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2009年4月

2009年4月25日 (土)

FX取引が制限されるようになります

外国為替証拠金取引(FX)は、預けたお金の数倍~数百倍の取引ができ(レバレッジ)、資金効率のよい資産運用の1つです。その反面、レバレッジを高めた取引はリスクが大きく、例えば1円の為替変動で預けた資産がすべてふっとんでしまうような場合もあります。証券取引等監視委員会はこのようなリスクの大きな取引を規制する方向で動いており、金融庁は関係政省令の改正作業に入る見込みです(09年夏に導入見込み)。具体的にはレバレッジの上限を20-30倍に規制する見込みです(店頭取引、取引所取引ともに)。

これにより、普段実質的にレバレッジの低い取引をしている顧客にとっても不都合が生じる場合があります。例えば設定レバレッジを100倍にしていたものを10倍に変更させられた場合、機動的な運用ができなくなります。以下で具体的にみていきます。

例えば100万円の証拠金を預け、10,000ドルの外貨を保有している顧客の場合(1ドル=100円として実質レバレッジは1倍)。

設定レバレッジが100倍の場合、10,000ドルを購入するのに必要な証拠金は(1ドル=100円として)1万円になります(業者により細かな計算方法は異なります)。基本的に残りの99万円を自由に使えるので、あと99回前後まで10,000ドルずつ取引が可能です。設定レバレッジが10倍になった場合、10,000ドルを購入するのに必要な証拠金は10万円になります。残りの90万円で、10,000ドルの購入はあと9回程度しかできません。

このように、設定レバレッジが低くなることにより、今後新たに売買できる回数が少なくなります。実質的なレバレッジを低く抑えながら運用をし、為替変動時には一時的に実質レバレッジを高くして保有ポジションを増やしたり両建てで保有したいと考えている顧客の場合、このようにレバレッジの上限が規制されると、機動的な運用ができなくなってしまうことになります。

つまり、設定レバレッジは高くしていても実質レバレッジを低く抑えて運用している顧客にとっては、ありがたくない措置かもしれません。

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2009年4月22日 (水)

育児・介護休業法改正

厚労省が育児・介護休業法改正案の法案要綱を提示しました(6月24日成立)。子育て世代の支援を強化する内容です。以下、詳細をみていきます。

・残業免除
 3歳未満の子どもを持つ親が申請すれば、残業は原則免除されます。(所定外労働の免除を勤務先に求めることができる部分は現状でも同じです。) 

・看護休暇の拡充
 子の看護休暇が拡充され、小学校就学前の子が2人以上の場合には、付与日数が年10日になります(これまでは、子供の人数にかかわらず一律年5日まででした)。また、子に予防接種や健康診断を受けさせる目的でも、看護休暇が取得できるようになります。

・短時間勤務制度の義務化
 就業時間を短縮する「短時間勤務制度」が、すべての企業に義務化されます。今回の改正により1日6時間の短時間勤務の選択が可能になります。今までは、企業は7つの措置から1つ以上を選んで実施というきまりでしたので、短時間勤務を選べない場合もありました。(7つの措置とは、短時間勤務のほかフレックスタイム、事業所内託児所など。)

・育休期間延長
 2度目の育休取得が可能: 育休の取得は原則1回ですが、妻の出産後8週間以内に父親が(1度目の)育休を取得する場合、2度目の育休が取れるようになります。(つまり2回にわけて取れるようになります。)
 パパ・ママ育休プラス: 夫婦がともに育休を取得する場合、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休の取得が認められるようになります(改正前は1歳までの期間にとる必要あり)。ただし、夫婦それぞれが取得できる期間は1年間のままです。
 労使協定による専業主婦(主夫)除外の規定の廃止: さらに、配偶者が専業主婦の場合に、育児休業の取得を拒むことができるという規定は廃止となり、配偶者が専業主婦(夫)であるかどうかにかかわらず、必要に応じて育児休業を取得することができるようになります。

・通院付き添いなどに対応する(短期の)介護休暇を新設
 年5日取れるようになります。対象者が2人以上なら年10日取れます。

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2009年4月 8日 (水)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その3(裁決事例)

前回からの続きです。

「配当所得は申告しなかったけど、申告することも出来たのだったら今からでも申告したい」という場合について、前回示しましたように国税庁は「できない」という判断をしていますが、これを不服とし、国税不服審判所に申し立てをされた人の(拍手すべき?)事例がいくつもあります。(国税不服審判所の裁決事例を以下で検索できます。キーワードに「配当所得」「更生の請求」と入力すると20件程度ヒットします。)http://www.kfs.go.jp/cgi-bin/sysrch/prj/web/pub/editCriteriaByKeyword

結論からいいますと、複数ある裁決の結果はやはり同じで、申立人の主張は認められていません。

国税不服審判所の裁決理由は多くの事例において、以下のような感じです。『更正の請求が認められるのは、納税申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が「国税に関する法律の規定に従っていなかったこと」又は「当該計算に誤りがあったこと」の二つの場合に限られている。』(国税通則法第23条第1項)
つまり、配当所得を申告しないのも(意図的であったか否かにかかわらず)1つの「正しい」やり方であり、誤りではないからというもの。これはその部分だけみれば確かにそうかもしれません。

○「申告不要制度は」積極的な判断なのか?
一方で、審判所の判断として多く見られるのが、各申立人について「申告不要制度を自分の意思で選択している」とみなしているところです。「いや、その判断は、違うでしょ」というのが多くの一般人の意見かと思います。つまり、「申告不要制度」などよく知らず、また配当金を受け取る際に税金が源泉徴収されているのだから、申告する必要はないだろうと考えるのが普通であって、(申告不要制度を)「主体的に選択した」と思っている人はほとんどいないと思います。
「錯誤」していたとみなせなくもないと思うのですが、こういう人たちに対する救済措置が現実としてない、ということになります。(審判所の裁決は、配当所得を申告できるということを「知らないお前達が悪いんじゃ!」といわんばかりです。)

