1.ライフプランニング全般

2009年9月 5日 (土)

後期高齢者医療制度

2008年4月から75歳以上の高齢者らを対象にはじまった医療制度です。今まで国民健康保険や企業の健康保険組合などに(被扶養者として)加入していた75歳以上の人たちが、自動的に加入することになります。

○運営主体: 今までは、各自治体の国民健康保険などに加入した上で、老人保健制度で負担を調整していましたが、後期高齢者医療制度は都道府県単位の広域連合が運営します。

○保険料: それぞれの地域ごとに保険料が決定されます。医療機関に対する患者自身の窓口負担は医療費の1割で、残りの9割は保険給付されます。この保険給付費の財源は、5割は税金で、4割は現役世代からの拠出金(74歳以下が加入する健康保険)でまかない、残りの1割は後期高齢者医療制度の加入者自身(75歳以上)の保険料でまかないます。

○保険料の徴収方法: 年金からの天引きが中心となっています。今まで、年金からの天引きは介護保険料(と所得税)のみでしたが、2008年4月からはこの後期高齢者医療制度の保険料と一部自治体の国民健康保険料(65-74歳)も加わり、世帯主などの社会保険料控除に活用することができなくなりつつあります。(口座振替という選択肢がまったくなくなってしまったわけではありません。申請することにより口座振替にすることもできます。)

○その他: 今まで、例えば会社員の息子の扶養家族となっていた人は、健康保険の保険料の負担はありませんでしたが、今後、後期高齢者医療制度では、保険料を負担することになります。ただし、ある程度の減額の特例措置があるようです。

 

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2009年9月 3日 (木)

リビングウィル

死期が迫っている際に、延命治療に対する希望を書面に残しておくものを「リビングウィル」といいます。内容例は、「死期をのばすための延命治療は一切お断り」や「苦痛を和らげる治療は最大限の必死を望みます」など。

これがあれば、例えば本人が脳梗塞などで意識がなくても、患者がどんな治療を望んでいるかを医師が知る上で重要な情報になります。

作成する方法としては、市民団体に加入したり、公正証書を作成するなどの方法があります。費用は市民団体の場合、年間2,000円程度のようです。公正証書の場合、「認証」というやり方(自分で文面を作成し、本人が作成したことを公証人が証明するもの)の場合、5,500円です。

一方で、リビングウィルを示す場合、上記の方法でお金をかけて作る方法ばかりではありません。意思表示にお金がかかるのもある意味ばかばかしい話です。かかりつけの病院の医師と相談するなどして作成すれば基本的に費用はかかりません。(診察などの医療行為には該当しないため)

なお、リビングウィルは遺言とは別に作成して保管したほうがよいと思われます。遺言は、死後に一定の手続きを経て開封しないと無効になるためで、リビングウィルは生前に必要だからです。

 

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2009年9月 1日 (火)

高額な医療費の持ち出しを防ぐために

入院や手術をして高額な医療費が発生する場合、公的な健康保険から給付金が下りると思いますが、すぐにもらえないとその間数ヶ月は立替ということで、現金が不足しているときには痛い出費です。これをなくすために知っておくと役に立つ知識を以下に記載します。

1.限度額適用認定(2007年4月~)
公的な健康保険には「高額療養費制度」があり、所得水準に応じて自己負担の限度額が定められています。自分が病院の窓口で支払った自己負担額との差額が後日支給されます。この場合、「限度額適用認定」を、加入している健康保険に提出しておけば、はじめから病院では限度額までしか払う必要はありません。
 申請していない場合は、一度自己負担額(3割など)を支払い、後日給付金の申請を行ってその後しばらくして(3-4ヶ月)やっと限度額との差額を受け取れることになります。

2.高額療養費の貸付制度
「限度額適用認定」を申請していなかった場合、自己負担の限度額との差額を受け取るまでの間に、家計に余裕がなくなってしまう場合、それぞれの健康保険には貸付制度があります。

 国民健康保険の場合、高額療養費の給付見込み額の90%の融資を、無利子で受けられます。(自治体によっては実施していないところもあります。)
 協会けんぽ(主に中小企業に勤める人が加入している全国健康保険協会)では80%の融資が無利子で受けられます。
申請から1ヶ月弱で融資が受けられます。

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2009年6月 7日 (日)

事実婚 ここに注意

6月7日日経新聞記事より。

事実婚でも法律婚と同等の権利を認められる場合もありますが、そうでない場合の方が多いので、注意が必要です。以下、列記します。

1.社会保障関連: ほとんどの場合、○(事実婚でも法律婚と同等)

住民票、年金の第3号被保険者、遺族年金、公的医療保険の被扶養者、高額療養費合算制度、労災保険の遺族補償など

2.住宅関係
・公営住宅の入居: ○
・住宅ローンの連帯債務: フラット35は○、そのほか民間銀行は×も。
・介護施設への入居: △(認められない場合が多い)

3.税金や相続関係: ×

配偶者控除や医療費控除を受けることは出来ません。また、事実婚の配偶者に法定相続権はなく、遺贈で財産を受け取ることはできても相続税の軽減はありません。

4.事実婚の解消: ○

厚生年金の分割(合意分割3号分割)が可能。財産分与の請求や慰謝料の請求も可能です。

5.その他
・死亡退職金の受取: △(認める企業は多い)
・生命保険金の受け取り: △(原則は不可)
・事故死亡の場合の逸失利益や慰謝料の請求: △(認められることもあります)
・成年後見の申し立て: ×
・入院時の保証人、医療行為の同意: ×(緊急時の例外はあります)

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2009年5月 9日 (土)

公的医療保険と介護保険サービス費用の自己負担上限 2

高額医療・介護合算制度について、前回からの続きです。

世帯の自己負担額(医療保険+介護保険)の上限は、所得と年齢によって異なります。例えば夫婦の年金収入が合計212万円以下で、住民税非課税世帯の場合は、自己負担額は年間31万円になります。以下、計算例です。

●計算例
70歳以上75歳未満の両親と世帯主の息子(50歳)の世帯(全員国民健康保険とします)の場合。
合算制度の自己負担限度額は、「介護保険の被保険者の年齢」で変わってきます。
・介護保険の被保険者が70-74歳のみ: 62万円
・介護保険の被保険者が70歳未満を含む: 67万円
となります。(いずれも一般所得者の場合)
まず、両親(限度額が62万円)の支給額を計算します。例えば両親の年間医療費と介護費の合計が100万円のとき、支給額は100-62(自己負担額)=38万円となります。
次に息子の支給額を計算します。例えば息子の年間医療費が15万円とします。上記の両親の負担額を加えて支給額は(15+62)-67(自己負担額)=10万円が支給額となります。
よって、世帯全体としては、38+10=48万円が高額介護合算療養費として支給されることになります。

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2009年5月 8日 (金)

公的医療保険と介護保険サービス費用の自己負担上限 1

同一世帯において、公的医療保険(健康保険など)と介護保険の両方のサービスを利用して、年間の自己負担額の合計が一定額を超えた場合、超過分が戻ってきます。これまで自己負担の上限は、医療保険と介護保険それぞれについて決まっていましたが、2008年4月よりこれらが合算できるようになっています。実際の受付は2009年(H21年)8月から始まります。

公的医療保険の医療費自己負担上限(高額療養費制度)と介護費上限(高額介護サービス制度)はそれぞれ1ヶ月(暦月)単位ですが、この合算制度は年間の自己負担額が対象です。仮に医療費の高額療養費制度をすでに利用していても、別途この合算制度を利用することができます。この場合、合算対象は高額療養費制度において上限超過分として戻ってきた分を差し引いた後の、自己負担相当額です。

1年間の金額ですが、1月や4月から計算するのではなく、8月~翌年7月末までで計算します。

注意しなければならないのは、異なる公的医療保険同士では合算できないことです。例えば、夫婦の一方が後期高齢者医療制度、もう一方が国民健康保険に加入している場合、夫婦の医療費は合算できません。年の差夫婦には不利になりそうです。また、申請しないと2年で時効になってしまいます。

申請の方法ですが、まず介護保険を運営する市区町村に「介護自己負担額証明書」をもらい、それを添えて医療保険の運営者(窓口は市区町村)に申請します。 

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2009年4月22日 (水)

育休法改正

厚労省が育児・介護休業法改正案の法案要綱を提示しました(6月24日成立)。子育て世代の支援を強化する内容です。以下、詳細をみていきます。

・残業免除と看護休暇の拡充
3歳未満の子どもを持つ親が申請すれば、残業は原則免除されます。また、子の看護休暇が拡充され、小学校就学前の子が2人以上の場合には、付与日数が年10日になります。

・短時間勤務制度の義務化
就業時間を短縮する「短時間勤務制度」が、すべての企業に義務化されます。

・育休期間延長
育休の取得は原則1回ですが、妻の出産後8週間以内に父親が育休を取得する場合、2回にわけて取れるようになります。夫婦がともに育休を取得する場合、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休の取得が認められるようになります(改正前は1歳まで)。ただし、夫婦それぞれが取得できる期間は1年間のままです。
 さらに、配偶者が専業主婦の場合に、育児休業の取得を拒むことができるという規定は廃止となり、配偶者が専業主婦(夫)であるかどうかにかかわらず、必要に応じて育児休業を取得することができるようになります。

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2009年3月30日 (月)

退職金は証券口座に

退職金を一括で受け取ると指定の銀行口座に振り込まれると思いますが、そのままにしておくと危険あるいはもったいないと思います。

1.なぜ危険?
数千万円単位の退職金の場合、銀行に何かがあった場合に全額が戻ってくるわけではありません。「預金保険機構」の仕組みにより保護されるのは普通預金口座の場合、元本1,000万円までとその利息分です。1,000万円を超える分はどれだけ戻ってくるかはわかりません。

大事な退職金、銀行に預けるなら金融機関を分散させておきましょう。

2.なぜもったいない?
銀行に預けても今の低金利時代では利息は少ししかつきません。以前ご紹介しましたが証券口座は銀行口座のように利用できる面が多い一方で、利回りは銀行口座より高いのが普通です。例えば2,000万円を預ける場合、銀行口座の利回りが0.2%、証券口座が0.4%だとすると1年後のその差は4万円にもなります。

では証券口座なら全額預けても安全?

証券会社には「分別管理義務」があり、万一証券会社が破綻してもすべて投資家の元に戻ることになっています。ただし証券会社の違法行為があった場合など、預かり資産の全額が返還されない場合があります。このような事態でも、「投資者保護基金」により、1,000万円までは補償されます。

まずは、証券口座に預け、残りを銀行口座に預けるのは1つの方法かと思います。

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2009年3月29日 (日)

学資保険

子どもが生まれたら学資保険」と言われた学資保険ですが、「入ったほうがいいか否か」についてはメリット・デメリットをよく吟味する必要があると思います。

学資保険とは、教育資金を積み立て、満期になると満期金が受け取れる貯蓄性の商品であると同時に、契約者(一般的には親)が死亡したときにその後は保険料を払い込まなくても、満期になると満期保険金が受け取れる保険商品です。以下、具体的にみていきます。

○かんぽ生命保険の「新学資保険」: 被保険者である子どもが死亡した場合でも、満期保険金と同額を受け取ることができます。その分毎月の保険料は高くなり、現在は満期金額は払い込み総額を下回ります。保険機能を重視した商品といえます。

○ソニー生命保険の「5年ごと利差配当付学資保険」: 被保険者である子どもが死亡した場合、満期保険金と同額はもらえず、払い込み保険料分を受け取ります。その分毎月の保険料はかんぽ生命保険の「新学資保険」より安く、満期金額は払い込み総額を上回ります。貯蓄機能を重視した商品といえます。

仕組みのメリット: 一度契約すれば自動的に教育資金が積み立てられるため、(お金があると使ってしまう)意志の弱い人にはいいかもしれません。もっとも、「自動的に天引き」の仕組みは投資信託などの積み立てでもよいわけですが・・・。

利率のメリット: 今後も超低金利が続く場合は、ソニー生命保険の「5年ごと利差配当付学資保険」などは、定期預金よりも有利になります。一方で、20年近く運用できるので、投信などのよりリスクのある商品で運用する方法も考えられます。

親が別途生命保険に加入している場合は、親の「死亡保障」として過大になっている可能性があります。親の死亡保障部分は「定期保険」で準備し、貯蓄部分はインフレリスクに対応した別の商品で運用する方法も考えられます。

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2009年3月27日 (金)

犯罪被害給付制度

犯罪に遭い、生命や身体を害された被害者を救済する制度として、「犯罪被害給付制度」というものがあります。給付金は「遺族給付金」「重傷病給付金」「障害給付金」の3種類があります。

1.遺族給付金
 被害者が死亡した場合に遺族に対して給付されます。死亡前の医療費の自己負担額も支給されます。

2.重傷病給付金
 治療期間が1ヶ月以上かつ3日以上の入院の傷害を受けた被害者に支給されます。医療費の自己負担額と休業損害分(あわせて上限120万円)が、1年を限度として支給されます。精神疾患の場合は入院の必要はありませんが、3日以上労務不能であることが要件です。

3.障害給付金
 被害者が負った障害の等級(第1級~第14級)に応じて支給されます。

申請先は、各都道府県の警察本部または警察署になります。なお、海外での被害は上記制度の対象外ですが、(財)犯罪被害救援基金の制度が適用できる場合もあるようです。

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2009年3月25日 (水)

年金加入記録を確認する

2008年には、「ねんきん特別便」が全加入者に送付されましたが、2009年以降は、「ねんきん定期便」というものが、現役加入者に毎年送られる予定になっています。「ねんきん特別便」のときは年齢層別に高齢者から順に送られてきましたが、「ねんきん定期便」は誕生日の月に送られてきます。

「ねんきん定期便」に記載されている内容は以下のとおりです。
・年金加入期間
・年金見込額
・保険料の納付額
・年金加入履歴
・第2号被保険者時代の賃金ランク(標準報酬月額など)
・国民年金加入期間中の保険料納付状況

「昔、払ったはずなのに」履歴に残っていない場合はモレがあると考えられます。

このような場合、会社員であったときの厚生年金保険料については、給与明細から天引きされていた記録が証拠になると思います。また、国民年金保険料の支払については、銀行口座引き落としの記録などが証拠になると思います。「払ったのにもらえない」事態にならないよう、はやいうちに加入記録を確認しておきましょう。

また、会社員時代の厚生年金保険料については、加入していたかどうかだけではなく、自分の賃金ランクに相当する「標準報酬月額」が不当に引き下げられていないか、確認した法がよいと思われます。

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2009年3月22日 (日)

国民年金基金の対象拡大(2011年4月から)

自営業者らの上乗せ年金である国民年金基金ですが、加入対象が広がる予定になりました。

60歳~65歳の人は任意で国民年金に加入することはできますが、現在の制度ではその年齢の間は国民年金基金には加入することはできません。これが、2011年4月以降、海外居住者も含めて加入可能になる見込みです。

国民年金基金の掛け金は、月額68,000円が上限ですが全額が社会保険料控除の適用を受けるため、節税できるメリットがあります。

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2009年3月19日 (木)

葬儀費用

身内が亡くなったときは、悲しみやあわただしさでなかなか費用のことまで頭がまわらないと思いますが、とんだ出費になって後悔しないよう、知っておきたいことです。

○葬儀に必要な書類と主な費用
・必要な書類: 死亡届、火葬許可証、埋葬許可証
・主な費用:
1.葬式自体の費用・・・寝台車代(遺体の引き取り)、祭壇や棺、式場料金、霊柩車代
2.通夜料理などの飲食接待費
3.お布施などの寺院への費用
4.火葬・埋葬の費用・・・火葬料、遺骨容器代、墓地費用など

