅部分の割合に応じて上記特例を受けることができます。

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2007年7月29日 (日)

不動産と税金8 固定資産税2

前回からの続きです。

○新築住宅の減額の特例

一定要件を満たす新築住宅の家屋については、税額の減額の特例があります。

・用途: 総床面積の1/2以上が居住用
・床面積: 50m2以上280m2以下(戸建以外の貸家、共同貸家は40m2以上)
・控除額: 税額が1/2に(床面積120m2までの住居部分)

・地上3階以上の中高層耐火建築物は新築後5年間
・それ以外の新築住宅(2階建てまでの木造等)は新築後3年間、税額が控除される。
・別荘などは対象外

○地価が変動したら

固定資産税評価額は3年に1回見直されます。過去、地価が安くなっても、固定資産税はあまり下がりませんでした。固定資産税評価額と、課税額との落差を段階的に調整する「負担調整措置」というものがあるためです。このため、逆に地価が高騰しても、すぐに固定資産税は上がりません。

 → 次回「都市計画税」へ

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2007年7月28日 (土)

不動産と税金7 固定資産税1

前回からの続きです。

6.固定資産税

○課税対象: 土地・家屋・償却資産の1/1現在の所有者 に対して課税

○納付先: 市町村(地方税です)

○税額: 固定資産税 = 固定資産税評価額 × 税率(1.4%)
       標準は1.4%ですが、市町村ごとに最高2.1%まで。

この、税率を掛ける相手を課税標準といい、固定資産税の場合は「固定資産税評価額」が該当します。この課税標準が軽減される特例がいくつかあります。

○特例1(住宅用地の特例)

住宅用地の固定資産税については、以下の特例があります。

①小規模住宅用地: 住宅1戸あたり、200m2以下の部分については、課税標準が通常の6分の1となります。
              固定資産税評価額 ×1/6

②一般住宅用地:  住宅1戸あたり、200m2超の部分については、課税標準が通常の3分の1となります。
              固定資産税評価額 ×1/3

ただし、建物床面積の10倍までが対象となります。また、店舗併用住宅でも、住宅部分の割合に応じて上記特例を受けることができます。

 → つづきはこちら

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2007年7月27日 (金)

不動産と税金6 住宅ローン控除4(控除期間15年)

前回に引き続き、住宅ローン減税額の具体的な計算です。

②控除期間が15年間の住宅ローン減税

以前説明いたしましたが、控除期間が15年間の住宅ローン減税の場合、控除率は10年目までが0.6%、11年目~15年目までが0.4%です。前回同様に各年の減税額を計算して見ます。

控除期間が10年間の場合(前回の例)と同様、平成19年の入居の場合、対象上限金額は2,500万円です。従って、10年目までは15万円、11年目~15年目までは10万円が限度となります。一方で所得税額による上限も同様で、今回のケースの場合は毎年15万円です。

   ローン残高  残高の0.6%または0.4%  実際の控除額
1年   2,942万円   17.6万円       15万円
2年   2,883万円   17.2万円       15万円
3年   2,821万円   16.9万円       15万円
4年   2,757万円   16.5万円       15万円
5年   2,691万円   16.1万円       15万円
6年   2,622万円   15.7万円       15万円
7年   2,551万円   15.3万円       15万円
8年   2,478万円   14.8万円       14.8万円
9年   2,402万円   14.4万円       14.4万円
10年   2,323万円   13.9万円       13.9万円
11年   2,241万円    8.9万円        8.9万円
12年   2,157万円    8.6万円        8.6万円
13年   2,069万円    8.2万円        8.2万円
14年   1,978万円    7.9万円        7.9万円
15年   1,884万円    7.5万円        7.5万円

従って、控除期間15年間の住宅ローン減税を選択した場合、15年間で189.2万円の減税になります。前回計算した、控除期間10年間の場合は合計138.4万円でしたので、本ケースの場合は「控除期間15年間」を選択したほうが有利ということになります。

どちらが有利かは、借り入れ金額、所得税額などによって変わってきます。

 → 固定資産税は次回

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2007年7月26日 (木)

不動産と税金6 住宅ローン控除3(控除期間10年)

今回は、具体的に住宅ローン減税の減税額を計算してみます。

○計算の前提

平成19年に入居、借り入れ金額は3,000万円で、30年返済、金利3.5%の場合。毎年の所得税額が15万円の人を例にします。

①控除期間が10年間の住宅ローン減税

前回記載しましたが、H19に入居の場合は控除1年目~6年目は控除率が1.0%、7年目~10年目は0.5%です。
ローン残高は
1年後 2,942万円
2年後 2,883万円
3年後 2,821万円・・・であり、控除率が6年目まではローン残高に対し1.0%なので

控除額(減税額)は
1年目 29.4万円
2年目 28.8万円
3年目 28.2万円・・・と計算したくなりますが、注意が必要です。

平成19年入居の場合、対象上限金額は2,500万円なので、ローン残高がそれ以上あっても2,500万円の1%である25万円が上限です。7年目以降は0.5%にあたる12.5万円が上限です。また、一方で控除額はその年の所得税額が限度なので、15万円が限度です。

