企業年金とは?
国民年金保険や厚生年金保険などの公的な保障に対し、企業からの保障は企業年金と呼ばれます。企業が、従業員の退職後の安定した生活を目的にお金を積み立て、退職金の全部あるいは一部を年金として支給する仕組みです。
年金として受け取れる額が保障されているかいないかで企業年金を分けて考えますと、
・保障されているもの(確定給付型): 厚生年金基金、確定給付(企業)年金など
・保障されていないもの(確定拠出型): 確定拠出年金(企業型)
などがあります。
・厚生年金基金は、給与明細をみると毎月天引きされていることがわかります。本来老齢厚生年金として国が支給する年金の一部を厚生基金基金が運用代行し(代行部分といいます)、さらにそこに企業独自の給付を上乗せして、厚生年金よりも手厚い給付を行うものです。
・2002年にできた確定給付(企業)年金は、代行部分がない、企業の退職金にあたる上乗せ部分だけの年金です。年金の原資は、会社が負担する掛け金です。厚生年金基金と同様に、将来給付することを約束した年金額が不足する場合には、企業が負担してその不足を穴埋めします。
厚生年金基金は財政状況が苦しくなると、この確定給付企業年金へ移行する場合があります。この場合、代行部分の年金原資を国へ移換しますが、これを代行返上といいます。確定給付企業年金へかわっても、代行部分は同じ年金額で国から支給されます。
前述の通り、厚生年金基金や確定給付企業年金は、将来の年金額を約束した上で一定の運用利率等を見込んで、掛金を積立てていくタイプの年金です。運用がうまくいかなかった場合には積み立て不足が起こります。これを改善するには掛金を引き上げる方法がありますが、会社の経営状況が悪くそれが不可能な場合には、給付額を引き下げる方法もとられます。
確定拠出年金については次回。
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