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2017年5月

2017年5月27日 (土)

移住を考えている方へ(リスク管理編)

自然災害を考える

「準備編」に引き続き今回は「リスク管理編」です。

(「マネーの達人」に寄稿した内容です。)

日本という国は、自然災害の多い国です。どこに住んでいても、自然災害がないという場所はありません。

一方で特定の災害については、他地域よりもリスクの高い地域というのがあるので
「ここに住むならこれに注意」
といった知識は必要です。

たまにしか起こらないので住む地域の自然災害リスクについて詳しく調べる人はあまりいないかもしれませんが、起こった時の被害は壊滅的です。

移住しないとしても自分の住む地域の特異性については知っておいたほうが良いと思います。


地震雷火事おやじ

地震





国立研究開発法人 防災科学技術研究所のHPにはJ-SHIS ハザードステーションというのがあります。

将来日本で発生する恐れのある地震による強い揺れを予測し、予測結果を地図として公表しています(全国地震動予測地図)。

リスクの高い地域では家を建てたとしても地震で被災してしまうかもしれませんし、地震保険料も高くなります
「そんなことまで考えていたら住む場所なんてない」
と思ってしまうかもしれません。でも知っておいて住むのと知らずに住むのでは大違いです。


フランクリン・ジャパンという会社のHPに「全国落雷密度マップ」というものがあります。

面積当たりの落雷件数を色分けしたもので、これを見ると関東以南の内陸部や九州全域が落雷件数が多いことがわかります。

一方で「全国落雷日数マップ」を見ると、日本海側が多くなっています。これは冬特有の落雷が日本海側に多いことによります。

「全国落雷日数マップ」は1日に何件の落雷があっても「1日」とカウントされるので、「件数」を反映する全国落雷密度マップとは分布が異なります。




火事


総務省消防庁の資料(消防白書)で詳しく見ることができます。

出火原因

1位 放火
2位 たばこ
3位 コンロ

で一定しています。北陸が少ないこと以外に都道府県別の出火率(人口当たり件数)にも明確な地域性はないようです(2.5倍くらいの開きはありますが)。

主な出火原因はみな人間の活動によるものなので、あえて言えば乾燥しやすい地域、風の強い地域は要注意ということでしょうか。

おやじ


この地域の「おやじ」だけは侮れない、生活に支障をきたすほどに。
そんな地域はあるのでしょうか? 資料は見つかりません(笑)。


噴火、津波、台風(暴風、豪雨、洪水、高潮)

自然災害と言えば、これらを考えないわけにはいきません。

津波や火山の場所は限られています。ただ、富士山のような火山が大爆発を起こせば、風向きによっては東京の都市機能が壊滅的に打撃を受けることが予想されています。

台風は、九州・沖縄・四国の太平洋岸など「台風銀座」と言われる地域がありますが、最近の台風はこれらに限らず様々な地方に上陸する傾向にあるようです。

特に山間部は土砂災害に要注意




自分の住む場所が土石流に襲われる可能性について、自治体の作っているハザードマップなどで事前に調べておいたほうがよいでしょう。

繰り返しになりますが、「知ってて住む」のと「知らずに住む」のとでは大違いです。


野生生物

道路に蛇がいたり、蜂がいたり…などはよくあることです。家の中に大きなクモがいる程度ならまだいいのですが、ムカデなどの害虫がいることもあります

自然災害はたまにしか起こらないので直面する機会は少ないかもしれませんので、自然の豊かな地域への移住後は「虫が多い」などの日常的なことのほうが気になるかもしれません。


治安

警察庁の資料に犯罪件数に関しての統計(警察白書)があります。

人口当たりの刑法犯認知件数(殺人・強盗・放火・強姦・暴行・傷害・窃盗・詐欺などの犯罪)を都道府県別で比較すると、大阪府をはじめ都市部で率が高い傾向にあります。

ただ、件数自体はどこも減少傾向にあります(平成27年以前過去5年のデータでの比較)。

最近はデータが公表されていないようなので数年前のデータになりますが、都道府県のみならず市区町村ごとのデータもあります(ありました)。

都市部では高いところでは、人口に対する年間の刑法犯認知件数が10%近いところもあるのに対し、少ない地方では0.1%程度のところもあります。

これは全体的な傾向なのでもちろん例外も多く、「村」でも5%程度のところもある一方で、人口10万人でも0%の「市」もあります。

「顔見知り」であることが犯罪の抑止力




都市部で犯罪率が高いのは1つに匿名性と関係があると思います。顔の見えないネットの世界では誹謗・中傷がエスカレートするのと同じです。

近所の顔見知りに対しては犯罪しにくいものですし、一度ことを起こしたら本人はその後住みづらくなります。「顔見知り」であることが犯罪の抑止力になっているのでしょう。

地方では、家や車にカギをかけない地域も結構あります。


お金

どこに住んでいてもお金の心配はつきものですが、移住後のお金のシミュレーションも当然必要です。

テレワークが可能な職種など仕事も収入もが変わらない人は支出の洗い直しが必要で、収入が変わる人は収支両方のシミュレーションが必要になります。

「実生活編」に記載しますが、必ずしも「移住 = 生活費が安くなる」わけではないので注意が必要です。

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2017年5月17日 (水)