    ローン残高  残高の1%または0.5%  実際の控除額
1年   2,942万円   29.4万円       15万円
2年   2,883万円   28.8万円       15万円
3年   2,821万円   28.2万円       15万円
4年   2,757万円   27.5万円       15万円
5年   2,691万円   26.9万円       15万円
6年   2,622万円   26.2万円       15万円
7年   2,551万円   12.7万円       12.5万円
8年   2,478万円   12.3万円       12.3万円
9年   2,402万円   12.0万円       12.0万円
10年   2,323万円   11.6万円       11.6万円

つまり、10年間を通して所得税額による控除限度額は15万円であり(実際はその年によって所得税額が変動するので限度額も変動します)、ローン残高による上限は6年目までが25万円、7年目から10年目までが12.5万円となります。その両方の枠の中で、ローン残高の1%または0.5%が控除される仕組みです。

以上の計算より、適用期間10年の住宅ローン減税の場合、減税額の合計は138.4万円になります。

 → 期間15年の場合は次回

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不動産と税金6 住宅ローン控除2-2(途中で転居した場合や住民税からの控除など)

前回からの続きです。

○その他住宅ローン控除に関する注意です。

・途中で自宅を賃貸した場合は、住宅ローン控除は受けられなくなります。
・家族を自宅に残して国内単身赴任の場合、赴任期間中でも住宅ローン控除を受けることができます。
・家族を自宅に残しても海外赴任の場合は住宅ローン控除を受けることはできません。(この減税は所得税の減税措置であり、海外赴任の場合は赴任国に所得税を納めることになるからです。)
・家族全員転居、海外赴任などの理由で住宅ローン控除が受けられなくなっても、自宅に戻ったあと残りについて(最初の入居年から10年以内の部分)復活させることもできます。ただし転居が会社からの命令であり、転出前に税務署に書類を提出しておくことなどが必要です。
・上記に関し、適用復活の時期は転居中の自宅の扱いによって異なります。 
 空き家だった場合は戻った年から、 
 貸していたらその翌年からになります。
・(追記)以前は所得税のみの適用であり、住民税の適用はありませんでしたが、現在は住民税からも控除することができます。(詳細は以下に記載)。

(2006年末までの入居者に対する 税源移譲の経過措置としての住宅ローン減税…住民税からも控除)
 税源移譲により住民税のウェイトが高まった分だけ所得税割合が減り、住宅ローン減税の恩恵が少なくなってしまいます(住宅ローン減税はもともと所得税のみを控除するものです)。このため、2006年までに住宅ローン減税を受けていた人も、一定の要件を満たせば所得税で控除しきれない額を住民税から控除できる措置があります。控除されるためには、毎年申告書の提出が必要でした。

(追記)2009年以降は、市区町村への申告をしなくても所得税から控除しきれない部分については住民税から控除できる制度になっています。住民税からの控除の上限は年額97,500円ですが、2014年4月の消費税増税以降は年額136,500円となります。

詳細は以下ご参照ください。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/090929.html

住宅ローン控除の具体的な計算例を次回みてみます。

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2007年7月25日 (水)

不動産と税金6 住宅ローン控除2-1(H19,20年入居の場合)

前回からの続きです。

○住宅ローン控除の税額控除の内容(2014年以降の制度についてはこちら

平成19年入居の場合

・減税期間: 入居年から10年間
・控除対象: 一定要件を満たす借入金等の年末残高
・控除率: 1年目~6年目は1%、7年目~10年目は0.5%
・対象上限(ローン)金額: 2,500万円
・最大減税額(累計): 200万円

平成20年入居の場合

・対象上限金額: 2,000万円
・最大減税額(累計): 160万円

となる以外は、平成19年入居の場合と同じです。

なお、平成19年の税制改正により、以下の特例が創設され、上記「住宅借入金等特別控除」の制度と選択適用となっています。

○住宅借入金等特別控除の控除額の特例の創設(入居年は平成19年、20年まで)

上記「住宅借入金等特別控除」の制度と違う部分は以下の通り。

・控除期間が15年間あり、控除率は1年目~10年目は0.6%、11年目~15年目は0.4%

その他の条件は既存制度と同じで、対象上限金額: 2,500万円、最大限税額(累計): 200万円など同じです(平成19年入居の場合)。

途中転居した場合などの扱いは次回。また、住宅ローン控除の具体的な計算例はこちら

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2007年7月24日 (火)

不動産と税金5 住宅ローン控除1

前回からの続きです。

5.住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅を購入したり、増改築を行ったりした場合、一定要件を満たす借入金等がある場合は「住宅ローン控除」として所得税額を軽減することができます。