○葬儀費用を抑えるには
葬儀費用の全国平均は230万円程度と言われていますが、「市民葬儀」を利用したり、葬儀会社の見積もりを比較検討することにより抑えることができます。

○市民葬儀
大都市圏の多くの市区町村で導入されています。市区町村が葬儀会社との間で祭壇や火葬などの料金を設定した葬儀で、10万円程度~35万円程度でおさまるようです。また、一般の葬儀会社の葬儀を利用する際でも、市民葬儀の明細を参考に比較検討することができます。

○給付金
健康保険や国民健康保険から、埋葬料や葬祭費が支給されます。詳細はこちら

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2009年3月16日 (月)

お金がないときの出産

出産にはお金がかかります。健康保険(会社員など)や、国民健康保険(自営業者など)からは出産育児一時金38万円が支給されますが、何らかの事情でそれらが受けられない場合は、「入院助産制度」を利用できる場合があります。

○要件
生活保護世帯、前年度の所得税額が8,400円以下 など

○自己負担額
生活保護世帯は無料、その他は所得の額によります。分娩の前後1週間程度にかかる費用が補助の対象になります。

○利用できる場所
自治体が認可した病院や助産施設に限られます。

しかし最近は、産科医の不足に加えてこの制度の認定を申請する病院の数が減ってきています。病院側にとっては、国と自治体から受け取る補助が一人30万円程度であり、赤字になるケースが多いことも原因の1つに挙げられるようです。

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2009年3月13日 (金)

確定拠出年金 企業型で従業員の上乗せ可能に

2010年1月、確定拠出年金法改正案が施行される予定です。おおまかな内容は以下のとおりです。

1.非課税限度額の引き上げ
2.企業型確定拠出年金において、従業員の上乗せ拠出が可能に

以下、詳細に見ていきます。

1.非課税限度額の引き上げ
企業型確定拠出年金においては、掛け金は企業のみが拠出できることになっていました。非課税限度額とは、掛け金に関して企業が損金算入できて、法人税などの課税対象にならない範囲のことです。今後、毎月の上限が以下のように引き上げられます。

・従業員一人当たり46,000円 → 51,000円(ほかに企業年金がない会社の場合)
・従業員一人当たり23,000円 → 25,500円(ほかに企業年金がある会社の場合)

また、個人型確定拠出年金においても月あたり18,000円 → 23,000円に引き上げられる予定です。

2.従業員の上乗せ拠出
企業型の確定拠出年金において、従業員の上乗せ拠出(マッチング拠出)が認められるようになります。従業員の拠出分は、所得控除が適用されます。ただし、制約があり

(1)企業が拠出する掛け金の範囲内であること
(2)企業が拠出する掛け金とあわせて、上記の非課税限度内であること

が必要です。

※(追記)上記審議内容についてはその後国会の閉幕で廃案となり、今後の実施については未定です。

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2009年3月 8日 (日)

離婚時の年金分割 その5 厚生年金基金(2)

前回、離婚による年金分割をした場合の年金見込み額(社会保険庁からの回答)の見方については注意が必要であると書きました。以下、具体的に書きます。

夫が厚生年金基金から年金をもらえる場合、社会保険庁が回答する見込み額は夫側と妻側では意味合いが異なってきます。通知には「基金の加入期間のある人は基金から支払われる年金額を除いて試算」と書いてあります。この試算額は厚生年金のうち国から支給される部分についての試算額で、夫がもらえる年金は実際にはこれよりも増えるわけです。基金から支給される年金(厚生年金代行部分+上乗せ加算額)は試算額には入っていません。

厚生年金代行部分は、分割後も夫には基金から支給されますが、妻には国から支給されることになります。よって、妻の見込み額には代行部分はすでに含まれていますので、妻が「この私の試算額とは別に基金からの年金がある」と考えるのは間違いということになります。

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2009年3月 7日 (土)

離婚時の年金分割 その4 厚生年金基金(1)

厚生年金基金とは企業年金の1つであり、勤め先の会社が基金を設立していれば従業員は厚生年金基金に加入しています。厚生年金とは別に毎月給料から天引きされ(明細項目名:厚生年金基金として)、老後に年金として受け取ります。

毎月給料から天引きされた厚生年金は老後に国から支給されます。一方で厚生年金基金に加入していると、厚生年金の一部はこの厚生年金基金が運用代行(「厚生年金代行部分」といいます)します。この代行部分は老後には厚生年金基金から、独自の上乗せ部分が加算されて支給されることになります。

運用代行部分以外の残りの厚生年金部分については、国から支給されます。

年金の離婚分割時に、夫の厚生年金は分割の対象になります。一方で厚生年金基金については注意が必要です。厚生年金代行部分(もともと厚生年金の一部分)については分割の対象になりますが、厚生年金基金独自の上乗せ部分については分割の対象にはなりません。

離婚による年金分割をした場合の、年金見込み額の見方については注意が必要です(次回)。

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2009年3月 6日 (金)

離婚時の年金分割 その3 分割のタイミング

離婚により年金分割を請求すると、その翌月から減額されます。たとえば、元妻がまだ50歳代で老齢年金を受給できる年齢に達していない場合でも、分割を請求すると翌月から元夫の年金は減額されます。

これは、分割請求時点で元夫の加入記録(標準報酬記録)を分割するためで、元夫の記録の一部が、元妻の記録に移されます。

これにより、元妻が年金を受給する前に元夫が死亡したとしても、分割を受けた元妻の年金がもらえなくなるということはありません。

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2009年3月 3日 (火)

離婚時の年金分割 その1(厚生年金の合意分割)

離婚時の年金分割については、以下の2つの制度があります。
1.H19年4月から実施 厚生年金の合意分割
2.H20年4月から実施 第3号被保険者期間の強制分割

1も2も、分割の対象は厚生年金の報酬比例部分です。それぞれの制度の施行日以降に離婚(あるいは婚姻の取り消し、事実婚の解消)した場合が対象となります。まずは1の厚生年金の合意分割についてみていきます。

1.厚生年金の合意分割
・当事者: 夫婦の一方または両方が、婚姻期間中にサラリーマンなど第2号被保険者の期間がある場合です(夫婦とも、婚姻期間中ずっと自営業者などの第1号被保険者のみの場合は分割の対象外です。)
・妻が専業主婦(第3号被保険者)の場合: 夫の厚生年金を妻に分割します。分割割合は話し合いで決め、上限は5割です(話し合いで決まらないときは裁判所が決めます)。
・夫婦とも第2号被保険者期間がある場合: 夫婦の保険納付記録の合計を、多いほうから少ないほうに分割します。
・原則として、離婚後2年以内に請求する必要があります。
・手続き: 合意した内容を記載した書類を社会保険事務所の窓口にもって行きます(合意内容を明らかにした公正証書などの謄本を添付します)。年金分割の請求は、当事者の一方だけで行うこともできます。

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2009年2月27日 (金)

介護報酬、4月からアップ

介護保険のサービスを利用すると、利用者は介護報酬(介護サービスの事業者に支払われるお金です)の1割を負担し、残りの9割は介護保険から介護給付費として支払われます。この介護報酬の金額が2009年4月から改定され、3%増加します。この介護報酬の金額は3年に一度見直されているものです。

介護保険料は40歳から支払い始めます。64歳までの人と65歳以上の人では介護保険料が異なります。介護保険の財源のうち、半分をこれらの被保険者が支払い、残りの半分は国や都道府県、市区町村が負担しています。

介護サービスの利用は増加傾向にあり、65歳以上の介護保険料はおおむね引き上げられる見通しです。ただし自治体により異なり、中には減額する自治体もあります。

後期高齢者医療制度の保険料の徴収方法は、年金から天引きされる以外に口座振替も選択できますが、65歳以上の介護保険料は年金からの天引きしか選択肢がありません。口座振替を利用できれば、例えば収入が少なく所得控除を生かしきれない人の介護保険料を、収入がある夫などが一緒に払うことによって夫の社会保険料控除として有効活用することもできます。

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2009年1月 9日 (金)

雇用保険の料率変更、受給要件の緩和

雇用保険の保険料率は1.2%(労働者負担はその半分の0.6%)でしたが、2009年度に限って変更されるようです。

厚労相の諮問機関である労働政策審議会にて、雇用保険料率を1.2%から0.8%に引き下げる案が8日に了承されました。

同時に、非正規労働者が雇用保険に加入しやすくなるように雇用保険の適用範囲も拡大されるようです(雇用期間が1年以上の労働 → 6ヶ月以上 に短縮)。非正規労働者の受給要件も緩められ、雇用保険料を6ヶ月以上納めていれば、失業手当が支給されるようになります。

(3月末追記)
また、病気や妊娠、出産、育児、親の介護などで離職する人には朗報です。自己都合の退職であっても「特定理由離職者」として認定され、雇用保険上は会社都合と同じ扱いになります。また、結婚や配偶者の転勤により遠くに引越して通勤ができなくなり、離職した人も特定理由離職者として認定されます。ただし、特定理由離職者の給付認定は2012年3月末までの時限措置です。

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2008年9月 2日 (火)

国の教育ローンは縮小傾向 その2

前回からの続きです。

国民生活金融公庫が、08年10月に日本政策金融公庫に統合・改組されることに伴い、同公庫の「教育一般貸付」利用の際の収入制限が以下のように厳しくなります。

現在の条件:
  世帯の年間収入が990万円まで(事業所得者は所得が770万円まで)
08年10月より:
・子ども一人の場合 収入790万円(事業所得590万円)まで
・子ども2人の場合 収入890万円(事業所得680万円)まで
・子ども3人以上の場合は変更ありません。

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2008年9月 1日 (月)

国の教育ローンは縮小傾向 その1

様々なライフイベントのうち、計画をたてやすいのが「教育費」です。子どもが生まれた時点で、何年後にいくらくらいかかるのかだいたいわかります。

主な公的教育ローンには、
・国の教育ローン および
・財形教育融資(財形貯蓄制度を利用している従業員対象)
があります。

融資元はそれぞれ
・国の教育ローン → 国民生活金融公庫
・財形教育融資 → 雇用・能力開発機構
です。

また、奨学金制度としては日本学生支援機構(もと日本育英会)によるものがあり、
・第1種奨学金(無利息)
・第2種奨学金(在学中は無利息)
があります。

国の教育ローンには一般貸付、郵貯貸付、年金貸付というのがありますが、縮小されています。
・「郵貯貸付」は、郵便局の扱う「教育積立貯金」を利用していることが条件ですが、郵政民営化に伴い2007年9月で、教育積立貯金の新規受け入れが終了しています。
・「年金貸付」を扱っていた福祉医療機構は、08年度から斡旋業務を停止しています。

また、「一般貸付」の収入制限が08年10月から厳しくなります。詳細は次回に。

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2008年5月18日 (日)

自営業者など個人を対象とした年金2 (小規模企業共済)

前回紹介しました「小規模企業共済」についてお話いたします。以下、主な特徴です。

1.小規模企業(常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下))の個人事業主と会社の役員が加入できます。事業主の退職金制度といえます。

2.掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、全額所得控除されます。毎月の掛金は1,000円から70,000円までの500円刻みです。

3.「所得がないとき」や「災害に遭遇しまたは入院しているとき」のいずれかの理由で、掛金の納付を継続することが著しく困難であると認められた場合に限り、6ヶ月または12ヶ月間掛金の納付を停止することが出来ます。
ただし、停止している間は
・共済金等の計算のための掛金納付月数には算入できず
・共済金等の退職所得控除額を計算するにあたっての勤続年数に算入することもできません。

4.一時的に業績が悪化し、資金繰りに支障をきたしたときなどは、所定の要件を満たせば契約者貸付制度を利用することが出来ます。
・一般貸付け
・傷病災害時貸付け
・創業転業時貸付け
・新規事業展開等貸付け
・福祉対応貸付け
・緊急経営安定貸付け
の6種類があります。貸付け限度額は掛金の範囲内で、納付月数に応じて掛金の7割から9割です。

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2008年5月17日 (土)

自営業者など個人を対象とした年金1 (国民年金基金)

以前に、企業年金について触れました。国民年金保険や厚生年金保険などの公的な保障に対し、企業からの保障は企業年金と呼ばれます。これに対し、自営業者などは企業に所属していないので当然のことながら企業からの保障はありません。会社員など厚生年金保険に加入している人が加入できる企業年金に対し、自営業者などの国民年金のみに加入している人に対しては、自助努力としての以下のような制度があります。

1.国民年金基金
平成3年に制度が創設され、国民年金の上乗せ年金として利用できます。利用できるのは国民年金の第1号被保険者のみで、第2、3号被保険者は利用できません。第1号被保険者であっても、付加保険料を納めている人、国民年金の保険料免除者、滞納をしている人は基金に加入できません。掛金は、個人型確定拠出年金への拠出金額をあわせて毎月68,000円が限度です。つまり、年間816,000円が限度であり、その全額が社会保険料控除の対象となります。つまり、同じ年金でも民間の生命保険会社が販売する個人年金保険の場合は、生命保険料控除として上限が年間5万円までであるのに対し、国民年金基金の保険料は税制面で優遇されていると言えます。

国民年金基金は5年ごとに財政再計画が行われ、運用利率が見直されます。直近では今年平成20年に見直されます。契約時の利率で60歳まで運用されるので、いつ契約するかが重要になってきます。

2.小規模企業共済制度
詳細は次回へ。

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2008年5月14日 (水)

確定拠出年金6 その他個人型について

今回は、個人型確定拠出年金加入時のその他の注意事項についてお話いたします。

1.原則として60歳までは資金の引き出しは出来ません。転職などで確定拠出年金の加入資格を喪失し、運用指図者になる場合は、特例として一定の条件を満たせば脱退することが出来ますが、脱退できるのは以下の条件をすべて満たした場合のみです。

・60歳未満
・企業型年金の加入者でない
・個人型年金の加入資格がない
・障害給付金の受給権者でない
・加入期間が3年以下または資産残高が50万円以下
・企業型年金または個人型年金の資格を失ってから2年を経過していない

2.運用管理機関を変更するときには、変更先に現在と同じ商品があっても新たな手続きが必要です。つまり、年金資産を一度解約して現金化し、新たな運用期間で購入しなおす手続きが必要です。

3.死亡一時金を受け取ることができる遺族の範囲と順位は以下の通りです。
(1)配偶者
(2)子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって、死亡した者の死亡当時に、主としてその収入によって生計を維持していた者
(3)(2)のほか、死亡した者の死亡当時に、主としてその収入によって生計を維持していた親族
(4)子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって、上記(2)に該当しない者

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2008年5月13日 (火)

確定拠出年金5 転職先での手続き

現在の会社で企業型の確定拠出年金に加入している場合、転職先に企業型の確定拠出年金があるかないかで、手続きが変わってきます。

○転職先に企業型確定拠出年金制度がある場合
   →転職先で手続き

○転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合
   →国民年金基金連合会で手続き
(国民年金基金連合会に年金資産を移管します。)

転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合をさらに細かくみていきますと

・企業年金がある場合:
  個人型確定拠出年金に加入することはできないため、運用指図者にならざるをえません。(・・・条件によっては脱退も可能ですが。)運用指図者とは、新たに自分で積立ができず、すでに積み立てた資産の運用指図のみを行うことができるということです。

