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2007年8月 5日 (日)

居住用財産の譲渡特例6 買換え特例2

3.居住用財産の買換え特例 その2

前回からの続きです。本特例を使用した場合の譲渡所得の考え方について説明します。

○譲渡所得の計算

① (譲渡資産の)譲渡価額 ≦ (買換え資産の)買換え価額  のとき

 → 譲渡はなかったものとみなします(計算上のマイナスはゼロとみなし、他の所得と損益通算することはできません)。

② 譲渡価額 > 買換え価額のとき

 → 差額に相当する部分につき、次の式により課税されます。

A=譲渡価額 - 買換え価額
B=(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×A / 譲渡価額

として、「A-B」を譲渡所得の金額とし、税率を掛けて税額を計算します。

○所得税の計算例

所有期間20年の自宅を8,000万円で今年譲渡し、今年中に新しく6,000万円の自宅を購入する場合。譲渡資産(今まで所有していた自宅)の取得費を400万円、譲渡費用を400万円とします。

①居住用財産の買換え特例を使用した場合

A=8,000万円 - 6,000万円=2,000万円
B=(400万円+400万円)×2,000万円 / 8,000万円=200万円

より A-B=1,800万円。長期譲渡所得の所得税率は15%なので、270万円。

②買換え特例を使用しなかった場合

3,000万円の特別控除と、軽減税率の適用が受けられます。

3,000万円の特別控除後の譲渡所得は 8,000万円 - (400万円+400万円) -3,000万円=4,200万円
(譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用))

所得税率は軽減税率の10%となるので、420万円。

よって、①の買換え特例を使用したほうが、現時点での税額は安くなります。

ただし、買換え特例においては、「課税を繰り延べる」ものであり、将来この買換え資産をさらに譲渡する場合には、その取得費は計算上、今回譲渡した資産の取得費を引き継ぐので、その分、譲渡益が増え、税額が高くなる可能性があります。

注意
買換え特例を使用した場合の
・買換え資産の取得費: 譲渡資産の取得費を引き継ぎます。
                              (→20年前の安い取得費をベースに計算※)
・買換え資産の取得日: 譲渡資産の取得日を引き継ぎません。
                               (今年に取得したものとして、保有期間を将来売却時に計算)

※譲渡価額 > 買換え価額  のときの、買換え資産の取得費は

(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×買換え価額 / 譲渡価額 となります。

 → 次回、「譲渡損失の繰越控除」へ


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