○住宅の要件

・床面積が50m2以上
・本人名義の居住用の住宅(店舗併用住宅の場合は、その2分の1以上が居住用部分であること)(親の名義では適用されません。親の家をリフォームするような場合は、建物の名義を子に書き換えることにより、住宅ローン控除を受けることができます。名義書き換えに伴い贈与税は発生しますが、建物が古く評価額が低ければ税負担は少なくてすみます。)
・中古住宅の場合は、築年数が20年以内(耐火構造の場合は25年以内)
・2005年4月以降取得する住宅については、一定の耐震基準に適合するものは築年数問わず対象に
(中古住宅の取得については、配偶者その他その者と特別な関係にある者からの取得については、対象外になる場合も)
・増改築の場合は、工事代金が100万円を超えるもの
・住宅の取得とともにする敷地の取得であれば、土地部分にも適用

○取得者の要件

・(控除を受ける年の)合計所得金額が3,000万円以下
・取得してから6ヶ月以内に住み始める
・入居年およびその2年前から2年後まで(前後5年間)に居住用財産についての各種特例(3,000万円の特別控除軽減税率買換え特例)を受けていない

○借入金の要件

・(家屋およびその敷地の)取得のために償還期間が10年以上の住宅ローンを利用
 (居住の用に供した場合は、住宅とともに取得する土地部分の借入金も対象)
・利率1%未満の社内融資は対象外
・利率に係らず親族からの借り入れは対象外
・住宅ローン控除の対象になっていた借入金を、利率が低いほかの借入金に借り替えた場合でも、一定の要件を満たせば適用を受けられます(金融機関等からの借入金で、償還期間10年以上、割賦償還のものなど)。

税額控除の内容については次回

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2007年7月23日 (月)

不動産と税金4 消費税

前回からの続きです。

4.消費税

○消費税の課税対象となるもの: 

建物の取得、仲介手数料、事務所・店舗などの賃貸料・礼金・更新料、駐車場収入など

○消費税が課税されないもの: 

土地の取得、土地・居住用建物の賃貸借(住宅の家賃や貸地の地代)、火災保険料、固定資産税など

消費税が課税されるのは、売主が課税事業主の場合であって、一般の個人が建物を売却する場合には課税されません(課税事業主である個人を除く)。

 → 次回「住宅ローン控除」へ。 固定資産税についてはこちら

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2007年7月22日 (日)

不動産と税金3 不動産取得税

前回からの続きです。

3.不動産取得税

土地や建物の購入、建物の新築など、不動産を取得たときに課税されます。

○課税対象: 不動産の売買、贈与、新築、増築、相続人以外に対する遺贈 に対して課税
                  (課税対象とならない場合: 相続、会社の合併による取得、相続人に対する遺贈)

○納付先: 都道府県(地方税です)

○税額: 課税標準は、固定資産税評価額であり、
            不動産取得税 =  不動産の固定資産税評価額 × 税率(本則4%)

また、様々な特例があり、上記の固定資産税評価額あるいは税率を下げる措置があります。

○特例1(軽減税率)

 ・土地:       本則4.0% → 特例3.0% (平成21年3月末まで)
 ・建物(住宅):   本則4.0% → 特例3.0% (平成21年3月末まで)
 ・建物(非住宅): 本則4.0% → 特例3.5% (平成20年3月末まで)

○特例2(宅地の取得)

 宅地等を取得した場合の課税標準を、固定資産税評価額の2分の1にする(平成21年3月末まで)。

○特例3(住宅の取得)

 一定の要件を満たす住宅を取得した場合、課税標準である固定資産評価額から以下の金額を控除することができます。

 ・新築住宅の場合: 1,200万円
 ・中古住宅の場合: 建築時期に応じて最高1,200万円

○特例4(住宅用土地の取得において、税額から控除)

 土地を取得し、一定期間内にその土地の上に一定要件の住宅を取得した場合、不動産取得税の税額から一定額を控除するもの。

 → 次回「消費税」へ

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2007年7月21日 (土)

不動産と税金2 登録免許税

前回からの続きです。

2.登録免許税

土地や建物などの不動産を取得して、登記簿に所有権登記(保存、移転)や住宅ローンを利用するときの抵当権設定登記をする場合などに課税されます。

○納付先: 国(国税です)

○税額: 不動産の固定資産税評価額 × 税率
            抵当権設定登記の場合は、債権金額 × 税率

○税率:

  ・所有権保存登記 0.4%
  ・所有権移転登記(売買、贈与などの場合) 2.0% ※
  ・抵当権設定登記 0.4%

  ※売買による所有権移転登記のうち、土地については軽減税率が適用され、平成20年3月末までは1.0%、その後1.5%(追記)。

○自宅など住宅用家屋の場合の軽減税率の特例(平成21年3月末までの予定。その後延長) → 家屋部分のみ

 下記条件を満たすとき、以下の軽減税率が適用される

 ①自分が居住するための建物であること
 ②床面積50m2以上
 ③住宅取得後1年以内に登記を受けること
 ④中古住宅の場合、築年数が20年以内(耐火建築物は25年以内)。
     ただし、一定の耐震基準に適合するものは、築年数を問わず。

 以下、軽減前後の税率

 ・所有権保存登記(新築):   0.4% → 0.15%に
 ・売買による所有権移転登記: 2.0% → 0.3%
 ・抵当権設定登記:        0.4% → 0.1%