・企業年金がない場合:
  個人型確定拠出年金に加入するか、運用指図者になるかを選択します。

○ また、新たに公務員になる場合も個人型確定拠出年金に加入することはできないため、運用指図者にならざるをえません。(条件によっては脱退も可能ですが。)

今後転職する可能性がある人にとって、確定拠出年金制度はあまり使い勝手がいいとは言えないようです。

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2008年5月12日 (月)

確定拠出年金4 デメリット

前回まではメリットについて書きましたが、今回はデメリットです。

○維持管理費: 一般金融商品に比べメリットの多い確定拠出年金ですが、割高な部分もあります。

企業型の確定拠出年金と比べて、個人型は毎年、
・証券会社など運営管理機関に対して「口座管理手数料」(5,000円程度)を、
・国民年金基金連合会に「掛金収納費用」を、
・信託銀行に「資産管理手数料」などを
払う必要があるため、企業型に比べ利用が進んでいないのが実態です。(SBI証券では、年金残高が50万円を超えると口座管理手数料が無料。)

○転職時: 手続きを怠ると、不利益を被ることがあります。

確定給付年金など、従来の企業年金は転職時には積立金を清算する必要がありますが、確定拠出年金はその必要がありません。積み立てた年金原資は、個人型または転職先の企業型の確定拠出年金にそのまま移すことができます(ポータビリティ制度)。ただし、半年以内に移管手続きを行わないと「運用放棄」とみなされ、積み立てた資金は国民年金基金連合会に移されて受給権を失うことはありませんが、運用益は得られず、維持管理の手数料だけが差し引かれていきます。

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2008年5月11日 (日)

確定拠出年金3 メリット2(運用時)

○運用時メリット

前提: 毎月18,000円の掛金を拠出し、年2%の複利運用で25年間運用した場合。年1回まとめて掛金を拠出したものとし、1年複利で計算します。

①確定拠出年金 → 運用益非課税

掛金拠出時の年間手数料を6,300円としますと、18,000円×12ヶ月-6,300円=209,700円を年2%の複利運用することになり、25年後の残高は6,716,691円となります。積み立て期間中は運用益に対して税金がかからず、その分を再投資できるため複利効果が発揮されます。一方で、加入時に手数料がかかる場合もあります。

②通常の金融商品  → 運用益課税

運用益に20%課税されます。従って、税引き後の運用益は0.8を掛けたものになり、年2%の複利で運用した場合、税引き後の運用益は2%×0.8%=1.6%の複利で運用した場合と同じになります。18,000円×12ヶ月=216,000円を1.6%複利で25年間運用すると残高は6,575,904円になります。

①と②の差額は140,787円となり、確定拠出年金の非課税メリットがあることがわかります。

○給付時の税金

確定拠出年金の給付金を年金で受け取る場合には「公的年金等控除」が、また一時金で受け取る場合には「退職所得控除」が適用されます。

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2008年5月10日 (土)

確定拠出年金2 メリット(拠出時)

確定拠出年金は、通常の金融商品に比べ拠出時と運用時にメリットがあります。具体的にどれだけあるのかみていきます。
・拠出時メリット: 所得控除あり、さらに投信購入手数料無料
・運用時メリット: 運用益が非課税

前提: 毎月18,000円の掛金を拠出し、年2%の複利運用で25年間運用した場合。年1回まとめて掛金を拠出したものとし、1年複利で計算します。

○拠出時メリット

・所得控除: 確定拠出年金は、掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、減税効果があります。その人の所得税、住民税の税率分だけ減税され、例えば所得税、住民税の税率がともに10%の人の場合、合計で掛金の20%相当額の減税効果があります。

上記の例の場合、掛金年間216,000円×20%=43,200円となり、毎年この額の税金を減らすことができます。25年間税率がかわらないとすると1,080,000円になります。

一方、通常の金融商品の場合はこのような所得控除はありません。

・購入手数料: 企業型401K用の投信は販売手数料が無料です。一方で、通常の投信でも、販売手数料が無料の投信(ノーロード投信)も増えてきています。

○デメリットについては次々回以降に説明いたします。 

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2008年5月 9日 (金)

確定拠出年金とは?

確定拠出年金は日本版401Kとも呼ばれ、平成13年(2001年)10月に導入されました。公的年金や企業の確定給付型年金は、国や企業の責任において資金を運用するものですが、確定拠出年金は加入者の自己責任で公社債や投資信託などの運用商品を選び、運用する年金です。従って、確定拠出年金は個人個人の運用成績によって将来受け取れる年金の額は変動してきます。

確定拠出年金には企業型と個人型があります。
・企業型は企業の従業員(基本的に、国民年金の第2号被保険者)が加入することができます。掛金は、事業主が(退職金の原資から)拠出します。現在は加入者個人から拠出することはできません(2010年以降制度が変わり、拠出できるようになる予定)。
・個人型は、自営業者など国民年金の第1号被保険者が加入することができます。第3号被保険者は加入できません。原則60歳から受給可能ですが、加入期間10年未満では、受給開始時期が最長65歳まで延長されます。受給は、5年以上20年以下の有期年金が基本ですが、終身年金や一時金も可能です。

企業の従業員であっても、その企業が企業年金(確定給付型)や確定拠出年金(企業型)のいずれも実施していない場合は、個人型の確定拠出年金に加入することができます。

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2008年5月 8日 (木)

企業年金とは?

国民年金保険や厚生年金保険などの公的な保障に対し、企業からの保障は企業年金と呼ばれます。企業が、従業員の退職後の安定した生活を目的にお金を積み立て、退職金の全部あるいは一部を年金として支給する仕組みです。

年金として受け取れる額が保障されているかいないかで企業年金を分けて考えますと、
・保障されているもの(確定給付型): 厚生年金基金、確定給付(企業)年金など
・保障されていないもの(確定拠出型): 確定拠出年金(企業型)
などがあります。

・厚生年金基金は、給与明細をみると毎月天引きされていることがわかります。本来老齢厚生年金として国が支給する年金の一部を厚生基金基金が運用代行し(代行部分といいます)、さらにそこに企業独自の給付を上乗せして、厚生年金よりも手厚い給付を行うものです。

・2002年にできた確定給付(企業)年金は、代行部分がない、企業の退職金にあたる上乗せ部分だけの年金です。年金の原資は、会社が負担する掛け金です。厚生年金基金と同様に、将来給付することを約束した年金額が不足する場合には、企業が負担してその不足を穴埋めします。

厚生年金基金は財政状況が苦しくなると、この確定給付企業年金へ移行する場合があります。この場合、代行部分の年金原資を国へ移換しますが、これを代行返上といいます。確定給付企業年金へかわっても、代行部分は同じ年金額で国から支給されます。

前述の通り、厚生年金基金や確定給付企業年金は、将来の年金額を約束した上で一定の運用利率等を見込んで、掛金を積立てていくタイプの年金です。運用がうまくいかなかった場合には積み立て不足が起こります。これを改善するには掛金を引き上げる方法がありますが、会社の経営状況が悪くそれが不可能な場合には、給付額を引き下げる方法もとられます。

確定拠出年金については次回。

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2008年5月 7日 (水)

変額個人年金保険のデメリット

前回からの続きです。変額個人年金保険のデメリットです。

●デメリット

①割高・・・直接自分で投資信託を買う場合よりも、購入時、運用時にかかる費用が割高です。

 ○購入手数料

 ・投資信託: 購入額の2~3%
 ・変額年金: 購入額の4~5%

 ○運用手数料

 ・投資信託: 残高の1~2%
 ・変額年金: 残高の2~3%

 ○その他費用

変額年金の場合、投資信託の費用に加えてかかるのが以下のような費用です。

・保険関係費・・・保障のための費用
・口座維持管理費(かからないものもあります)
・中途解約控除(早期解約の場合、多額の手数料。また、一般的に解約返戻金には最低保証がつかないため、返戻金が払込保険料総額を下回ることがあります。)

②金融機関破綻時の扱い: 通常の投資信託は、金融機関が破綻しても顧客の資産に影響はありませんが、これは保険商品なので、保険契約者保護機構によって保障されます。保障されるのは全額ではありません(責任準備金の9割)。

そのほか、通常の生命保険商品と異なりクーリングオフの適用対象外であることにも注意しましょう。

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2008年5月 4日 (日)

変額個人年金保険のメリット

公的年金だけでは老後が不安な時代ですが、「長生きするリスク」に備えるのが個人年金保険です。契約時の市場金利に応じて利回りが決まり、将来の受取額が固定されるのが「定額個人年金保険」です。一方、運用実績によって受取額が増減し、元本割れする可能性もあるのが「変額個人年金保険」です。

後者の「変額個人年金保険」は、主に投資信託で運用し、どの投資信託にするかを原則自分で選びます。投資信託の運用成績が良くなかった場合は、年金原資が払い込み額を下回ることもあります(最低保証つきのものもありますが、保険料は高くなります)。

年金を受け取る期間は一生涯のものや5年、10年など一定期間から選択できます。投資信託と比較したメリットを以下に書きます。

●メリット

①保険商品なので、万が一の時には死亡保険金を受け取ることができ、受取額は払込保険料相当額を下回らないのがほとんどです。

②運用先の投資信託を変更しても、一定回数までなら手数料はかかりません(投資信託を自分で購入し、他の投資信託に変えるときふつうは解約手数料あるいは売却手数料および購入手数料などがかかります)。

③(税制優遇1) 生命保険料控除の対象になり、節税に有利です。(個人年金保険料控除の適用はありません。)死亡保険金は、相続税の非課税枠の対象です。

④(税制優遇2) 課税繰り延べ効果・・・ 投資信託では分配金や解約時の運用収益に課税されます。つまり投資信託を変更しなくても分配金を受け取るたびに課税され(現在10%)、変更した場合はする度に運用益に対して課税(現在10%)されます。
変額年金保険では、年金の受け取り開始まで分配金、運用益とも収益に対しては課税されず、全額再投資されます。つまり運用先の投資信託を変更しても、運用益に対して非課税です。換金時にはじめて一時所得として、所得税の課税対象となります。

デメリットについては次回。

 

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2008年5月 1日 (木)

おもしろ過去問その1

難関であるCFP試験ですが、中には「おやっ」と思うような問題もたまに出題されています。今回は、過去に出題された問題の中からある意味「おもしろいもの」をご紹介いたします。

出題は、平成19年度第1回試験、分野は「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」からです。

中学1年生の長男に携帯電話を持たせようと考えている親に対し、CFP(R)認定者が行った次のアドバイス1~4のうち、最も不適切なものはどれか、を選ぶ問題です。

1.「メールでは人の悪口を絶対に書かないことなど、メールについての基本的マナーについて説明しておき、お子さまがトラブルに巻き込まれないようにしましょう。」

2.「使い過ぎを防ぐためにも、親子で利用料金の上限について決めておきましょう。」

3.「携帯インターネット上の有害情報サイトへのお子さまのアクセスを防止するため、無料では提供されていませんが、携帯電話会社の各種アクセス制限サービスを利用されるとよいでしょう。」

4.「詐欺などの被害に遭わないために、一人で勝手にオークションなどに参加しないなどのルールを作っておきましょう。」

1,2,4は適切であると考えられ、答えは3です。

有害情報サイトへのアクセスをブロックするためのサービス(フィルタリングサービス)は各社(ドコモ、KDDI、ソフトバンクなど)から無料で提供されています。

この問題は、この「無料で提供されている」ことの知識を問う問題ですが、ずいぶんとユニークな出題だという印象を受けます。

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2008年2月20日 (水)

健康保険料を計算してみよう4(国民健康保険料)

75歳未満の自営業者などが加入する国民健康保険ですが、保険料は自治体によって異なります。ただし基にする指標は同じで、その指標をどう計算式に使うかが自治体によって異なるのです。その4つの指標について説明します。

1.所得割
・・・所得または住民税に比例
多くの自治体は、退職所得を除くほとんどの所得が対象になる「旧ただし書き方式」を採用しています。
一方、東京23区は住民税方式です。

株式譲渡益の確定申告が保険料に影響する度合いは「旧ただし書き方式」のほうが、大きいようです。

2.均等割
その世帯で国民健康保険に加入している人の数に比例

3.平等割
一世帯あたりの額

4.資産割
世帯ごとの資産に応じて計算

(サラリーマンなどが加入する「健康保険」の計算方法についてはこちら

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2008年2月11日 (月)

児童扶養手当て

前回は「児童手当」について説明いたしましたが、今回は「児童扶養手当」についてです。児童扶養手当とは、離婚・死亡・遺棄などの理由で父親と生計を一にしていない母子家庭等の生活の安定と自立を促進するための制度です。

○受給資格者: 日本国内に住所があって、支給要件に該当する児童※を監護している母、または母に代わって児童を養育している人
※18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間。(一定の障害状態にある場合は20歳未満)

○受給できない人
・養育する母親が遺族年金や遺族補償等を受けることができる場合
・子どもが(児童福祉法に基づく)里親に委託されている場合
・子どもが父に支給される公的年金の額の加算対象となっている場合
・子どもが父と同一生計の場合(父が重度障害の場合を除く)
・子どもが母の配偶者(内縁関係を含む)に養育されている場合
・子どもが児童福祉施設等(母子生活支援施設、保育所、知的障害児通園施設等を除く)に入所している場合

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2008年2月10日 (日)

児童手当

児童手当制度は、児童を養育している方に手当を支給することにより家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的にしています。

児童手当制度は徐々に拡充されてきています。支給対象年齢はそれまでは「義務教育就学前」までであったものが、H16年から小学校3年生修了前までに拡充されています。H18年からは、小学校6年生修了前までに拡充されています

受給額は、第2子までは月額5,000円、第3子以降は10,000円ですが、H19年4月1日より、3歳未満の乳幼児の児童手当は(第1子でも)月1万円に増額されています。

なお、受給には所得制限があります。父母の所得のうち、高いほうを基準にします。前年の所得が限度額を超える場合は受給できません。

名前が似ているものに「児童扶養手当」がありますが、詳細は次回です。

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2008年2月 5日 (火)

障害年金 その5 障害厚生年金

前回の障害基礎年金に続き、今回は障害厚生年金の話です。

○支給要件

厚生年金保険の被保険者である期間に、初診日があり一定要件(障害基礎年金と同じ)を満たしている人に支給されます。ただし、障害厚生年金の場合は障害3級に該当する人にも支給されます。

○支給額

年金額は標準報酬月額に連動し、障害の程度に応じて1級と2級、3級があります。
・3級: 報酬比例部分の年金額※1
・2級: 報酬比例部分の年金額(+配偶者の加給年金※2)
・1級: 2級の1.25倍(+配偶者の加給年金)

※1 老齢厚生年金と同じ計算式です。厚生年金の加入期間によって額が変わることになりますが、300月の最低保障があります。

※2 生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合は「配偶者の加算」として227,900円(H19年度価格)が加算されます。障害基礎年金から支給される「子の加算」は障害厚生年金にはありません。

○障害手当金

厚生年金被保険者期間中に発生した病気やケガが5年以内に治り、3級よりやや軽い障害が残った場合に一時金として支給されます。

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2008年2月 4日 (月)

障害年金 その4 障害基礎年金

障害基礎年金は、国民年金加入者に支給される障害年金です(サラリーマンの場合も、国民年金には加入しているのでほとんどの人が該当します)。

○年金額

年金額は定額であり、障害の程度に応じて1級と2級があります。
・2級: 792,100円(年額)
・1級: 2級の1.25倍=990,100円 (それぞれ平成19年度年金額)