○時間がたったからダメということ?
別の見方です。そもそもその年の申告期限内に配当所得も申告していればすんなり通っていたわけです。仮に、一番最初に配当所得を申告せずに書類提出した後であっても、その年の期限内(通常3/15)であれば、あとから配当所得を申告しなおせば、通るわけです。でも3/15を過ぎた後では、たとえ更生の請求の期限1年以内であっても、ダメ、ということになります。
つまり、「時間がたったからダメ」ということになります。このように考えると、なかなか腑に落ちないものです。

○結論
前例主義である以上、さかのぼっての配当所得の申告が今後認められる可能性は低いでしょう。税務署や審判所・裁判所の人たちが、配当所得の申告に関して申立人たちと同じ経験をしていれば別かもしれませんが・・・。

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2009年4月 7日 (火)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その2(国税庁の判断)

前回からの続きです。

●まず逆の場合から。つまり、過去の確定申告において、「配当所得について確定申告(=総合課税を選択)したが、やっぱり配当所得については申告から外したい(申告不要制度を選択)」と思った場合。

これに関しては、「できません」ということが租税特別措置法関係通達8の5-1に記載されています。http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/801226/sinkoku/57/08/06.htm

●では次に今回のケース。つまり上記ケースとは逆に「配当所得は申告しなかったけど、申告することも出来たのだったら今からでも申告したい」という場合。国税庁は以下のような解釈をして「更生の請求はできません」としています。http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/07/01.htm

しかし、その解釈の根拠の1つは「租税特別措置法第8条の5第2項」です。この法律(http://www.houko.com/00/01/S32/026.HTM)に記載されていることは極端に言うと「配当所得については総合課税とは別計算でもいい」くらいのことであって、「今回のような更生の請求はできない」と解釈するには無理があるようにも感じます。つづきは次回へ。

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2009年4月 6日 (月)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その1

一般的な配当所得(上場株式の配当金、株式投資信託の分配金など)については、所得税・住民税が源泉徴収されており、課税関係は終了しています。つまり、申告も何もしなくてもいいわけです。ただし、確定申告することにより税金が戻ってくる場合があることを以前にお話しました。「一般的」にはこのような知識を持つ人はあまり多くないと思います。

さて、この仕組みを初めて知って、次回からそうしようという場合はいいとして、次回ではなく過去の確定申告にさかのぼって配当所得を「申告」したい場合はどうしたらいいのでしょうか?

そもそも確定申告は、以下に該当する場合には、過去にさかのぼって修正することができます。

1.修正申告
確定申告で納めた税金が本来納める額よりも少なかった場合や、還付を受けた金額が多すぎる場合の修正を「修正申告」といいます。

2.更生の請求
1の修正申告とは逆に、税金を払いすぎた場合や還付を受けた金額が少なすぎる場合の修正を「更生の請求」といいます。申告期限から1年以内であれば請求が可能です。

さて、本題ですが配当所得を申告せずに確定申告をすませたもの(←「申告不要制度」というものがあるので、これは1つの正しいやり方でもあります)について、「やっぱり確定申告し(総合課税を選択し)ます」というのができるでしょうか?つづきは次回です。

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2009年4月 3日 (金)

共同相続人の相続税滞納時は、自分が実質的に連帯保証人

相続税・贈与税には「連帯納付義務」というのがあります。「共同相続人は、その相続税額について相互に連帯納付義務を負う」というものです。贈与税の贈与者等にも適用されます。

例えば親が亡くなり、兄弟で財産を相続した場合。兄が相続税を滞納した場合は、弟のところに督促状がきます。逆の場合も同様です。督促状発出から10日以内に税金を完納しないと、差し押さえなどの滞納処分が開始されます。

また、亡くなった親自身が相続税などを滞納していた場合は、その相続人(=子どもなど)すべてが親の分の相続税も連帯して納付しなければなりません。

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2009年4月 1日 (水)

個人年金保険を相続した場合の税金(二重課税)

個人年金保険を相続した場合、「今後年金を受け取れる」という権利(年金受給権)に対して相続税が課せられます。課税金額の基準になるのは年金の「現在価値相当額」です。例えば既に年金を受給している人が死亡し、年金を相続した場合は、受け取る残存期間に応じて課税額を計算します。

相続税の課税が終了し、実際に相続人が毎年年金を受け取る場合、この年金に対しては税務署は雑所得として毎年所得税を課します。一方でこの、「相続税を課税しておいてさらに所得税を課税する」という二重課税については法定で争われることもあり、裁判所の判断は違法か合法か意見がわかれるようです※。

個人年金を相続した際に年金を毎年受け取るという選択をせず、一括支給を受けると所得税は課税されず、相続税のみの対象になります。受給額については、一括で受け取る分、年金総額の90%弱で評価されるようです。

※夫の生命保険を相続し、年金形式で毎年受け取っていた保険金に対し、(相続時にすでに相続税の課税対象となっていたものに対してさらに)所得税を課するのは二重課税で違法であるという判決が、2010年7月に最高裁で下されました。今後(あるいは遡って)、年金形式で保険金を受け取る保険商品についてこの考え方が適用されることになります。ちなみに所得税法には「相続、遺贈、または個人からの贈与により取得するものには所得税を課さない」と定められています。

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