○その他: 登記申請時に課税され、相続(贈与)による所有権移転登記の場合も課税

 → 次回「不動産取得税」へ

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2007年7月20日 (金)

不動産と税金1 印紙税

自宅マンションなど不動産を買うとき(住宅ローン契約時)や、所有維持していると様々な税金がかかってきます。何回かに分けて、主なものを紹介いたします。

1.印紙税

以下のような書類に印紙税がかかってきます。

・不動産の売買契約書
・不動産の交換契約書
・土地の賃貸借契約書(建物の賃貸借契約書には印紙税はかかりません)

・建築請負契約書
・金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約書)

また、不動産関係でも以下のものに印紙税は課税されません。

・建物の賃貸借契約書(前述)
・不動産の仲介に関する契約書(媒介契約書
・抵当権の設定または譲渡の契約書

税額: 例えば、契約記載金額が1,000万円超5,000万円以下の場合の売買契約書に係る印紙税の税額は20,000円です。(注: 2009年3月31日までは15,000円に軽減されています。同様に、5,000万円超1億円以下の場合は6万円が45,000円に軽減中。)
複数の金融機関から借り入れる場合、それぞれの契約書に収入印紙を添付する必要があります。例えば3,000万円を借り入れるのに、1ヵ所からであれば20,000円ですみますが、3ヶ所から1,000万円ずつの場合は、60,000円必要になります。

 → 次回「登録免許税」へ

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2007年7月19日 (木)

家を借りるなら・・・借家権

借地借家法で定められている建物賃借権(借家権)についての説明です。

・存続期間: 借家権の存続期間は、最短でも1年間です。最長期間の制限はありません。1年未満の契約をしたときは、期間の定めのない契約であるとみなされます。

・更新: 期間満了においても、賃借人が建物の使用を継続しているときは、家主に(更新拒絶の)正当事由がないと、同一条件で更新されることになっています。

・造作買取請求権: 家主の同意を得て建物に取り付けたもの(エアコンや畳など)は、借家契約の終了の際、家主に時価で買い取ってもらうことができます。一方で、これを排除する特約を契約時に結んでおくことも有効です。

上記のように、これまでの借家制度においてはよほどの理由がないと、契約は更新されることになっていました(家主に不利)。

そこで平成12年に定期借家権制度が導入され、更新のない借家契約ができるようになりました。以下概要です。

・存続期間: 期間は定めなくてはなりませんが、1年未満の契約も可です。

・更新: 更新はありません。ただし、家主は、事前に契約書とは別に、「更新のない賃貸借であること」を書面で説明する必要があり、説明しないと通常の賃貸借になります(契約の更新がない旨の特約は無効になり、契約満了には正当事由が必要)。

・契約は書面で行う必要があります。

・契約終了: 1年以上の契約の場合、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、賃貸借が終了する旨を家主から通知しなければなりません。この期間に通知せず、その後通知した場合は、その通知の日から6ヵ月後に契約は終了します。

・特約がなくても、床面積200m2未満の居住用建物の場合、転勤などやむをえない事情の場合は、借家人から一方的な解約の申し入れができ(1ヶ月前に予告)、中途解約も可能。

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2007年7月18日 (水)

不動産を買うときの注意5 瑕疵担保責任

前回からの続きです。

10.瑕疵担保責任

雨漏りがする、床が沈むなど、通常要求される品質が欠けていること、欠陥のある状態を「瑕疵」といいますが、通常の注意を払っても発見できないような瑕疵があった場合、売主はその瑕疵について責任を負います(瑕疵担保責任)。

このとき、
(売主に過失がなくても)買主は瑕疵があったことを知ったときから1年以内であれば、権利(以下参照)を行使できます。

(権利とは)買主は、契約の解除または損害賠償の請求をすることができます。

また、売主が宅建業者の場合、瑕疵担保責任を免責にしたり、期間を短くするなど、買主に不利な特約は無効となります。

この瑕疵担保責任をもっと厳しくしたのが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です(平成12年4月1日施行)。これにより、全ての新築住宅に対し、10年間の瑕疵担保責任が義務化されました。

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2007年7月17日 (火)

不動産を買うときの注意4 手付金と危険負担

前回の続きです。

8.手付金について

売主が宅建業者である場合、売買代金の2割を超える手付金は受領できないことになっています。買主が契約解除しにくくなることを防止するためです。

法律的には、手付金には3種類ありますが、通常は「解約手付」と推定されます。解約手付けの場合、自分が契約の履行に着手していても、相手方が契約の履行に着手するまでは、以下のようにして契約を解除することができます。

①買主の場合: 渡した手付金を放棄(して契約を解除)

②売主の場合: 受け取った手付金に同額の手付金を加えて相手に償還(して契約を解除)

この場合、特約がない限り、契約解除に伴う損害賠償の請求はできません。

9.危険負担

売買契約締結後、引き渡し前に、天災などで売買物件が損壊してしまった場合、損失を負うのはどちらでしょうか?民法の規定では、このような場合でも買主は売買代金を払わなくてはなりません(買主が「危険負担」を負う、といいます)。