それぞれ、生計維持関係にある子※がいる場合は「子の加算」として子一人当たり227,900円(3人目からは75,900円)が加算されます。

※生計維持関係にある子で、18歳になってから最初の3月31日までにある子
および
障害1級または2級に該当する20歳未満の子

障害厚生年金にある「配偶者の加算」は、障害基礎年金にはありません。(子の養育が基礎年金の主旨だからです。)

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2008年2月 3日 (日)

障害年金 その3 対象となりうる主な症状

障害基礎年金の場合は2級以上、障害厚生年金の場合は3級以上に該当し、一定要件を満たすと給付対象になります。1級、2級の目安は前回述べたとおりですが、具体的な症状としては以下のようなものが障害年金の対象となりうるものです。

1.心臓、腎臓、肝臓の疾患
2.精神病、そう鬱病、精神遅滞等
3.人口弁、ペースメーカー、人口ぼうこう、人口肛門の装着、人工透析
4.糖尿病や高血圧で合併症がある
5.呼吸器の疾患
6.手足や身体の麻痺、切断、関節リウマチ等で障害が残っている
7.目や耳、言語が不自由
8.ガンをわずらっている
など

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2008年2月 2日 (土)

障害年金 その2 申請と認定、保険料納付要件、支給期間

前回からの続きです。

○申請

20歳以上65歳未満で、障害の原因となったケガや病気の初診日(初めて医者にかかった日)に公的年金に加入している必要があります。20歳前に障害の状態になった場合は、20歳に達した日が障害認定日となります。

初診日に公的保険のどの制度に加入していたかによって年金の種類が変わってきます。過去に会社員であっても、初診日に自営業であれば障害基礎年金となり、失業中の場合も同様です。

請求が遅れても、過去5年分はさかのぼって受給できます。

○障害の重さの認定

障害の重さは、初診日から1年6ヶ月を経過した日、もしくはそれ以前に症状が固定した場合はその日を指す「障害認定日」の状態によって判断されます。日常生活に全介助が必要な状態が1級、半介助が2級、労働に制限のある場合が3級の判定の目安です。

○保険料納付要件

初診日の前々月までの被保険者期間のうち、2/3以上の期間、保険料を納めている必要があります(免除期間を含みます)。つまり滞納が1/3以上ないことが必要です。20歳前の場合は、保険料をもともと収めていないので納付要件はありません。

上記が原則ですが、H28年3月31日までの特例として、初診日の前々月までの直近1年間に未納がなければ大丈夫です(障害年金が支給されます)。

事故などが起きてあわてて保険料を納付しても手遅れになります。

○支給期間

障害認定日の翌月から、死亡するまであるいは一定の障害の状態に該当しなくなった月までです。

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2008年2月 1日 (金)

障害年金 その1 年金は老後のためだけではない

年金は、老後のための老齢年金だけではありません。自分が病気やケガで障害者になった場合の障害年金や配偶者などが亡くなり遺族になった場合の遺族年金など様々な給付があります。今回は、障害年金のお話です。

国民年金からは障害基礎年金が、厚生年金からは障害厚生年金が、共済組合(公務員の場合)からは障害共済年金が支給されます。それぞれ1つからしか支給されないわけではなく、例えば会社員の場合は厚生年金と同時に国民年金にも加入しているわけですから、該当した場合は障害基礎年金と障害厚生年金の支給対象になります。

障害の等級により、国民年金の場合は障害1級または2級に該当すれば支給対象になります。厚生年金の場合はより手厚く、3級以上に該当すれば支給対象になります。これに加え、一時金としての障害手当金の制度もあります。(国民年金の場合は3級も、障害手当金もありません。)

ここでいう障害の等級とは、公的福祉サービスを受けるのに必要な「身体障害者手帳」の等級とは基準が異なります。支給要件などについては次回へ。

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2007年5月31日 (木)

雇用保険とは? その5(再就職手当)

前回お話しました就業促進手当(就職促進手当)のうち、「再就職手当」の詳細です。以下の条件を満たした時に受給できます。

・就業についた日の前日における基本手当ての支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上であること
・再就職先の雇用保険が1年を超える事が確実な、安定した職業に就いたこと
・再就職先で雇用保険の被保険者になったこと
・離職前の事業主(この事業主と密接な関係にある事業主も含む)に再び雇用されたものではないこと
・就業日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職手当の支給を受けていないこと
・待機期間終了後の就職であること
・受給資格決定前に、すでに内定していた会社に就職したのではないこと
・給付制限を受けている間は、待機期間経過後1ヵ月間は、ハローワークまたは厚生労働省が許可した職業紹介事業者の紹介で就職したこと

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雇用保険とは? その4(就業促進手当)

基本手当を受給中に就職すると、残りの期間の基本手当てが無駄になってしまうと思うものですが、早期に就職した場合に支給される手当というものもがあります。それが以下の就業促進手当(就職促進手当)というもので、3種類あります。

1.就業手当
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上である受給者が、非常用就業(下記の再就職手当の対象とならない就業)した場合、一定要件を満たした時に支給されます。
 支給額: 基本手当日額×30%に相当する額を就業日ごとに支給

2.再就職手当
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上である受給者が、常用就業した場合、一定要件を満たした時に支給されます。一定要件の詳細については次回
 支給額: 基本手当日額×30%×支給残日数

3.常用就職支度金
就業手当基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満または45日未満である就職困難者である受給者が、常用就業した場合、一定要件を満たした時に支給されます。
 支給額: 基本手当日額×30%×90日(支給残日数が90日未満のときは残日数。最低45日。)に相当する額

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2007年5月30日 (水)

H19年4月 健康保険の制度改定2

前回からのつづきです。

3.任意継続被保険者への適用除外

退職後、2年間はもとの会社の健康保険に加入することができますが(詳しくはこちら)、前回お話しました「出産手当金」と「傷病手当金」を、任意継続被保険者は受け取ることができなくなりました。(出産育児一時金は現行どおり受けられます。)


4.出産手当金の特例廃止

1年以上健康保険に加入していた人は、退職から6ヶ月以内に出産した場合は、退職後でも「出産手当金」を受け取ることができましたが、これができなくなりました。(出産育児一時金は現行どおり受けられます。)


5.高額療養費制度の手続き改善

一度に多額の医療費が発生しても、高額療養費の制度により自己負担の限度額は、通常の世帯では月に8万円強です。超える分については還付の申請をし、後で戻ってくる仕組みでしたが、入院時にはじめから限度額までを支払えばよい仕組みになっています。「限度適用認定証」の交付をあらかじめ受けておく必要があります。

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2007年5月29日 (火)

H19年4月 健康保険の制度改定1

この4月にも、様々な制度の変更がありました。

1.保険料の上限と下限の拡大

まず、毎月の健康保険料を算出するにあたっての、「標準報酬月額」の階級と「標準賞与額」の上限が変更されています。「標準報酬月額」は上限と下限が拡大され、収入の特に少ない人は保険料負担が減り、収入の特に多い人は負担が増えています。詳しくはこちら

2.傷病手当金、出産手当金の支給額アップ

傷病手当金は、病気やケガなどで入院・療養し長期間仕事ができない場合に支給されます(最長1年6ヶ月)。出産手当金は、産休を取って出産する人が受け取れる手当金で、産前6週、産後8週の期間分(計98日)受け取ることができます。

これらの支給額は1日あたりの給与(標準報酬日額)の6割でしたが、H19年4月より3分の2にアップしました。ただしどちらとも、休業中に給与が支払われない場合に支給されるものです。手当金よりも少ない額の給与が支払われる場合は、手当金との差額を受け取ることができます。

つづきは次回へ。

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2007年5月28日 (月)

会社を辞めるなら15(定年退職者、65歳で辞めるなら)

前回に続き、定年退職者必見のお話です。

60歳で定年退職しても、その後雇用保険の対象になることを書きましたが、定年退職が65歳の場合は注意が必要です。65歳前に退職するかあとにするかで、手当ての中身が大きく変わってきます。

65歳より前に退職した場合、一定要件を満たせば一般被保険者として基本手当(失業手当)が支給されます。一方で65歳以降で退職した場合は、一般被保険者には該当せずに高年齢継続被保険者となります。高年齢継続被保険者の場合、一般被保険者に支給される「基本手当」の支給対象にはならずに、かわりに「高年齢求職者給付」の対象になります。

詳細は割愛しますが、「基本手当」のほうが「高年齢求職者給付」よりも手厚いのが実態です。

したがって、65歳以降も働き続ける場合は別ですが、65歳で会社を定年退職する場合、退職日に注意が必要です。具体的には誕生日の前々日以前に退職すると、「基本手当」の支給対象になります。(4月2日生まれであれば3月31日以前)

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2007年5月27日 (日)

会社を辞めるなら14(定年退職者)

60歳で定年退職する方も、雇用保険と無関係ではありません。

60歳で定年退職後も働く意思があり、求職活動を行っているなど一定の条件を満たす場合は、雇用保険から基本手当の支給を受けることができます。ただし、基本手当を受給している期間は、部分年金や特別支給の老齢厚生年金の支給は停止になります。

また、雇用保険の高年齢雇用継続給付の1つに高年齢再就職給付金というものがあります。60歳に達してから再就職し、再び雇用保険の被保険者になった場合に、賃金が離職前と比べて大きく低下した場合に支給されます。

一方で、この高年齢雇用継続給付を受給している間も、年金(部分年金、特別支給の老齢厚生年金)との間に併給調整が行われ、年金額が一部分支給停止になります。

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2007年5月26日 (土)

会社を辞めるなら13(出産予定の人)

妊娠したので、これを機に会社を辞めようと考える人もいると思います。でも辞めずに働き続ける場合に出産・育児をする人を支援する公的制度はたくさんあります。

1.出産手当金 産休中に給料が出ない場合に、健康保険より支給されます。

2.出産育児一時金 出産に伴い、健康保険より35万円が支給されます。国民健康保険の加入者でも支給されます。また、本人が健康保険に加入していなくても、夫が健康保険に加入していれば支給されます。

 ※2009年10月からは、緊急少子化対策として4万円引き上げられ39万円になっていますが、こちらは2年間の暫定措置の予定です(~2011年3月末)。なお、「産科医療補償制度」に加入している分娩機関で出産した場合は、保険料3万円が上乗せされて42万円の支給になります。(3万円は保険料に充当されるので、出産した人がトクするわけではありません。)

3.育児休業給付金 育休期間中と、会社復帰後に雇用保険から支給されます。

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2007年5月25日 (金)

会社を辞めるなら12(離職直前の残業はお得?)

雇用保険の基本手当(失業手当)の額は、以前にみましたように「離職日前の最後の6ヶ月に支払われた賃金総額」によって決まってきます。よって、この時期に残業や休日出勤をたくさんしていた場合は、基本手当の額は多くなります。

ただし、基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が定められており、現在は次のとおりとなっています。

(平成19年8月1日現在)
30歳未満
6,365円
30歳以上45歳未満
7,070円
45歳以上60歳未満
7,775円
60歳以上65歳未満
6,777円

よって、すでに賃金の水準が高く、上記の上限を超えてしまっている人の場合は、残業や休日出勤をしてもしなくてもかわりません。

もう1つ注意があります。離職前にたくさん残業や休日出勤することになった場合、それが4月~6月の場合は要注意です。健康保険料は標準報酬月額によって決まりますが、これは4月~6月の賃金が反映されます。退職後に「任意継続被保険者」を選択した場合は、その後の健康保険料に影響する可能性があります。

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2007年5月24日 (木)

会社を辞めるなら11(公共職業訓練2)

前回からの続きです。これが公共職業訓練のもっともおトクな部分ではないでしょうか?

2.訓練延長給付

基本手当(失業手当)の給付日数が一定期間以上残っている場合に、公共職業訓練を開始すると、給付期間が延長されて、その職業訓練が終わるまで支給されます。
例えば、本来の給付日数が120日である人が、あと30日の給付日数が残っている時点で、6ヶ月の公共職業訓練を開始した場合、6ヵ月後まで基本手当が支給され続けます。

これは非常におトクです。ただし、所定の給付日数分の支給が終わったあとに訓練を開始しても、適用されません。さらに、もともと給付日数の長い人の場合は、所定の給付日数の3分の2の日数の支給が終わる前にスタートしていないと適用されません。

離職前に、どんな職業訓練があるのか、調べてみる価値はあるでしょう。

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2007年5月23日 (水)

会社を辞めるなら10(公共職業訓練)

これはハローワークに通い始めてからの話ですが、内容については離職前に知っておいたほうがいいことです。求職者が早期に再就職ができるように、雇用・能力開発機構の施設や民間教育訓練機関等で行われる訓練が「公共職業訓練」です。

期間は3ヶ月のコースから6ヶ月、1年、2年のコースまであります。受講料は基本的に無料で、教材費など数千円のみを実費として支払います。通所手当もでます。このように、公共職業訓練は実質的に無料で、就職に必要なスキルを身につけることができるわけですから、利用価値は高いといえます(もっともそのための保険料を払ってきているわけですが・・・)。

そのほかにも、いろんなおトクがあります。

1.「給付制限」がなくなる

自己都合で退職した場合、ハローワークに通ってもすぐに失業手当が給付されるわけではありません。7日間の待機期間のほかに3ヶ月間の給付制限期間があります。これが終了してはじめて失業手当が支給されます。しかし、公共職業訓練を受けると、その期間についてはこの給付制限期間は適用されません。つまり、はやく手当てが支給されます。

つづきは次回。

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2007年5月21日 (月)

会社を辞めるなら9(確定申告)

離職した後、年末までに次の会社に就職した場合は、新しい会社で年末調整ができるため、確定申告はしなくても税金の調整は行われます。次の会社に就職していない場合は、確定申告をしましょう。税金が戻ってくる場合が多いからです。

会社員時代の所得税は毎月引かれていますが、これは年間の所得を予想して(その収入が年間を通して続くとみなして)概算で行っているものです。離職した後の期間分については、収入がないので所得税は基本的にはかかりません。(雇用保険の基本手当は非課税です。)つまり、働いていたとき差し引かれていた所得税は、年間を通してみると払いすぎになっているわけです。

確定申告のための書類は国税庁のHP「確定申告書等作成コーナー」で、比較的簡単に作成することが出来ます。プリントアウトして税務署に持っていってもいいですし、郵送も可能です。

これとは別にe-TAXという国税の電子申告・納税システムもあります。こちらはあらかじめ電子証明書を取得し、ソフトをダウンロードするなどの手間がかかりますが、一度手続きしておけば次回以降の申告が簡単になります。登録後は、先の「確定申告書等作成コーナー」で作成したものも電子申告できます。これを利用すると、平成20年分の確定申告まで1回に限り、最高5,000円の税額控除を受けることができます。

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2007年5月20日 (日)

会社を辞めるなら8(住民税の減免)

離職により大幅に収入が減った場合、国民健康保険料の減免と同様に、住民税の減免措置を受けられる場合があります。

住民税は、前年の所得に対して課税されるので、離職後収入がなくても容赦なく襲いかかってきます。特に就労時の年収が高かった場合は相当な負担になります。

離職により収入がゼロになっても、就労時の給与水準が一定以上であれば住民税の減免は適用されないようです。でもその翌年も収入がない場合は、あきらめずに再度減免措置が受けられないか確認してみましょう。離職の際、年の途中まで働いていた場合は主にそのときまでの所得に対する住民税の納税通知書が翌年届くわけですが、納付期限までに減免申請すれば適用されることもあります。

