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2009年4月 8日 (水)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その3(裁決事例)

前回からの続きです。

「配当所得は申告しなかったけど、申告することも出来たのだったら今からでも申告したい」という場合について、前回示しましたように国税庁は「できない」という判断をしていますが、これを不服とし、国税不服審判所に申し立てをされた人の(拍手すべき?)事例がいくつもあります。(国税不服審判所の裁決事例を以下で検索できます。キーワードに「配当所得」「更生の請求」と入力すると20件程度ヒットします。)http://www.kfs.go.jp/cgi-bin/sysrch/prj/web/pub/editCriteriaByKeyword

結論からいいますと、複数ある裁決の結果はやはり同じで、申立人の主張は認められていません。

国税不服審判所の裁決理由は多くの事例において、以下のような感じです。『更正の請求が認められるのは、納税申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が「国税に関する法律の規定に従っていなかったこと」又は「当該計算に誤りがあったこと」の二つの場合に限られている。』(国税通則法第23条第1項)
つまり、配当所得を申告しないのも(意図的であったか否かにかかわらず)1つの「正しい」やり方であり、誤りではないからというもの。これはその部分だけみれば確かにそうかもしれません。

○「申告不要制度は」積極的な判断なのか?
一方で、審判所の判断として多く見られるのが、各申立人について「申告不要制度を自分の意思で選択している」とみなしているところです。「いや、その判断は、違うでしょ」というのが多くの一般人の意見かと思います。つまり、「申告不要制度」などよく知らず、また配当金を受け取る際に税金が源泉徴収されているのだから、申告する必要はないだろうと考えるのが普通であって、(申告不要制度を)「主体的に選択した」と思っている人はほとんどいないと思います。
「錯誤」していたとみなせなくもないと思うのですが、こういう人たちに対する救済措置が現実としてない、ということになります。(審判所の裁決は、配当所得を申告できるということを「知らないお前達が悪いんじゃ!」といわんばかりです。)

○時間がたったからダメということ?
別の見方です。そもそもその年の申告期限内に配当所得も申告していればすんなり通っていたわけです。仮に、一番最初に配当所得を申告せずに書類提出した後であっても、その年の期限内(通常3/15)であれば、あとから配当所得を申告しなおせば、通るわけです。でも3/15を過ぎた後では、たとえ更生の請求の期限1年以内であっても、ダメ、ということになります。
つまり、「時間がたったからダメ」ということになります。このように考えると、なかなか腑に落ちないものです。

○結論
前例主義である以上、さかのぼっての配当所得の申告が今後認められる可能性は低いでしょう。税務署や審判所・裁判所の人たちが、配当所得の申告に関して申立人たちと同じ経験をしていれば別かもしれませんが・・・。


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