しかし一般的には、売主が危険負担を負う特約を結ぶのが適当であると考えられ、売主は受領している代金を買主に返還するように取り決めています。

 → 次回「瑕疵担保責任」へ

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2007年7月16日 (月)

不動産を買うときの注意3 契約書と報酬限度額

前回からの続きです。

5.媒介契約時の書面

売主または買主が、不動産取引の際に、宅建業者に仲介(→これを媒介といいます)等を依頼する契約を媒介契約といいます。宅建業者は、宅地建物の売買の媒介等の契約を締結したときは、媒介等の契約書を作成し、依頼者に交付する義務があります。

一方で、売買契約ではなく、賃貸契約の場合は、書面の交付義務はありません。

6.売買を媒介してもらう場合の報酬限度額

宅建業者が受け取る報酬額には、宅建業法で限度額が定められています。宅建業者が、依頼者のそれぞれから受け取ることのできる報酬限度額は以下の通りです。

①売買代金200万円まで
・・・ (売買代金×5%)+消費税

②売買代金200万円超、400万円までの部分
・・・(売買代金×4%+2万円)+消費税

③売買代金400万円超の部分
・・・(売買代金×3%+6万円)+消費税

7.賃貸を媒介してもらう場合の報酬限度額

報酬限度額は、賃料の1か月分です。本来であれば、貸主・借主の両方から半月分ずつ取るのが原則ですが、実際には借主のみが1か月分を支払うケースが多くなっています(当事者が、事前にその旨承諾した場合に限る)。

 →次回「手付金と危険負担」へ

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2007年7月15日 (日)

不動産を買うときの注意2 面積と管理費滞納

前回に引き続き、不動産購入時に注意することを書きます。

3.面積の確認

土地については、登記簿上の面積と実際の面積が異なる場合がよくあるようです。土地の売買代金を決定する場合、登記簿上の面積にするのか、実測面積にするのか、当事者間で決めておく必要があります。

また、分譲マンションなどを購入する際に特に注意が必要なのは床面積です。分譲マンションのような区分所有物の場合、登記面積は、壁の内側線で囲まれた部分の内法面積で表示されます。一方で、販売業者のパンフレットの床面積表示は、壁の厚みの半分を加えた壁芯面積で表示している場合、登記面積はパンフレットの表示より通常小さくなります。

住宅ローン控除などの適用を受けようとする場合、床面積の要件がありますが(50m2以上であることが必要)、パンフレットの表示が50m2であっても登記簿上は50m2に満たず、住宅ローン控除の適用が受けられなかった、などということも考えられます。

4.管理費滞納の確認

中古マンションなどの場合、注意が必要なことですが、売主が管理費を滞納している場合、支払義務は新たな買主に対して生じます。滞納の有無を確認しておいたほうがいいでしょう。

 →次回「契約書と報酬限度額」へ

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2007年7月14日 (土)

不動産を買うときの注意1 所有者の確認

不動産は大きな買い物です。日用品と違って「買い慣れている」人はほとんどいないと思いますが、失敗しないように様々な注意が必要です。

1.登記簿等の調査

登記簿により、不動産の所有者を確認します。登記簿は法務局で閲覧することができます。あるいは、閲覧の制度に代えて登記事項要約書の交付が受けられる場合もあります。

ただし、不動産の権利に関する登記は申請義務がないため、登記上の所有者と真の所有者が一致するとは限りません。従って、権利証(登記済証)の保有や固定資産税の納税者などから総合的に判断することになります。

2.固定資産課税台帳の閲覧

固定資産税課税台帳は、市町村役場の固定資産税課で作成する、不動産の価格が記載されている台帳であり、この台帳等に所有者として登録されている人に対して固定資産税が課税されます。閲覧には通常、所有者本人の委任状が必要で簡単には閲覧できるものではありませんが、2003年から徐々に情報開示の推進がなされつつあります。

 次回「不動産を買うときの注意2 面積と管理費滞納」へ

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2007年7月13日 (金)

生産緑地地区

都市近郊の住宅地の中に、農地があることがあります。ネギが青くておいしそうだとか、エダマメがビールにあいそうだとか思ったりします。

生産緑地法は、市街化区域内の農地を保全するための法律です。市街化を進める地域であっても、防災や緑化機能の面で緑地は一定の役割を果たしています。首都圏、近畿圏、中部圏の市街化区域内で、500m2以上の農地はこの生産緑地法の規制を受けます。農業を続けたい農家は、「生産緑地地区」の指定を受け、長期間にわたって農地として利用することができます。

○生産緑地地区の指定を受けることのメリット

固定資産税が大幅に軽減され、農地に係る相続税の納税猶予の特例が受けられます。

○デメリット

原則として30年間は農地のまま利用することになります。建築物の建築や宅地造成を行うことはできず、そうしたい場合には市町村長の許可が必要になります。

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2007年7月12日 (木)

田舎に土地を買ったはいいが・・・農地法

田舎に引越し、自家菜園で野菜を育てながら老後を過ごしたい・・・と考えている方は多いと思います。でも農地として利用されている場所に土地を買い、いざ住もうと考えても、すんなりうまくはいきません。