自治体に確認してみましょう。

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2007年5月19日 (土)

会社を辞めるなら7(厚生年金保険料の注意)

前回少しふれましたが、会社を辞めて同じ月内に再就職するや月末付けで退職する場合は、次の会社の厚生年金保険に原則としてブランクなしに切り替わるわけですが、そうならない場合があります。

例えば5/30(金)に退職し、6/1(日)付で再就職する場合。退職の翌日(5月31日)に厚生年金の被保険者の資格を失いますが、公的年金の加入状況は月単位で管理されるため、5月分は国民年金の第1号被保険者に該当します。よって国民年金保険料を自分でおさめる必要があります。厚生年金保険料などの社会保険料は翌月の給料から天引きされることが多いため、前の会社では4月分の厚生年金保険料までしか天引きされず、新しい会社では6月分の厚生年金保険料から天引きされることになります。

このように、連続して働いているつもりでも、1か月分のブランクが生じてしまうケースがあります。退職日の翌日に資格を失うという点に注意しましょう。

一方で、同じ5/30(金)退職でも前の会社で5月分の厚生年金保険料まで支払っていた場合。やはり5月分は国民年金保険料を支払う必要がありますが、かといって5月分の厚生年金保険料は払い戻されるわけではありません。被保険者の資格を取得し、同月(このケースでは5月)に喪失した場合(これを同月得喪といいます)、国民年金の被保険者の期間が1日であっても、保険料は徴収されることになります。同じ月に、2回年金保険料を支払うことになるのです。

また、健康保険の加入については日単位で管理されており、退社の翌日に入社する場合以外は、国民健康保険(あるいは任意継続被保険者など)の手続きをする必要があります。

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2007年5月18日 (金)

会社を辞めるなら6(国民年金保険料)

会社員時代は、給料の中から厚生年金保険料が毎月自動的に天引きされていましたが、離職後にすぐに再就職する人※以外、60歳未満の場合は国民年金保険料をおさめることになります。失業中で収入がなくても支払わなければなりません。

※すぐに再就職する場合であっても、1か月分の国民年金保険料をおさめる必要がある場合があります。詳しくは次回。

一方で、「保険料免除制度」というものがあります。失業したり天災にあった人などが対象となる制度です。前年の所得などが審査対象になり、保険料の「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」などがあります。保険料免除が承認されると、少ない保険料納付で済み、その期間は受給資格期間(将来年金を受給するために必要な加入期間)としてカウントされます。つまり、「未納」とは大きく異なります。

ただし、その分将来もらえる老齢基礎年金の額は減額されることになります(詳細はこちら)。

また、この「保険料免除制度」では、本人の所得のみならず「配偶者」「世帯主」の前年所得も審査対象になります。

詳しくは市区町村に確認しましょう。

また、配偶者が働いていてその扶養家族に該当する場合は、国民健康保険料と同様に国民年金保険料の負担はありません。

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2007年5月17日 (木)

会社を辞めるなら5(健康保険その2)

前回からの続きです。

3.家族の健康保険の被扶養者に

年収130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)で、かつ健康保険の被保険者(家族)の年収の2分の1未満の場合、健康保険の被扶養配偶者になります。この場合、被扶養者の保険料の負担はありません。ただし健保組合にもよるようですが、雇用保険の基本手当(失業手当)を受給している間は、被扶養者になることはできないこともあるようです。例えば基本手当の受給資格期間が90日間とそんなに長くなく、年間の収入見込みが130万円未満だとわかっている場合でも、おかしな話ですが手当の日額によっては認められないようです。この期間は、国民健康保険に加入する必要があります。

前出の任意継続被保険者、国民健康保険、家族の被扶養者の3つのいずれの場合も、75歳になれば後期高齢者医療制度に移行することになります。

ここでもう1つ「退職者医療制度」について説明いたします。

国民健康保険の被保険者であっても、以下に該当する場合は「退職被保険者」となります。
・厚生年金や共済組合から老齢厚生年金や退職共済年金を受けられる人で、加入期間が20年以上(合算可)
・40歳以降、厚生年金や共済年金の加入期間が10年以上ある人

国民健康保険の負担する医療費を抑制するため、上記に該当する人の場合は一般の被保険者とは別に、会社等の健康保険の交付金により医療費がまかなわれるようになっています。国民健康保険の加入者で、退職者医療制度に該当する人は届出が必要です。

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2007年5月16日 (水)

会社を辞めるなら4(健康保険)

前回までは雇用保険の話でしたが、今回からは健康保険の話です。

会社勤め時に加入していた健康保険ですが、退職後は以下の3つの中から選ぶことになります。

1.任意継続被保険者
2.国民健康保険
3.家族の健康保険の被扶養者

1.任意継続被保険者

健康保険の被保険者期間が2ヶ月以上ある人は、退職後2年間は、もとの会社の任意継続被保険者になることができます。退職の翌日から20日以内に申請手続きが必要です。在職時に会社が負担していた保険料部分(半分)も自分で払うことになります。

なお、計算のベースとなる給与は以下のいずれか低いほうで計算します。
・退職時の給与(標準報酬月額)
・全被保険者の標準報酬月額の平均(前年10月末現在)

在職時に事業主が負担していた分も、退職後は本人が負担することになるので、負担率は在職時の2倍になります。例えば政府管掌健康保険の場合、在職時の本人・事業主の負担割合はそれぞれ年収(標準報酬月額+標準賞与額)の4.1%なので、退職後は事業主負担分も含め、8.2%を負担することになります。
 なお、退職後は賞与の支給はないので、上記の標準報酬月額×8.2%が実際の負担額となります。(40歳以上の被保険者は介護保険料も別に負担する必要があります。)

保険料は高くなりがちですが、次の国民健康保険にはない手厚い付加給付がある場合があります。また、2年経過後は国民健康保険に加入するか家族が加入する健康保険の被扶養者になる必要があります。

2.国民健康保険

任意継続被保険者になった場合でも、2年後に会社に就職していなければ、いずれは住所地の国民健康保険に加入することになります。世帯あたり年間保険料の計算式の例を以下に示します(実際には、自治体により異なります)。

前年の住民税額(世帯額) × 2.08 +30,200円×世帯の加入人数

ただし、最高限度額が年間53万円です。おおよその目安ですが前年の年収が500万円以上だと、この上限の水準になります。

また、退職などにより大幅な収入の減少があった場合は、減免措置が受けられる自治体もあります。「高い!」とあきらめずに問い合わせてみましょう。

3.家族の健康保険の被扶養者については次回。

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2007年5月15日 (火)

会社を辞めるなら3(雇用保険その3 H19年10月改正2)

前回からの続きです。

3.育児休業給付の給付率アップ

育休中、子どもが満1歳になるまで「育児休業基本給付金」というものが支給されますが、これに加えて復職後6ヶ月経過したときに一時金で支給される「育児休業者職場復帰給付金」というものがあります。この「育児休業者職場復帰給付金」の率は、今までは休業する前の賃金の10%でしたが、これが20%に引きあげられました。

今まではこの2つの給付金をあわせて、休業する前の賃金の合計4割が、子どもが満1歳になるまでの育休中の日数分だけ雇用保険から支給される計算でしたが、今回の改正で5割が支給されることになりました。

4.教育訓練給付 補助率ダウン

指定された資格講座などを受講した場合に、雇用保険加入期間によって費用の20%(加入期間3年以上5年未満)あるいは40%(5年以上)が補助される仕組みでしたが、以下のようになりました。

 → 一律で雇用保険の加入期間3年以上の場合に、20%の補助(上限10万円)。

ただし、初回の受給の場合のみ加入期間は1年以上あれば可能です。

次回からは健康保険のお話です。

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2007年5月14日 (月)

会社を辞めるなら2(雇用保険その2 H19年10月改正)

雇用保険の制度がH19年10月1日から変わっています。在職期間が短ければ、基本手当(失業給付)を受けられないというケースもでてきています。以下、主な変更点です。

1.受給資格期間の変更(厳しくなりました)

今までは、フルタイム(週30時間以上勤務)の場合離職の日以前の1年間に、通算6ヶ月以上働いていれば失業給付を受けることが出来ました。これが

 → 離職の日以前の2年間に、通算12ヶ月以上働いていること となりました。

ただし、「特定受給資格者」(後出)に該当する場合は、別条件(有利)です。

2.特定受給資格者の条件追加

前回お話しました「特定受給資格者」は、解雇・倒産などによって職を失った人ですが、新たに以下の人たちも該当するようになりました。

・更新される予定が明示されていた有期雇用契約が更新されなかった場合
・身体の異常や育児、介護などにより離職せざるをえない場合

特定受給資格者に該当する場合、失業給付の受給資格条件は1よりゆるく、過去1年間に6ヶ月以上雇用保険の加入期間があれば大丈夫です。

そのほかの改正点については次回。

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2007年5月13日 (日)

会社を辞めるなら1(雇用保険)

会社を辞めた後は、雇用保険のお世話になったり、(国民)健康保険の手続きが必要になります。今回はまず雇用保険について、知っておくと役に立つことを書きます。(60歳で定年退職した場合でも、雇用保険のお世話になることはできます。)

○給付日数

自己都合で退職すると、それ以外の理由(リストラ、倒産などで解雇された人など)で退職した人に比べ、雇用保険の基本手当ての給付日数は、少なくなります。そしてこの給付日数は、勤続年数によって変わってきます。例えば、勤続年数10年未満の場合、年齢に係らず給付日数は90日です。10年以上20年未満の場合は120日になります。

ですので、9年勤めて辞めようと考えている方は、あと1年頑張って10年勤めたほうが、基本手当ての面では有利かもしれません。

○会社都合と自己都合

先ほど、「自己都合」がでてきましたが、これに比べて基本手当ての給付条件がいいのが「会社都合」の場合です(「特定受給資格者」といいます)。リストラ、倒産などによる解雇のほか、例えば以下のようなものがあります。

・離職の直前3ヶ月間に、規程を超える残業が行われたため離職した場合や、(労働時間などに関する)法令違反を行政機関から指摘されたにも係らず、改善されなかったために離職した場合

・事業主の権利濫用となるような、理不尽な配転命令により離職した場合

・上司、同僚などから故意の排斥、または著しい冷遇もしくは嫌がらせを受けたことによって離職した場合

・事業主の事業内容が法令に違反したため離職した場合

これらに該当する場合、会社から離職時に受け取る「雇用保険被保険者離職票」の、離職理由が「自己都合」になっていないか、注意しましょう。会社側は、なるべく自己都合での退職で決着させようとする傾向にあります。離職理由について会社側と折り合いがつかない場合、離職票の「事業主が○をつけた離職理由に意義あり」に印をつけておきましょう。ハローワークで離職理由を判定する際にこちら側の主張が認められる場合もあります。ただしその場合、上記理由に該当する「証拠」を提示できないと有利な判定を得るのは難しいと思います。

つづきはこちら

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2007年5月12日 (土)

雇用保険とは? その3(介護休業給付、教育訓練給付)

前回からの続きです。

○介護休業給付

被保険者の家族を介護するために休業した場合、休業期間中(3ヶ月間以内)に介護休業給付金が支給されます。

・家族の範囲: 配偶者、父母、子、配偶者の父母、同居し扶養している祖父母、同居し扶養している兄弟姉妹、同居して扶養している孫
・給付金: 休業前の賃金×40%(上限あり)


○教育訓練給付

資格取得などのスキルアップにかかった費用の一部を補助してくれる制度です。H19年10月に制度改正されました。雇用保険に3年加入している人が対象で、費用の20%の補助(上限10万円)が受けられます。

※この制度をはじめて使用する人の場合は、「1年以上加入」していれば受けられます。
※費用には、入学金も含みます。

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2007年5月11日 (金)

雇用保険とは? その2(育児休業給付)

前回からの続きです。

○育児休業給付

育休中に支給される給付金と、職場復帰後に支給される給付金があります。被保険者期間が原則として1年以上(より正確には、育休開始前の2年間に11日以上出勤した月が12ヶ月以上)ある労働者が、1歳未満の子(養子含む)を養育するために休業した場合、男女を問わず受給できます。

1.育児休業基本給付金・・・育休中に支給される給付金

休業開始日から休業終了日までの間、休業前の賃金×30% が支給されます。女性の場合、出産後引き続き育休となる場合は、出産後57日後(この前日は産休が終了する日)が休業開始日となります。

2.育児休業者職場復帰給付金・・・※職場復帰後に支給

休業前の事業主に、復帰後引き続いて6ヶ月以上雇用された場合に、一時金として以下の金額が支給されます。
休業前の賃金×20%×育休期間分

この一時金につきましてはH19年10月1日より、制度改定により以前の10%から引き上げられています。これにより、合計で、育休期間中でも賃金の50%は支給されることになります。

つづきは次回へ。

※09年5月追記: 2010年4月1日以降から育休に入る人から、復帰給付金の受け取り方がかわります。現在は復帰後に支給されていますが、育休中のうちから基本給付金と一緒に2ヶ月に1回ずつ受け取ることになります。

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2007年5月10日 (木)

雇用保険とは? その1(基本手当)

雇用保険は、よく知られている失業給付(基本手当)以外にも、様々な給付があります。例えば介護や育児で働き続けるのが難しい場合や、労働者が職業に関する教育訓練を受ける場合に支給されるものがあります。
雇用保険は、労働者のための保険なので事業主や社長は加入することはできません。
保険料は労使で負担し、労働者の負担分は2007年4月以降、0.6%です(以前は0.8%)。

○基本手当て(失業手当)
現在フルタイム勤務の人は離職の日以前の2年間に、通算12ヶ月以上働いている人が、労働の意志や能力があるにもかかわらず就職できない状態にあるとき、支給されます。

・基本手当ての額:
賃金日額※ × 賃金日額に応じた率(45%~80%)
 ※賃金日額:
離職日前の最後の6ヶ月に支払われた賃金総額 ÷ 180
 (6ヶ月間なので180日ちょうどではないことが多いですが、180で割ります。また、賞与は除きます。)

・給付日数: 離職理由や年齢によって定められています。詳しくはこちら

・受給期間: 基本手当ての支給を受けることが出来る期間(給付日数ではなく、受給期間です)は、原則離職の日の翌日から1年間です。例えば、給付日数が180日ある人が、離職後半年以上たってから求職の申し込みをした場合、支給される基本手当の日数は180日以下に減ってしまいます。(一定の要件に該当する人は、受給期間を申し出により延長できる場合もあります。)

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2007年5月 9日 (水)

働き方で異なる介護保険料2(自営業の場合)

前回は夫が会社員の場合の介護保険料を算出しましたが、今回は夫が自営業の場合をみてみます。

2.夫が自営業の場合

年間の国民健康保険の介護保険料 = ①所得割額 +②均等割額 (世帯上限9万円)となります。

実際の介護保険料の計算式は、市区町村により異なりますが、今回は以下の式で計算します。
①所得割額=(総所得金額-基礎控除額33万円)×1.3%
②均等割額=1人9,600円

夫の総所得金額(売り上げ-経費)は、
売り上げを会社員の収入例(50万円×12+160万円)と同額の760万円とし、経費260万円として総所得金額500万円とします。なお、この2年間変わらないものとします。