移住を考えている方へ(準備編)

移住を考えている人が増えています。永住のみならず、転勤などでの一時的な転居の場合も含めてまとめて「移住」として、私の経験から知っておいたほうがいいこと、考えておいたほうがいいことなどを

「準備編」
「リスク管理編」
「実生活編」
に分けて話をすすめていきます。今回は「準備編」です。

目的をはっきりさせる

 「何のために移住するのか」  はやっているからなんとなく、よさそうだからなどイメージ先行で漠然と考えている場合は、後悔する可能性も高くなってしまうでしょう。  まずは、どうしたいのか、目的をはっきりさせることです。
例えば
・生活費を安くしたい
・自然の多い場所でのんびり暮らしたい、人混みがきらい
・人間関係に疲れたので、知り合いのいない場所で一から人生をやり直したい などなど
 一方で、いつもあれこれ考えすぎて、結局「やらないでおこう」になることが多い人、慎重すぎて行動力がちょっと足りない人には「とりあえずやってみてはいかが」と言いたいです。

得られるもの、失うものをリストにする

 目的をはっきりさせると同時に、この作業も大事です。やっておかないと、思いがけないマイナスの出来事が起こった時に、他人などに原因を求めてしまいがちです。  漠然と頭の中で考えていると、整理できません。紙にリストアップして書く作業が有効です。
「書かなくてもできる」と思っている人も、一度書いてみることをおすすめします。  すでに知っていることだけでは不十分で、様々な事前調査が必要でしょう。足を運ぶ、すでに住んでいる人に話を聞くなど、思いがけない情報が得られるかもしれません。

どこに移住する?

お金だけにつられない

 移住、定住を誘致する自治体もたくさんあります。補助金が出る場合もあるので、初期費用を補うには助かります。ただし、「補助金ありき」で選ぶと後悔するかもしれません。その後の生活の満足度を決めるのは、人間関係を含む「環境」だからです。

「本土」か「離島」か

 同じ田舎、あるいは地方(つまり都会でない場所)でも、陸続きか海を隔てているかで全然違います。  陸続きだと、車で走り続ければそのうち着くので、「何かあったらすぐに行ける」という気持ちが潜在的にはどこかにあると思います。
「いつでも戻れる」はメリットでもありますが、一方で移住先でちょっとでも不便を感じると都会が恋しくなってしまったり、決断が甘いと未練ばかりが募るなど、デメリットでもあります。  

離島特有の事情

 離島は物理的に隔絶されているため、ある程度の「覚悟」が必要となります。  飛行機で30分程度の離島もありますが、それは自然の神様が怒っていない時だけです。離島の交通は気象条件に左右されるので、台風などで船や飛行機が動かない場合はよくあります。
 特に自然の美しさと猛威を目の当たりにするのはやはり離島かと思います。  海の見える場所だと、海から朝日が昇ったり夕日が沈むのを見るのは日常になります。  
本土に住んでいるとあまり実感しませんが、風は海から内陸部に入ると途端に弱くなります。  一方、島に住んでいると風の影響(特に冬の季節風)というものをもろに受けます。外を歩いていて風を感じるのは当たり前として、船や飛行機が運航しないので生活の物資が届かず、ということもあるからです。自然災害については「リスク管理編」で説明します。

自治体の財政事情

 どこもそうかと思いますが、地方の財政事情は厳しいのが一般的です。財政が潤っていると保育料が安かったり、公共サービスが充実していたりします。  地方であっても、例えば大企業の本社などがある自治体の場合は潤っているようです。
 逆に財政が厳しいと、インフラの整備が遅れ例えば道路の補修もろくにできなくなったり、医療施設や社会保障の充実も難しく高齢者はますます困ってしまいます。

子供が住みやすい環境

 自分に子供がいてもいなくても、「子供が住みやすい環境」というのは1つの目安になると思います。待機児童などの自治体の政策も含め、「子育てしやすい環境」でなければ、当然のことながら子供は増えていきません。もともと住んでいる人の子供が増えないだけでなく、子育てのためにそこに移住しようとも思わないからです。
なぜ子供が必要か?
 持続的に社会が成り立つためには、一定割合の人口構成が維持されることが必要だからです。
これから社会に出て労働力となり税金を納める年齢層がいなくなると、当然のことながら財政が悪化します。  老後のことまで考えると、自分の子供の有無にかかわらずやはり「子供が住みやすい環境」が必要なのではないかと思います。

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