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2011年10月

2011年10月 1日 (土)

103万円の壁

「パート収入は103万円以下に抑えたほうがいい」とよく言われます。

これを境に配偶者(主に夫)の所得税が増え、またパート本人も所得税がかかりはじめるからです。

配偶者控除:

まず、103万円を超えると所得控除の1つである「配偶者控除」が配偶者(主に夫)の所得税計算の際に適用されなくなり、夫の税金が高くなります。「配偶者控除」が適用されるためには、配偶者の所得が38万円以下である必要があるのです。(パート収入が103万円の場合は、給与所得は103万円-65万円=38万円として計算されます。)

配偶者控除の控除額は所得税の場合原則38万円なので、適用されれば夫の所得額を38万円少なくすることができます。(70歳以上の配偶者の場合は48万円になります。)

「配偶者控除」は住民税にも適用があります。この場合、住民税計算の所得控除額は原則33万円、70歳以上の配偶者の場合は38万円となります。

また、103万円を超えるとパート収入者本人も所得税を負担する必要がでてきます。ですので、パート収入103万円を気にする人が多いのです。

配偶者特別控除:

一方でパート収入が103万円を超えても「配偶者特別控除」というものがあり、配偶者(主に夫)の所得を減らすことに貢献はできます。パート収入の金額に応じて段階的に配偶者の所得控除(配偶者特別控除の適用額)が減っていく仕組みです。夫婦の税金が多少増えても、収入自体が増えるので、次に説明する130万円の壁ほど気にする必要はないかと思います。

ただ、103万円という金額だけにこだわるのは危険です。103万円の前後で本人および配偶者の所得や税金がどのようにかわるか、専門家等に相談して把握しておいたほうがいいでしょう。

住民税の壁:

一方で、パート収入103万円未満の場合、本人に所得税はかかりませんが住民税がかかる場合があります。例えばパート収入102万円の場合、税額計算上の所得(給与所得)は37万円となり、住民税の基礎控除額は33万円なので所得控除後の額は37-33=4万円となります。この所得4万円に対して住民税の所得割(4万円×税率)と、定額の均等割が発生します。

住民税に関して、基礎控除額を控除した後の金額がゼロになるパート収入は98万円ですが、住民税(所得割)がかからない前年の総所得金額等のラインは35万円(全国一律)なので、実際にはパート収入が100万円を超えると住民税(所得割)が発生することになります。

ちなみに住民税には所得割のほかに均等割という一律定額の住民税があり、この均等割が発生する所得(前年の合計所得金額)の基準は住んでいる地域の生活保護基準の級地区分というものによってことなります。パート収入に換算すると100万円の場合のほか、97万円や93万円の場合があります。

なお、住民税の所得割、均等割に関しては、課税されるラインは扶養親族の数によって変わってきます。例えば主にパート収入のみで子供を扶養している場合、もっと収入があっても住民税が非課税になります。

130万円の壁:

100万円、103万円よりさらにパート収入が増えた場合はどうなるでしょうか?上記100万円、103万円という数字は本人および配偶者の所得税、住民税に関係する部分ですが、これとは別に130万円の壁もあります。

これは税金ではなくて社会保険料などに響いてくる話です。収入が130万円未満の場合(他にも適用条件(就労集30時間以上など)はあるのですが)、扶養配偶者としてみなしてもらえます。この場合、パート収入者本人の国民年金保険料や、健康保険料などの社会保険料の負担はありません。

収入が130万円をこえ、扶養から外れることにより、社会保険料の本人負担が発生します。

ですので、130万円をちょっと超えたくらいの収入では、実質的に可処分所得は逆に減ってしまいます。収入増の場合は、大きく増える方法を考えたほうがよさそうです(目安として、150-170万円)。

もう少し詳しくみていきます。夫婦のどちらか一方にほとんどの収入を頼っている世帯において、配偶者(主に夫)の所得が1,000万円以下の場合は130万円の壁だけを気にすればよいと思います。先ほど書きましたが130万円を超えると手取りがガクッと落ち、130万円未満の時の手取り水準を得るには、150-170万円の収入まで高めていく必要があります。しかしながら一方で130万円でも140万円でも170万円でも、収入に対する手取りの比率は、あまりかわりません(例えば手取り比率70%程度)。つまり130万円超の場合は働けばそれに比例して一定の割合で手取りも増え、労働効率としてはほぼ一定なので、「165万円まで収入を増やさないと意味がない」などと考える必要はないのが本来です。

さらに、2016年10月からは、106万円がひとつの壁になる予定です。年収106万円(就労週20時間)以上の場合、社会保険料を自分で負担することになります。

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