実際の計算は
①(500万円-33万円)×1.3%=60,710円より
①+②=70,310円

妻も国民健康保険の被保険者であるため夫と同様に保険料を負担し、専業主婦なので②の均等割のみの負担となり、9,600円となります。

よって世帯合計としては夫負担分70,310円+妻負担分9,600円=79,910円となります。

前回のケース1で夫が会社員の場合は世帯合計で46,740円であったのに対し、かなりの出費です。

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2007年5月 8日 (火)

働き方で異なる介護保険料1(会社員の場合)

40歳以上の人は、介護保険料を負担します。このうち65歳未満の人(介護保険の第2号被保険者といいます)は、自分が加入する公的医療保険(健康保険や国民健康保険など)の保険料に加算して徴収されています。 (介護保険の第1号被保険者である65歳以上の人は、年金支給時に天引きされるなどして徴収されています。)

夫(48歳)が
1.会社員である場合
2.自営業者である場合
で、ともに妻(43歳)が専業主婦の世帯において、介護保険料を比較してみます。

1.夫が会社員の場合

例えば政府管掌健康保険の場合、介護保険料率は1.23%であり、半分を被保険者が負担し、残りの半分は国、都道府県、市町村がそれぞれ負担します。

夫の月収が50万円(標準報酬月額も50万円とします)、年間賞与が160万円の場合

年間の保険料は標準報酬月額×保険料率×12ヶ月+標準賞与額×保険料率なので
50万円×1.23%×12+160万円×1.23%=73,800円+19,680円=93,480円。よって被保険者の自己負担は93,480円÷2=46,740円となります。

夫、妻ともに40歳以上65歳未満なので2人とも介護保険の第2号被保険者ですが、夫が健康保険の被保険者なので介護保険料は夫のみが負担し、被扶養配偶者である妻は、介護保険の被保険者であっても保険料を負担する必要はありません。

ただし、夫が40歳未満の場合、夫は介護保険の被保険者ではありませんが、組合健保※の場合は妻の介護保険料を負担する必要がある場合もあります。

※健康保険には、保険者が国である「政府管掌健康保険」と健康保険組合が保険者である「組合管掌健康保険組合」(組合健保)の2つがあります。

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2007年5月 7日 (月)

健康保険料を計算してみよう3

今回は、具体的に健康保険料を計算してみます。

○計算の前提

政府管掌の健康保険組合の被保険者であるAさんは現在38歳。
毎月の報酬は29万円。賞与は年2回で夏100万円、冬100万円。

・標準報酬月額: 30万円になります(ここでは紹介しませんが、一覧表にあてはめます)。
・標準賞与額: 100万円+100万円=200万円(これ以上の賞与額、例えば600万円であっても、年間の上限額は540万円とすることになっています)

よって毎月の健康保険料は
標準報酬月額×8.2%=30万円×8.2%=24,600円
被保険者負担はその半分なので12,300円になります。

賞与時の負担は
標準賞与額×8.2%=(100万円+100万円)×8.2%=164,000円
その半分は82,000円になります。
よって、年間の負担料は、12,300円×12ヶ月+82,000円=229,600円となります。

Aさんは現在38歳で、介護保険の被保険者ではありませんので介護保険料の負担はありませんが、40歳以降は、1.23%の介護保険料が上乗せとなり、8.2+1.23=9.34%を保険料率として計算することになります。

国民健康保険については次回

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2007年5月 6日 (日)

健康保険料を計算してみよう2

前回は、健康保険料の算出の仕方の概要をみましたが、今回は計算式をさらに詳しくみていきます。

年収を計算するにあたって、前回見ましたようにまず「標準報酬月額」と「標準賞与額」を出します。

○「標準報酬月額」とは

4-6月の3ヶ月間に支給された月給の平均額を各等級に振りわけた額です。健康保険の場合、第1級から第47級の47等級に区分(H19年4月より)。額は1等級が58,000円、47等級が1,210,000円。その年の9月から1年間適用します。

○「標準賞与額」とは

支払われた賞与額の1,000円未満を切り捨てた額です。この「標準賞与額」の上限も、H19年4月より改定されています。
従前:支給1回ごとに200万円 → 改定後: 年度累計で540万円

前回の復習になりますが、政府管掌の健康保険料(介護保険を含まず)を求める式は

(標準報酬月額×12ヶ月+標準賞与額)×8.2% です。

9月から1年間の標準報酬月額は、その年の4月から6月までの3ヶ月間の月収に応じて決まり、月給の大幅な変動がない限り、固定されます。つまり、4月から6月に残業をたくさんすると、標準報酬月額が高くなり、健康保険料が高くなります。厚生年金保険料も同様です。

次回、具体的な計算をします。

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2007年5月 5日 (土)

健康保険料を計算してみよう1

給料から天引きされているものの代表的なものに「健康保険料」があります。この公的医療保険のおかげで、医療にかかった費用の自己負担は、全額ではなく一定割合(3割など)で済みます。

今回は、この健康保険料の計算の仕方をみていきます。健康保険と厚生年金保険は、平成15年4月から「総報酬制」になっています。つまり、今までは毎月の給料の額に応じて徴収されていましたが、平成15年4月からは賞与も含んだ年収に対して徴収されています。年収に占める賞与の割合が高かった人は、負担が多くなったように感じたかもしれません。

さて、この年収に対してどれくらいの割合で健康保険料が徴収されているかですが、政府管掌健康保険組合※の場合は8.2%となっています。会社が原則として半分負担するので、被保険者(健康保険に加入している人)負担の実質は4.1%です。

年収は次のようにして計算します。

月収(標準報酬月額)×12ヶ月+賞与(標準賞与額

この額の8.2%を被保険者と会社で折半して負担するわけです。

※健康保険には、保険者(保険の運営・管理主体)が国である「政府管掌健康保険」と、健康保険組合が保険者である「組合管掌健康保険組合」(組合健保)の2つがあります。

つづきはこちら

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2007年5月 4日 (金)

高年齢雇用継続給付と在職老齢年金の併給調整(計算例)

前回、高年齢雇用継続給付と在職老齢年金の併給調整について説明いたしましたが、今回は併給調整の具体的な計算例をみていきます。つまり、在職老齢年金額を調整する計算です。

○前提:

・60歳以降の賃金月額 25万円(標準報酬月額26万円)、賞与 年2回各30万円
・年間132万円の年金額(月額11万円)
・60歳到達時の賃金月額 42万円、賞与 年2回各30万円

→ 在職老齢年金額は月額4万円になります。(在職老齢年金の計算例はこちらを参照してください。)この額からさらに調整します。

○併給調整額の計算:

60歳以降の標準報酬月額26万円は、60歳到達時の賃金月額42万円の61.9%となり前回説明のパターン②に該当しますが、「割合に応じて6%より逓減した率」の値は6%となり、
支給停止額=標準報酬月額×6%となります。

よって、支給停止額=26万円×6%=15,600円となります。従って、この金額が在職老齢年金額4万円よりさらに調整され、調整後の在職老齢年金額は40,000円-15,600円=24,400円となります。

○併給調整後の収入総額の比較

・調整前: 60歳以降の賃金が25万円、年金月額は11万円なので、本来の月収額は36万円。

・調整後: 賃金25万円+調整後の在職老齢年金24,400円+高年齢雇用継続基本給付金37,500円(計算方法はこちら)=311,900円となり、多少収入が減少することになります。

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2007年5月 3日 (木)

定年退職者必見! 年金が減らされる?(併給調整)

○高年齢雇用継続給付と在職老齢年金の併給調整

高年齢雇用継続給付を受けられる人が、在職老齢年金の受給者である場合、在職老齢年金の支給額が一部減額されます。つまり、60歳以降も働きながら老齢厚生年金を受給する場合、老齢厚生年金が(一部または全額)減額されて支給される(=在職老齢年金)のに加えて、その人が高年齢雇用継続給付を受ける場合は、さらに減額される仕組みです。

支給停止額:

①標準報酬月額が60歳到達時の賃金月額の61%未満の場合 
 支給停止額=標準報酬月額×6%

②標準報酬月額が60歳到達時の賃金月額の61%以上75%未満の場合 
 支給停止額=標準報酬月額×割合に応じて6%より逓減した率

つまり、雇用保険からの高年齢雇用継続基本給付金を受ける場合は、標準報酬月額の0%~6%が調整されることになります。具体的な例を次回みていきます。

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2007年5月 2日 (水)

定年退職者必見! 雇用保険(高年齢再就職給付金)

前回は、60歳以降も働き続ける人に対する給付金の話でしたが、今回は、雇用保険の基本手当てを受給中(つまりその時点で働いていない)の人に対する給付金の話です。

2.高年齢再就職給付金

・対象者: 被保険者期間が5年以上あり、雇用保険の基本手当てを受給中の人が、60歳に達してから再就職した時点で、基本手当ての支給残日数が100日以上あること

高年齢雇用継続基本給付金と同様に、賃金が離職時に比べ25%を超えて低下する場合(つまり60歳時の75%未満に低下)、低下した賃金に上乗せして支給されます(最大15%)。

・支給金額: 高年齢雇用継続基本給付金と同様です。

高年齢雇用継続基本給付金の場合と同様に、各月に支払われた賃金額と高年齢再就職給付の合計額が339,235円(毎年8月1日に変更あり)を超えるときは、超える部分の額が減額されます。

また、前回も書きましたが高年齢雇用継続給付を受ける人が、在職老齢年金の受給者である場合、在職老齢年金の支給額が一部減額されます。

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2007年5月 1日 (火)

定年退職者必見! 雇用保険(高年齢雇用継続基本給付金)

改正高年齢者雇用安定法が施行され、高齢者の就労機会が増えています。60歳で定年退職後、別の働き方を探す人も、もとの会社に再雇用される人もともに必見です。

○高年齢雇用継続給付

定年退職後は雇用保険(失業保険)とは無関係だとは思っていませんか?そんなことはありません。60歳で定年退職後も、一定要件を満たせば基本給付(失業給付)を受けることができます(ただし厚生年金との併給調整がありますが)。また、これとは別に定年後の、円滑な雇用の継続・安定を図るための、雇用保険からの給付が高年齢雇用継続給付です。高年齢雇用継続基本給付金高年齢再就職給付金の2つがあります。

1.高年齢雇用継続基本給付金

60歳以降も働き続ける場合に、賃金が60歳時に比べ25%を超えて低下する場合(つまり60歳時の75%未満に低下)、高年齢雇用継続基本給付金として、低下した賃金に上乗せして支給されます(最大15%)。

対象者: 被保険者期間が5年以上あり、60歳以上65歳未満の、雇用保険の被保険者

支給金額

①各月に支払われる賃金額が60歳時点の61%未満に低下したとき
給付額=各月の賃金額×15%

②各月に支払われる賃金額が60歳時点の61%以上75%未満に低下したとき
給付額=各月の賃金額×割合に応じて15%より逓減した率

計算例: 

・60歳以降の賃金月額 25万円(標準報酬月額26万円)、賞与 年2回各30万円であり、
もとの賃金(60歳到達時の賃金)が月額 42万円、賞与 年2回各30万円の場合

60歳以降で、各月に支払われる賃金額25万円はが60歳時点の42万円の59.5%であり、61%未満であるため上記①に該当。よって、高年齢雇用継続基本給付金の給付額は25万円×15%=37,500円 になります。

なお、各月に支払われた賃金額と、高年齢雇用継続基本給付金の合計額が339,235円(毎年8月1日に変更あり)を超えるときは、超える部分の額が減額されます。

また、これも注意が必要ですが、高年齢雇用継続給付を受ける人が在職老齢年金の受給者である場合、在職老齢年金の支給額が一部減額されます。

つづきはこちら

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2007年4月27日 (金)

厚生年金の保険料率

厚生年金保険は、会社員など国民年金の第2号被保険者が加入しています。保険料は毎月給与から天引きされますが、保険料は給与や賞与を階層別に区切った「標準報酬月額」や「標準賞与額」に対し一定の保険料率をかけて算出します。

この保険料率は、2004年度の年金制度の改正により、2017年度まで段階的に引き上げられることが決まっています。具体的にみますと、2004年度までは13.58%で一定でしたが毎年0.354%ずつひきあげられ、2017年度には18.30%になることが決まっています。実際にはこの料率分全部を被保険者(会社員)が負担するわけではなく、会社と折半して負担します。2006年度の負担率は14.642%で、本人負担はその半分の7.321%です。2007年度は14.996%で、2008年度は15.35%、2009年度は15.704%になる予定です。毎年9月分(徴収は10月)から引き上げられます。

一般的に、収入が多くなるにつれて厚生年金保険料の負担も増えるわけですが、将来もらえる厚生年金の額にも当然反映されます。

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2007年4月26日 (木)

勤続20年付近でやめる方ご注意!

前回、加給年金のお話をしましたが厚生年金保険の被保険者期間が通算で20年以上あるかないかで大きく変わってくるのが「加給年金」です。

(多くの場合)夫側から見れば、扶養している妻や子がいる場合は厚生年金に加給年金が加算されるため、19年11ヶ月で辞めるよりは、20年以上働いて辞めるほうがおトクといえるでしょう。

一方で夫婦共働きで妻側が20年付近で辞める場合は注意が必要です。共働きの場合、ともに20年以上会社員として働くと、2人とも自身の厚生年金には加給年金は加算されません(厚生年金は、世帯単位で設計されています)。少しでも長く働いたほうが厚生年金の受給額が増えるので19年よりは20年のほうがいいと思うかもしれませんが、加給年金がつかない分そうでもないということです。

このケースでいえば、妻が通算20年以上働いていると、夫の厚生年金に加給年金が加算されません。加給年金の額は被保険者の生年月日によって異なりますが年間20万円~40万円ほどです。一方で、厚生年金そのものの受給額は、勤続年数が1年増えても1万円~程度にしかなりません。従って、20年付近で会社を辞める方は要注意です。

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2007年4月25日 (水)

加給年金 その2

●加給年金の支給停止

以下のいずれか等に該当する場合、加給年金の加算はなくなります。

・配偶者が死亡したとき
・配偶者や子との扶養関係がなくなったとき
・配偶者と離婚したとき
・子が結婚したとき
・子が配偶者以外の者の養子になったとき

配偶者が65歳に達すると、加給年金の支給は打ち切られ、かわりに振替加算と呼ばれるものが、その配偶者の老齢基礎年金に加算されます。つまり配偶者が65歳に達して、老齢基礎年金が受給できるようになったときにそうなります。

加給年金や加給年金の配偶者特別加算の額は、配偶者の年齢ではなく受給権者本人の生年月日で決まりますが、振替加算額は配偶者の生年月日で決まります。

●その他加給年金の様々なケース

・配偶者が、自分の老齢基礎年金の繰上げ受給をしても、加給年金は停止されません。

・配偶者が厚生年金に10年間加入しており、60歳で自分の「特別支給の老齢厚生年金」を受給した場合でも、加給年金は配偶者が65歳になるまで支給されます(65歳に達した後は配偶者に振替加算)。

・配偶者も厚生年金に20年以上加入している場合、配偶者が65歳にならずとも、(特別支給の)老齢厚生年金の受給を始めた時点で、加給年金は停止になります。

・上記のように厚生年金に20年以上加入している配偶者(妻とします)が、(特別支給の)老齢厚生年金を受給開始する年齢になっても、妻が雇用保険の基本手当をもらうなどして年金の受給開始が停止している間は、夫に加給年金はつきます。

・夫が60歳退職で特別支給の老齢厚生年金を受給するとき、年上の妻がすでに65歳から老齢基礎年金を受給している場合、夫には加給年金は支給されませんが、夫に受給権が生じた時点で妻の年金に振替加算が支給されます。