農地を買ったり、そこに家を建てようとする場合、好き勝手にはできず様々な手続きが必要です。

○農地や採草牧草地(家畜の放牧などに使われている土地)の権利移動 ・・・ 農地法第3条
  (農地や採草牧草地のまま用途は変えずに、所有権などを移転する場合)

原則として、農業委員会による許可が必要です。例えば、農地を他人に貸して小作させる場合でも、許可が必要ということになります。また、住所地のある市町村区域外にある農地等の権利を個人が取得する場合は、許可権者は都道府県知事となります。

○農地の転用 ・・・ 農地法第4条
(自分の農地を農地以外のものにする場合)

原則として、都道府県知事による許可が必要です。ただし、市街化区域内にある農地については、市街化区域が市街化を促進する区域であるため、あらかじめ農業委員会に届ければいいことになっています。また、4ヘクタールを超える土地の場合は、農林水産大臣の許可が必要になります。

○農地、採草牧草地の転用目的の権利移動 ・・・ 農地法第5条

農地の転用の場合(農地法第4条)と同様です。原則として、都道府県知事による許可が必要で、市街化区域内については農業委員会に届ければよく、また4ヘクタールを超える場合は農林水産大臣の許可が必要です。

これらの許可を受けないで契約がされても、その効力は生じません。

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2007年7月11日 (水)

建築基準法4 用途地域がまたがる場合

前回までに用途制限、建ぺい率、容積率などについてみてきましたが、敷地が異なる用途地域にまたがる場合はどのように考えればよいでしょうか?

1.用途制限(各用途地域ごとに、建てていい建物、建ててはいけない建物が定められています)

→ 面積の大きい地域の規制を適用します。

2.建ぺい率・容積率

→ それぞれの敷地面積の比例配分により求めます(加重平均)。

例: 容積率100%の地域の面積が300m2、容積率200%の地域の面積が100m2の場合、全体での容積率は125%になります。

3.防火地域・準防火地域

→敷地が防火地域・準防火地域・無指定地域にまたがる場合は、もっとも厳しい地域の規制が適用されます。

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2007年7月10日 (火)

建築基準法3 容積率

前回でてきました建ぺい率が建築面積を制限するのに対し、建物の延べ面積(各階の合計)を制限するのが容積率です。

○容積率

容積率は次の式で表されます。

容積率(%) = 延べ面積 ÷ 敷地面積 × 100

例えば3階建ての建物の場合、延べ面積が160m2、敷地面積が200m2の場合、容積率は80%になります。一方で、延べ面積が400m2の場合、容積率は200%になります。

建ぺい率は最高でも100%であるのに対し、容積率は計算上の上限はありません。しかし、実際には用途地域ごとに上限が定められています。

○前面道路による制限

容積率は用途地域ごとに上限は定められていますが、さらにその敷地が接している道路の幅によっても制限されます。

具体的には、接面する道路の幅員が12m未満の場合で、用途地域によって道路の幅員の4割または6割が容積率の上限となります。住居系の地域とそうでない地域でそれぞれ

・住居系の場合:  前面道路の幅員 × 0.4
・住居系以外(商業系、工業系あるいは無指定用途地域):  前面道路の幅員 × 0.6

です。12m以上の道路であればこの計算の必要はありません。

○具体例

例えば第1種中高層住居専用地域で、容積率の制限が300%の地域の場合。接している道路の幅員が6mであったときは、その幅員の制限を受けることになります。

第1種中高層住居専用地域は住居系なので、6m×0.4(40%)=240%

指定の300%と比較して小さいほうが実際の容積率の上限となるので、300%>240%より、容積率の上限は240%となります。

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2007年7月 9日 (月)

建築基準法2 建ぺい率

建築物の敷地、設備、用途などについて最低基準を定め、日照、通風など健全な環境と、個々の建物の安全・衛生を確保する目的で定められているのが建築基準法です。

○建ぺい率

例えば家の敷地いっぱいに建物を建てたくても、敷地面積に対する建築面積の割合が用途地域ごとに定められています。これが建ぺい率です。

例えば第1種低層住居専用地域で建ぺい率が40%となっているとき。敷地面積が100m2の場合、建築可能な面積は40m2までです。

建ぺい率には以下のような緩和規定があります。

①特定行政庁(知事または市町村長)が指定する角地 → +10% (10%加算できます)
②防火地域内(準防火地域ではありません)で耐火建築物を建てる場合 → +10%(もともと80%の地域では制限なしの100%になります)
③上記①②の両方に該当する場合 → +20%(もともと80%の地域では制限なし)

建ぺい率が建築面積を制限するのに対し、建物の延べ面積(各階の合計)を制限するのが容積率です。詳細は次回。

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2007年7月 8日 (日)

建築基準法1 用途地域と用途制限

前回でてきました「用途地域」について説明いたします。

用途地域とは、市街化区域においては必ず定められ、建物の使い方(用途)を定めたあるいは制限した地域のことです。一方、市街化調整区域においては原則として用途地域を定めないことになっています。

用途地域は大きく分けて

・住居系
・商業系
・工業系

の3つに分類されます。これらはさらに細かく分類されており、全部で12種類の用途地域があります。

○住居系 ・・・以下の7つがあります。

・第1種低層住居専用地域
・第2種低層住居専用地域
・第1種中高層住居専用地域
・第2種中高層住居専用地域
・第1種住居地域
・第2種住居地域
・準住居地域

○商業系 ・・・2つあります。

・近隣商業地域
・商業地域

○工業系 ・・・3つあります。

・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域

用途地域ごとに用途制限があり、規制の厳しさは、最初にでてきました第1種低層住居専用地域や最後の工業専用地域が一番厳しく、商業地域あるいは準工業地域が一番緩くなっています。

例えば、住宅、共同住宅などの居住用のものは「工業専用地域」では建てることができず、コンビニなど床面積が150m2以下の一定の店舗は、「第1種低層住居専用地域」には建てることができません。「診療所」や「保育所」などはすべての用途地域で建てることができます。

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2007年7月 7日 (土)

都市計画法1

用途地域、容積率、第1種低層住居専用地域・・・など専門的な用語がでてきましたが、これらと深い関係があるのが「都市計画法」や「建築基準法」といった法律です。

○都市計画法

都市計画法第1条に書かれている目的は以下の通りです。

「都市計画の内容及びその決定手続き、都市計画制限、都市計画事業などを定めて、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与する。」

つまり都市計画法とは、人々が健康で文化的な生活ができるように計画的な市街地開発、土地の合理的な利用についての基本的なあり方を定めた法律です。好き勝手に道路をつくったり、自分の土地であっても自由にどんな建物でも建てることができるわけではありません。

○都市計画の手順

・まずどこに街を作るかを決めます。 →都市計画区域、準都市計画区域などの設定(都市計画区域、準都市計画区域を指定するのは都道府県です。)
・都市計画区域内を「市街化区域」と「市街化調整区域」に線引きします。線引きしない区域は「非線引き区域」です。
・市街化区域内のを「用途地域」を定めます(12種)。

 市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域あるいは、(まだ市街化されておらず)おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図らなければならない区域のことです。

 市街化調整区域とは、市街化を抑制しようとする区域のことです。

用途地域については次回。

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2007年7月 6日 (金)

不動産の鑑定評価手法2

前回からの続きです。

3.収益還元法

賃貸ビルや賃貸マンションなどの収益物件は、おもにこの収益還元法によって評価を行いますが、取引事例比較法や原価法も併用することが通常です。対象不動産が将来生み出すと予想される収益を基に試算価格を求める方法です。この方法で求めた価格を収益価格といいます。対象不動産が自用の住宅地であっても、賃貸を想定することにより、収益還元法を適用することができます。分譲用不動産の価格を求める場合には有効ではありません。

収益還元法には主に2つの手法があります。

①直接還元法

ある期間の純収益と還元利回りから収益価格を求める方法です。例えば対象物件の還元利回りを5%と想定し、その期間の純収益が500万円(例えば家賃収入600万円-経費100万円=純収益500万円)の場合、

500万円 ÷ 5% = 1億円

がこの物件の収益価格になります。

②DCF法(Discounted Cash Flow法)

投資物件を購入し、投資期間中に受け取る収益と、最終的に売却したときの収益の合計によって投資価値を判断するもので、それぞれの収益を現在の価値に置き換えて計算します。(今年の収益と3年後の収益では現在価値は異なるため、現在からの期間に応じた割引率で修正します。遠い未来の収益ほど現在価値は下がります。)

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2007年7月 5日 (木)

不動産の鑑定評価手法1

不動産の価格は、公的評価による価格を目安とすることもできますが、実際には前回見たような個別要因が強いため、より厳密な理論上の価格を知るためには不動産鑑定士による鑑定評価額を参考にします。(実際、公示価格や基準地標準価格は不動産鑑定士の鑑定評価を基にしています。一方で、不動産鑑定士による鑑定評価も、公示価格を規準として均衡を保つようにしています。)

今回は、3つの評価の手法についてみていきます。

1.取引事例比較法

戸建て住宅の場合、土地の価格はこの方法で試算するのが一般的です。周辺での取引事例を集め、それに様々な要因を加味して価格を試算します。参考にする過去の取引事例からの時間の経過や、身内間の取引の場合・角地の取引の場合などの特殊事情などを加味します。

2.原価法

建物の価格を試算するのに一般的に使われます。現時点で新たに建て直す場合の原価を算出し、この再調達原価から築年数などの要因を減価して修正します。また、土地については、宅地造成による分譲地の場合などに適用できますが、造成地や埋立地ではない既成市街地である土地については再調達するための原価が算定できないので、原価法は使えません。

3つめの収益還元法については次回。

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2007年7月 4日 (水)

土地の価格4(影響要因の具体例)

前回、土地の価格に影響する要因例を挙げましたが、その具体的な例をいくつかみていきます。

容積率: 商業地や住宅地において、容積率が大きいほど多くの床面積を確保できるため、土地の有効利用が図れて価格増加要因となります。一方で第1種低層住居専用地域などは、容積率や建ぺい率が制限されていることにより、良好な住環境を維持しています。