ところで、年金と共に定年退職の方が気になる退職金ですが、詳細はこちらです。

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2007年4月24日 (火)

加給年金 その1

加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上ある人(例えば夫)に、扶養している配偶者(65歳未満のこの場合は妻)がいるときに、妻が65歳になるまでの間、夫の老齢厚生年金に加算されて支給されるものです。配偶者の年収が850万円未満であることや、配偶者の厚生年金期間が原則として20年未満であることが必要です。

(夫と妻が逆の場合もあります。)

加給年金は、配偶者を扶養しているだけでなく子を扶養しているときも支給の対象になります。支給条件を細かく見ると以下のいずれかのようになります。

・65歳未満の配偶者を扶養しているとき(上述の通り。なお、配偶者は事実婚を含みます。)
・18歳未満の子を扶養しているとき(正確には、18歳になってから最初の3月31日までの間にある子がいる場合)
(上記の子が1、2級の障害のある子の場合は20歳の年度まで)

特別支給の老齢厚生年金と加給年金

特別支給の老齢厚生年金の受給期間中(65歳まで)も、上記条件に該当すれば加給年金は加算されます。なお、部分年金だけの受給期間中は、加給年金は加算されません。

●在職老齢年金と加給年金

会社勤めをしながら老齢厚生年金を受給している人は、在職老齢年金制度の対象になり、老齢厚生年金の支給が一部あるいは全部停止になることがありますが、老齢厚生年金が全額支給停止にならない限り、加給年金は全額支給されます。(老齢厚生年金が全額支給停止の場合は、加給年金も停止。)

●繰り下げ支給と加給年金

老齢厚生年金を繰り下げ支給することにより、1年あたりの年金受給額を増やすことができますが、加給年金を受給できる期間が短くなります。(加給年金が支給されるのは、配偶者が65歳になるまでです。)

●配偶者特別加算

老齢厚生年金受給者(例えば夫)が昭和9年4月2日以降の生まれであれば、配偶者特別加算があります。受給権者(この場合は夫)の生年月日により、加給年金に加算される金額は異なります。

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2007年4月23日 (月)

65歳以前の老齢厚生年金

老齢厚生年金は、昭和16年4月1日以前に生まれた人の場合は60歳から支給されていますが、段階的に支給開始年齢が引きあげられ、昭和36年4月2日生まれ以降の人は、65歳以降の支給となっています。

(女性の場合は5年遅れのスケジュール、すなわち昭和21年4月1日以前は60歳から、昭和41年4月2日以降生まれは65歳からです。なお、公務員などが加入する共済年金の場合は、男女同一のスケジュールで実施されます。)

今回は、この65歳以前に支給される老齢厚生年金の話です。

●対象者

老齢基礎年金の受給資格期間を満たしており、かつ厚生年金の加入期間が1年以上ある人です。

●支給開始年齢

65歳未満で支給されるので「特別支給の老齢厚生年金」といい、報酬比例部分定額部分から構成されます。65歳以降、老齢厚生年金として支給される部分が「報酬比例部分」、同様に老齢基礎年金として支給される部分が「定額部分」です。それぞれの支給開始年齢は一律ではなく生年月日で決まっています。まず定額部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、次に報酬比例部分が引きあげられます。

ですので生年月日によっては定額部分を受け取れず、報酬比例部分のみ受け取れる時期が存在し、これを部分年金といいます。

●支給額

報酬比例部分、定額部分ともに、厚生年金の被保険者期間などによって算出されます。ものすごく大雑把に示しますと、以下のような式で表されます。

・報酬比例部分: 平均月収×生年月日などによる報酬比例乗数×厚生年金加入月数
・定額部分: 定額(現在1676円)×生年月日による定額乗数×厚生年金加入月数(生年月日により上限あり)×スライド率

●加給年金

加給年金は、65歳以降受け取る老齢厚生年金受給者だけでなく、特別支給の老齢厚生年金受給者(つまり65歳前から)に対しても条件を満たせば支給されますが、部分年金の受給期間中は、配偶者が65歳未満でも支給されません。(定額部分に対して支給されるものです。)

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2007年4月22日 (日)

在職老齢年金とは その3(65歳以上)

前回、65歳未満の在職老齢年金について書きましたが、今回は65歳以降の場合の話です。

●65歳以降の在職老齢年金

(1) 総報酬月額相当額  + 1ヵ月当たりの老齢厚生年金額(=基本月額※1) ≦ 48万円※2

の場合は、基本月額は全額支給されます。

(2) 総報酬月額相当額  + 1ヵ月当たりの老齢厚生年金額(=基本月額※1) > 48万円

の場合は、一部あるいは全額支給停止となります。1ヵ月当たりの支給停止額は以下の式で算出されます。

支給停止額 = (総報酬月額相当額  + 1ヵ月当たりの老齢厚生年金額 - 48万円)×0.5

※1 基本月額には加給年金の額は含みませんが、厚生年金基金の額を含めて算出します。
※2 この48万円を支給停止調整額といいますが、毎年見直されます(H19年度価格48万円)。

70歳以降は、今までは給与収入額に関係なく老齢厚生年金は全額受給できましたが、平成19年4月より、70歳以降でも上記のように一部あるいは全額支給停止されるようになりました(70歳以上の在職老齢年金制度の導入)。

なお、平成14年4月1日前に65歳以上の老齢厚生年金の受給権を取得した人で、昭和12年4月1日以前に生まれた人(平成19年4月1日において70歳以上の人)は適用の対象外です(65歳になっても、70歳になっても全額支給されます)。つまり、1937年4月2日以降に生まれた人は、70歳以上になっても上記の減額の仕組みが残ります。

なお、老齢基礎年金は支給停止の対象にはなりません。また、上記により老齢厚生年金が全額支給停止にならない限り、加給年金は全額支給されます。(老齢厚生年金が全額支給停止の場合は、加給年金も停止。)

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2007年4月21日 (土)

在職老齢年金とは その2(65歳未満、計算例)

前回に引き続き、今回は具体的な計算例をみていきます。

前回の例で(2)「総報酬月額相当額 + 1ヵ月当たりの年金額 > 28万円の場合 を例にします。

○前提:

・60歳以降の賃金月額 25万円(標準報酬月額26万円)
・賞与 年2回各30万円
・年間132万円の老齢厚生年金

○計算方法:

総報酬月額相当額=26万円+(30万円×2)/12=31万円
基本月額は132万円/12=11万円
になります。

前回の例で(2)「総報酬月額相当額 + 1ヵ月当たりの年金額 > 28万円の場合のうち、
基本月額 ≦ 28万円 かつ 総報酬月額相当額 ≦ 48万円
の場合は、在職老齢年金支給停止月額は以下の式で表されます。

在職老齢年金支給停止月額 = (総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×0.5

よって、在職老齢年金支給停止月額 =(31万円+11万円-28万円)×0.5=7万円
つまり、在職老齢年金の額は
基本月額11万円-在職老齢年金支給停止月額7万円=4万円となります。

●65歳以上の在職老齢年金は次回

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2007年4月20日 (金)

在職老齢年金とは その2(65歳未満)

●65歳未満の在職老齢年金
(昭和36年4月1日以前に生まれた人のみ、女性の場合は5年遅れの昭和41年4月1日以前に生まれた人のみが該当します。昭和36年(女性は41年)4月2日以降に生まれた人は、もともと65歳にならないと老齢厚生年金(老齢基礎年金も)は支給されません。)

給料+年金を一定額以上もらっている人は、年金の支給額が減らされます。具体的には以下の式で振りわけます。

(1) 総報酬月額相当額 ※1 + 1ヵ月当たりの老齢厚生年金額(=基本月額 ※2) ≦ 28万円

であれば年金は全額支給されますが、それ以外の場合は以下のリンクのように老齢厚生年金支給額が調整されます。

(2) 「総報酬月額相当額 + 1ヵ月当たりの年金額 > 28万円の場合

   ※1 総報酬月額相当額: 賞与も含めて1ヶ月あたりいくらの賃金を受けているかを表す額で、以下の式で表されます。

     総報酬月額相当額 = その月の標準報酬月額 + 賞与額 ÷ 12

   ※2 基本月額には、加給年金の額は含みませんが、厚生年金基金の額は含みます。

上記により老齢厚生年金が全額支給停止にならない限り、加給年金は全額支給されます。(老齢厚生年金が全額支給停止の場合は、加給年金も停止。)

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2007年4月19日 (木)

定年退職者必見! 在職老齢年金とは その1

65歳より前に60歳以降で支給される老齢厚生年金(報酬比例部分のみの場合と、定額部分も含めた特別支給の老齢厚生年金の場合があります。)は、60歳以降も会社で働いて収入を得ている人の場合、年金受給額の一部または全部がカットされる場合があります。65歳以降支給される通常の老齢厚生年金についても、そのとき働いている場合は同様です。これを在職老齢年金といいます。

○対象者: 60歳以降も厚生年金の被保険者となる人

○対象外の人: 厚生年金の被保険者とならない人。以下が例です。

・その後会社ではなく自営業などをはじめた人
・独立し、会社との業務委託契約により働く人
・共済組合の組合員として働く人(公務員)
・常勤者の4分の3未満の勤務形態で働く人※

つまり、例えば勤めていた会社で60歳以降も働き続ける場合、個人事業主として業務委託契約を結んで働けば、年金が減額されることはありません。あるいはパートとして働き、勤務日数や勤務時間が正社員の3/4未満であれば厚生年金の加入義務はありませんので、同様に年金は減額されません。

※常勤者の4分の3未満の勤務形態であっても、週の労働時間が20時間以上30時間未満で1年以上働くと見込まれる場合は、雇用保険の短時間労働被保険者となります。しかし、この場合でも厚生年金の被保険者ではありませんので、在職老齢年金の対象外です。

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2007年4月18日 (水)

年金の繰り下げ受給その3 こんな方は要注意

前回、老齢厚生年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給の話をしましたが、繰り下げ受給される方が注意したほうがよいと思われることを以下に書きます。

●繰り下げ受給 こんな方は要注意!

①長生きしない人

老齢基礎年金、老齢厚生年金を繰り下げ受給すると、遅らせた月数に応じて受給額が増え、この場合の年間受給額はずっと固定されます。しかし、受け取りの総額で比較した場合、早くに亡くなってしまっては意味がありません。

・例えば受給開始を12ヶ月遅らせ、66歳から開始した場合 ・・・ 65歳当初から受給していた場合より受給総額が多くなるのは78歳以降です。

・5年遅らせ、70歳から受給開始した場合 ・・・ 同様に82歳より長生きしないと、受給総額が65歳開始の場合を上回りません。

②60歳以降も会社で働く厚生年金加入者

60歳以降も会社で働いて収入を得ている人の老齢厚生年金は、受給額の一部または全部がカットされて支給される場合があります(在職老齢年金)。繰り下げ受給により増額されるのは、カットされずに支給されている部分だけです。つまり、減額前の本来支給される年金額全体が、繰り下げにより割り増しされるわけではありません。

③加給年金受給者

加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上ある人に、扶養している配偶者(65歳未満)がいるときに、配偶者が65歳になるまでの間、加算されて支給されるものです。繰り下げ受給をすると、加給年金が支給されなくなる場合があります。(加給年金は、配偶者が65歳になるまでしかもらえないものです。)加給年金の詳細はこちら

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2007年4月17日 (火)

年金の繰り下げ受給その2 老齢厚生年金

老齢基礎年金の受給資格者 は65歳以降、国民年金から老齢基礎年金が支給されますが、厚生年金保険の加入者(※)は、これに加えて、厚生年金保険から老齢厚生年金が支給されます。

※過去に1ヶ月以上厚生年金保険に加入していた人。老齢厚生年金の支給額は、厚生年金加入期間などをもとに算出。

繰り下げ受給ができるのは、今まで老齢基礎年金(国民年金)のみでしたが、H19年4月より、老齢厚生年金の繰り下げ受給も始まりました。ただし、60歳台前半の老齢厚生年金(報酬比例部分相当の老齢厚生年金と特別支給の老齢厚生年金)については対象外です。老齢基礎年金の繰下げ受給と同時に行う必要はなく、別々に単独で行うことができます。

また、在職者で在職老齢年金の対象者(老齢厚生年金の一部が支給停止になる人)であっても繰下げ支給をすることはできます。

○老齢厚生年金の繰下げ支給

内容: 受給開始を66歳~70歳に繰り下げることができ、繰り下げ1ヶ月ごとに老齢厚生年金受給額を0.7%増額(老齢基礎年金の場合と同様)。

対象: H19年4月以降に65歳になる人(1942年4月2日以降生まれの人)

計算例: 1年遅らせた場合・・・0.7%×12ヶ月=8.4%なので、繰り下げ受給前の年金額に対して8.4%上乗せされます。また、5年遅らせて70歳から受け取った場合、42%上乗せされます。

ただし、繰り下げ支給が必ずしも有利がどうかは、ケースによります(次回へ )。

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2007年4月16日 (月)

年金の繰り下げ受給その1 老齢基礎年金(計算例2)

○70歳まで繰下げた場合の老齢基礎年金額

前回の続きです。5年繰下げる=60ヶ月繰下げる、ですので繰下げによる増額率は0.7%×60ヶ月=42%。

前回の ①基本年金+②振替加算 の全額に対して42%増しというわけではありません。振替加算部分は増額されません。つまり、振替加算部分は本来65歳から受給できたものが、増額なしで70歳から支給されることになるので、5年間分の振替加算分はまるまるもらえないことになります。

①の基本年金の増額した値の計算は以下のようにします。百円以下四捨五入した732,700円を用いるのではなく、その前の段階の値732,693円(基本年金額)を用います。

732,693円 × 142% =1,040,424円 → 百円未満四捨五入して 1,040,400円

よって、70歳まで繰下げた場合の老齢基礎年金額は

①1,040,400円 + ②88,200円 = 1,128,600円 となります。

年金の支給総額で比較した場合、振替加算の対象になっている人は、なっていない人に比べ、より長生きしないと繰下げ支給による増額メリットを受けられないことになります。

○付加年金

また、Aさんが付加年金(国民年金保険料に毎月400円を上乗せして納付していた場合、納付月数に応じて年金額が加算されるものです)を納めていた場合は、付加年金も繰下げ支給の対象になります。

例えば5年間、付加年金を納めていた場合、付加年金年額=200円×5年×12ヶ月=12,000円なので12,000円×142%=17,040円 → 17,000円

つまり、本来付加年金として年額12,000円加算されるのに対し、70歳まで繰下げ支給することにより17,000円が加算されることになります。

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2007年4月15日 (日)

年金の繰り下げ受給その1 老齢基礎年金(計算例)

以下のケースの場合、老齢基礎年金の繰下げ支給をすることによって、支給年金額がどれくらい変わるか見てみましょう。

前提: 昭和24年4月3日生まれの女性Aさんは、厚生年金保険に6年間、国民年金に31年間(うち、第3号被保険者期間8年間)加入。加入期間中の国民年金保険料の免除、滞納はなし。夫は昭和22年4月3日生まれ、厚生年金保険に20年以上加入しており、加給年金の加算対象。

Aさんが65歳から支給される老齢基礎年金の額と、受給を70歳まで繰下げた場合の老齢基礎年金の額を計算します。

Aさんの老齢基礎年金は ①基本年金+②振替加算で計算されます。

○65歳から支給される老齢基礎年金の額(本来額)