・土地の高さ: 住宅地では前面道路よりも高い位置にある場合、眺望・日照・風通しの点で価格増加要因となります。逆に階段や壁を作らなければならない場合は費用負担が発生し減価要因となります。

・面積: 標準的画地の面積よりも大きいときは、土地の総額が大きくなるため市場性が下がり、また分割に費用がかかるなど一般的には減価要因となります。しかし地域の利用状況によっては逆に価格増加要因となることもあります。

・日照: 南側で道路に接している場合は日照がよくなり、住宅地では価格増加要因となりますが、商業地の場合、商品陳列上の問題で逆に減価要因となることもあります。

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2007年7月 3日 (火)

土地の価格3(公示価格を用いた時価の算定)

実際に興味のある対象地の時価を、公示価格を用いて算定する際に考慮する要因例を以下に示します。

価格は、対象地に近い標準地の公示価格を参考にしますが、少し離れても地域要因が類似している標準地の方を参考にします。(価格を求めたい対象地が清閑な住宅地であるとき、例えば広い道路に面した繁華な商業地のビル用地の公示価格はいくら近くてもあまり参考になりません。)

標準地の地価に対し、以下の観点で価格を修正していきます。

1.時点修正

公示価格は毎年1月1日時点での価格です。公示時点から評価時点までの変動率(例えば月に+0.1%)を加味します。

2.地域要因比較

・前面道路の幅員(街路条件)
・駅までの距離(交通接近条件)
・居住環境(環境条件)
用途地域の種類、建ぺい率容積率など(行政的条件)

3.個別要因比較

2の地域要因のほか、画地条件として形状(長方形か台形かなど)、接道状況(中間画地か角地かなど)なども加味します。

 →関連ページ「影響要因の具体例」へ

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2007年7月 2日 (月)

土地の価格2(公的な地価)

公的な地価として前回お話した公示価格、基準地標準価格のほかに路線価(相続税路線価)、固定資産税評価額というものがあります。これらは納税額を算定する際の基準に使われるものです。価格水準も公示価格や基準地標準価格とは異なります。

○路線価

相続税や贈与税を計算する際の宅地の評価に使用されます。財産評価基本通達に基づき、国税庁が調査します。道路に沿った土地の1m2あたりの評価額で、毎年1月1日時点の価格を8月上旬に公表します。公示価格や売買事例を参考にして決めます。価格水準は、おおむね公示価格の80%です。調査地点数は約47万。

全国の国道、都道府県道、市町村道のすべてに付されているわけではありません。市街地以外の土地については、固定資産税評価倍率を評定し、次に説明する固定資産評価額とこの倍率表を用いて相続税や贈与税を計算します(固定資産税評価額×倍率)。路線価、倍率表は所轄の税務署等で閲覧できます。

○固定資産税評価額

固定資産税のほか、都市計画税、不動産取得税、登録免許税等の算出の際に使用されます。国が定めた固定資産評価基準に基づいて各市町村が決定します。3年に一度、基準年の1月1日時点の価格を3~4月に公表します。価格水準はおおむね公示価格の70%です。調査地点数は約44万。

各市町村役場等の土地課税台帳または土地補充課税台帳に登録されていますが、この課税台帳は一般に閲覧できるものではなく、納税義務者の求めに応じて閲覧できるものです。

 →関連ページ「土地の価格に影響する要因」へ

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2007年7月 1日 (日)

土地の価格1(公的な地価)

基準地価が、2006年に大都市圏で16年ぶりに上昇に転じました。今後マイホームの取得を考えている方には不安材料ですが、土地の価格はどのようにして計算したらいいのでしょうか?

公的な土地価格は4つほどありますが、そのうち公共事業用地の取得価格の算定根拠となるものが「公示価格」です。

○公示価格 

地価公示法により国土交通省の土地鑑定委員会が、標準地における毎年1月1日時点の価格を3月末に公表するもので、2人以上の不動産鑑定士による鑑定結果を受けて判定します。標準地は、都市計画区域内のみならずその他土地取引が相当程度見込まれる区域内で選定されます。市町村役場、官報のある図書館、国土交通省のホームページで閲覧できます。調査地点数は30,000強。

○基準地標準価格(基準地価)

公示価格を補完する意味合いがあります。調査時期は7月1日時点であり(公表は9月末)、調査地点もあまり重なりません。(公示価格の価格時点からの変動を示すために、公示価格における標準地と同一地点が基準値として設定される場合もあります。)建造物がある場合にも更地として評価します。国土利用計画法施行令による都道府県地価調査制度に基づくものであり、調査主体は都道府県です。所轄の市町村役場で閲覧できます。調査地点数は24,374。

公示価格や基準地標準価格は、調査地点に建物が建っていても、更地として評価します。また、公示価格は現実の不動産取引より1年半~2年ほど遅れているともいわれています。実際には不動産鑑定による評価も参考にします。

その他2つの公的な土地価格は次回へ。

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