①基本年金=792,100円×保険料納付済み月数/480月

で計算され、Aさんの保険料納付済み月数は、(6+31)×12ヶ月=37×12ヶ月=444月になります。
(国民年金第1号、第2号、第3号被保険者期間の合計。厚生年金加入時は第2号被保険者です。)

よって①=792,100円×444/480月=732,693円

②はAさんの生年月日によって決まっており、88,200円

①+②を計算しますが、①は百円未満四捨五入した値を用いますので
①+②=732,700円+88,200円=820,900円が、65歳から支給される老齢基礎年金の額となります。

では70歳まで繰下げた場合をみていきます(次回へ)。

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2007年4月14日 (土)

年金の繰り下げ受給その1 老齢基礎年金

老齢基礎年金は原則として、25年以上の受給資格期間を満たした人に65歳から支給されるものです。本人が希望すれば支給開始年齢を60歳~64歳までの間に繰り上げる(繰り上げ支給)ことも可能ですし、また逆に66歳~70歳の間に繰り下げる(繰下支給)ことも可能です。

この繰上げ支給、繰り下げ支給の計算式は、昭和16年4月1日以前に生まれた人と以降に生まれた人では異なり、昭和16年4月2日以降の人の式は以下の通りです。

繰り上げ支給: 1ヶ月早めるごとに0.5%減額 ・・・ 100%-0.5%×繰り上げる月数

繰り下げ支給: 1ヶ月早めるごとに0.7%増額 ・・・ 100%+0.7%×繰り上げる月数

つまり1年(12ヶ月)早めると6%減額され、1年遅らすと8.4%増額されます。

●注意点

・繰り上げ支給や繰り下げ支給を裁定請求し、受理された後は、本人の経済状況が変化してその後変更したくてもできません。受給開始後の年金額はずっと同じです。

・障害基礎年金の受給権を取得した場合は、65歳前でも障害基礎年金を受給できますが、繰り上げ受給をしている場合は、65歳前に障害者になった場合に障害年金が支給されない場合があります(例えば63歳で障害になった場合)。

老齢基礎年金の繰下げ支給の具体的な計算例をみてみましょう(次回)。

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2007年4月13日 (金)

海外移住後の年金の受け取り方

海外で公的年金を受け取る場合には、以下のことにご注意ください。

1.海外転出届: 移住前の居住地の市町村に「海外転出届」を提出し、社会保険事務所で「年金の支払いを受ける者に関する事項」の手続きを行います。この書類は「社会保険事務センター」に送付することもできます。

2.税金
(1)年金にかかわる租税条約締結国(米国、イギリス、イタリア、中国など)に住む場合は、「租税条約に関する届出書」を提出し、滞在国の税法にて現地で課税されます(日本での課税は免除)。
(2)以下の場合は日本で課税され、具体的には年金支給額から規定控除額を引いた金額の20%が源泉徴収されます(これで日本での課税関係は完結)。
・上記(1)の必要な届出をしなかった場合
・租税条約を結んでいない国への移住
・公務員の共済年金

3.銀行口座: 年金を受け取る金融機関は、日本の金融機関でも海外の金融機関でもどちらでも可能です。海外の銀行口座に送金されるときは、年金支払日の為替レートで計算された所定の外貨で送金されます。

4.現況届け: 年に1回、年金受給者の生存を確認する「現況届け」が移住先に送付されるので、現地領事館で発行される「在留証明書」とともに、社会保険事務センターへ返送します。送付を忘れると年金の支給が差し止めになりますが、後で届出を提出すればさかのぼって支給されます。

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2007年4月12日 (木)

外国に住んでいる人の国民年金は?

学生でも主婦でも社会人でも、またフリーターであっても公務員であっても自営業者であっても、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人は、すべて国民年金の強制加入者(被保険者)です。

一方で、日本国籍であり外国に住んでいる20歳以上65歳未満の人は任意加入被保険者です。

この任意加入期間に国民年金保険料を支払わなかった場合の扱いは、「カラ期間」となります。つまり、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、年金の額には反映されません。

●「カラ期間」に該当する主なものは以下の通りです。

①昭和36年4月~昭和61年3月までの期間のうち、20歳以上60歳未満の期間について、サラリーマン等(厚生年金や共済組合等の加入者)の配偶者であった期間で、かつ国民年金に任意加入しなかった期間

(昭和36年4月は拠出制の国民年金が開始されたときで、昭和61年3月まではサラリーマン等の配偶者は強制加入ではなく、任意加入でした。)

②20歳以上で学生であった期間のうち、平成3年3月以前に国民年金に任意加入しなかった期間
③20歳以上で学生であった期間のうち、平成12年4月以降の学生の納付特例の適用を受けて保険料を猶予された期間

④昭和36年4月以降、20歳以上60歳未満の間に海外に在住して国民年金に任意加入しなかった期間

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海外赴任者の年金(社会保障協定)

以前まで、海外に赴任している会社員は日本の厚生年金と滞在国の年金の両方に加入し、保険料を二重に支払う必要がありました。また、受給資格を満たさない短期間の滞在の場合、滞在国の年金を受給することもできず、保険料は掛け捨てになっていました。

現在、「社会保障協定」を結んでいる国であれば、短期間の滞在であれば相手国の制度に加入する必要はありません。例えば米国との間では、H17年10月に日米社会保障協定が発効しており、5年以内の滞在では米国の年金制度に加入する必要はありません。また5年以上滞在し保険料を納める場合でも、両国の加入期間を通算することができます。

例えば、8年間米国に赴任した場合。米国の年金の受給資格期間は10年なので、受給資格期間は満たしていないことになりますが、日本の加入期間と通算されるので米国の年金も日本にいながら受け取ることができます。(当然のことながら、10年間米国で保険料を収めている人よりは米国年金額は少なくなります。)

22歳~30歳: 厚生年金8年
30歳~38歳: 米国赴任し、米国年金8年(厚生年金も8年納付)
38歳~60歳: 厚生年金22年

厚生年金については、22歳~60歳までずっと日本国内で働いていた場合と同じ額を受給することができ、米国年金も終身受給することができます。

また、協定発効前に納めた年金保険料についてはどうなるのでしょうか?米国の場合、現地での年金加入期間が約18ヶ月以上あれば、保険料を支払った期間に応じた額の年金を受給できます(受給開始年齢に達してから)。米国の年金請求の手続きは、日本の社会保険事務所および年金相談センターの窓口で行えます。

2009年6月末時点で社会保障協定が発効しているのは以下の国です。
米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、ベルギー、韓国、オーストラリア、オランダ、チェコ。
スペイン、イタリアについては協定が署名済みで発効準備中です。アイルランド、ハンガリー、スイス、スェーデンについては協定締結の交渉中または交渉準備中です。
期間通算など、協定内容は国ごとに異なるので注意が必要です。社会保障協定について、最新の情報はこちら(社会保険庁HP)を参照ください。

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2007年4月11日 (水)

国民年金の保険料と免除制度

20歳以上で納める義務が発生する国民年金の保険料は、平成17年度の13,580円から毎年度280円ずつ引き上げられ、平成29年度以降は月額16,900円で固定されます。なお、この金額は物価や賃金が全く変わらないと想定した場合の試算額であり、実際には(物価や賃金が変動するのにあわせ)多少変動します。H19年度は、月額14,100円です(追記:H20年度は14,410円、H21年度は14,660円)。

●国民年金保険料の納付には様々な割引制度があります。

・毎月納付する場合、納付期限より1か月早く口座振替する早割制度を利用すると年間600円の割引になります。

・現金払いで1年度分前納すると、年間3,000円の割引になります。基本的に毎年4月の末日までに納付する必要があります。(追記: 2008年度よりクレジットカードでも前納できるようになりました。割引額は年により異なりますが、原則として現金払いと同じです。)

・口座振替で、1年度分を前納すると、年間3,550円の割引になります(現金払いやクレジットカード払いよりもお得です)。締め切りは2月の末日です。

●保険料免除制度

第1号被保険者のうち、保険料負担が困難な人のために、3つの保険料免除制度があります。

①法定免除: 生活保護の生活扶助を受けている人や、障害年金などを受給している人は、届出をすると保険料が全額免除されます。全額免除された期間は、全額納付したときに比べ3分の1が老齢基礎年金の額に反映されます。

②申請免除: 所得が少ない人など、申請して認められると保険料が一部免除されます。免除割合と、将来の年金額に反映される割合は以下の通りです。

・全額免除  →  3分の1が反映される
・4分の3免除 → 2分の1が反映
・2分の1免除 → 3分の2が反映
・4分の1免除 → 6分の5が反映

③学生の納付特例

学生本人の所得が一定以下(※)の場合、申請して認められると保険料が免除されます。ただし、法定免除や申請免除と違って、追納をしない限り老齢基礎年金の額には反映されません。(追納しなくても受給資格期間には算入されます)

※扶養親族のいない場合は、年収約133万円以下。年間所得68万円以下。両親の所得制限はなし(両親の所得とは無関係)。

学生納付特例制度の申請は毎年必要です。いざというときに障害年金などを受給できないなんてことにならないよう、必要な人は申請を忘れないように。

①-③いずれの場合も、免除された保険料を10年前までさかのぼって納めることができます(通常、追納は2年まで)が、2年より前の分に関しては、加算金が発生し保険料は割高になります。

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2007年4月10日 (火)

まだ間に合う?国民年金

前回お話しましたように、公的年金を受けるには25年以上の加入期間が必要です。基本的に、20歳~60歳までの間の加入期間が老齢基礎年金の金額に算入されます。では現在45歳の自営業の方で、今まで5年しか国民年金保険料をおさめていなかった場合は、60歳までおさめてもあと15年+すでにおさめた5年=20年になり、受給資格期間を満たしません。5年分払った国民年金保険料は掛け捨てになりどうしようもないのでしょうか?

方法はあります。
国民年金は60歳以後も任意加入することはできます。より詳細を言いますと、65歳になるまでは満額になるまで、また70歳までは受給資格を満たすまで高齢者任意加入をすることができます。また、未納分の国民年金保険料については2年まで遡って遡及支払いをすることができます。(免除期間については10年まで遡ることができます。)障害年金や遺族年金のことも考えると、ぜひ今からでも入ったほうがいいかと思われます。

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2007年4月 9日 (月)

国民年金加入は25年以上必要

20歳~60歳に達するまでの40年間のうち、最低25年以上国民年金に加入していれば、65歳から(一部の人は60歳から)年金を受け取ることができます。国民年金の制度は、高齢になってからもらうこのいわゆる年金(老齢基礎年金といいます)だけではありません。

被保険者が障害になったときは障害基礎年金が受け取れますし、死亡した場合は遺族が遺族基礎年金などを受け取ることができます。障害や死亡の場合は、25年の受給資格期間を満たす必要はありません。ただし、滞納などがあると受け取れない場合がありますので注意が必要です。

●受給資格期間は以下の式で計算されます。

受給資格期間: 保険料納付済み期間+保険料免除期間+カラ期間 ≧ 25年

保険料免除期間: 障害年金などを受給している人が保険料の免除を受けていた期間(法定免除)や
所得が少ない人が申請することにより保険料の免除を受けていた期間(申請免除)

・カラ期間: 学生の納付特例(H12年4月以降)の適用を受けて保険料を猶予された期間など

●学生の納付特例の注意

ここで注意が必要なのは、学生の納付特例を受けて保険料納付をしなかった人です。カラ期間は、受給資格期間にはカウントされますが、追納をしない限り老齢基礎年金の額には反映されないのでこう呼ばれます。ここが、保険料免除期間として計算される法定免除や申請免除と違うところで、例えば法定免除では全額免除された期間の3分の1が老齢基礎年金の額に反映されます。

学生の納付特例を受けていた人は、追納したほうがよさそうです。保険料納付の時効は通常2年ですが、この特例の場合は10年前まで可能です。

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2007年4月 6日 (金)

育休を取得する方 必見その3 年金額優遇

将来支給される厚生年金額は、「平均標準報酬月額」などをもとに計算します。つまり支払った保険料額が反映されます。(多く払っていた人は多くの厚生年金をもらえますし、少なく払った人はそれに応じた金額が支給されます。)

育休を取得する方 必見その2 保険料軽減で紹介しましたが、育休復帰後、収入が減った場合に速やかに保険料負担額が軽減されるのはうれしいことですが、将来支給される厚生年金額が下がってしまうとしたら、喜んでばかりもいられません。

しかし、ありがたい制度があり、子どもが3歳になるまでの育児期間中に、負担保険料が減っても将来の年金受給額は影響を受けません。これは、育休取得の有無にかかわらず(つまり産休明けにすぐに復帰した場合でも)、申請すれば、年金受給額は出産前の収入に基づく標準報酬月額が反映されるというものです。

つまり、出産前よりも収入が減った場合に保険料が軽減される一方で、将来もらえる年金の額は減りません。

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2007年4月 5日 (木)

育休を取得する方 必見その2 保険料軽減

育休から職場に復帰後は、育児に時間を取られるため、賃金は出産前に比べて下がることが多いのが現状です。一般的に、賃金が下がれば当然社会保険料も下がるのですが、保険料算出の基準となる「標準報酬月額(※)」は基本的に二等級以上の大幅な変動がない限り、1年の途中で変えることはできません。

このため、育休から復帰後に収入が多少(一等級程度)減っても、しばらくは育休前の標準報酬月額が適用されるため、保険料はすぐには減らないのが現状でした。

2005年4月から制度が改定され、育休終了日に3歳未満の子を養育している被保険者は
育休から復帰後3ヶ月間の収入で、その変動幅を問わずに標準報酬月額を改定することができるようになり、一等級落ちただけでも標準報酬月額を改定できるようになりました(要申請)。

育休終了直後の期間は育休前の標準報酬月額がそのまま用いられますが、例えば1月15日に復帰する場合は、1月から3月の3ヶ月間の報酬をもとに算出し、4月から標準報酬月額を変える(=保険料を変える)ことができます。

※「標準報酬月額」とは

4-6月の3ヶ月間に支給された月給の平均額を各等級に振りわけた額。その年の9月から1年間適用。

 健康保険の場合、第1級から第47級の47等級に区分(H19年4月より)。額は1等級が58,000円、47等級が1,210,000円。従来は39等級(1等級が98,000円、39等級が980,000円)の区分でした。

 なお、(育休を取得するしないにかかわらず)毎月の健康保険料は賞与の額も加味することになっており、「標準賞与額」が保険料額の計算に用いられます。健康保険料の算出に当たってはこの「標準賞与額」の上限も、H19年4月より改定されています。
従前:支給1回ごとに200万円 → 改定後: 年度累計で540万円

厚生年金保険は、従来と変わらず30等級に区分(1等級が98,000円、30等級が620,000円)。標準賞与額の上限も従来通り支給1回ごとに150万円です。

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2007年4月 4日 (水)

育休を取得する方 必見その1 保険料納付免除措置

会社員が育休を取得する場合、その期間の厚生年金と健康保険の保険料は、被保険者負担分、事業主(会社)負担分ともに一定期間免除されます(要申請)。一定期間とは、子が3歳に到達するまでで、2005年4月にそれまでの「子が1歳に達するまで」から延長されました。

育休期間中の保険料の免除を受けても、将来の年金額の計算上は、休業を取得する前の賃金に基づく保険料を払い続けたとみなされるため年金が減ることはありません。

また、育児休業期間の途中で出勤した時は復職したものとみなされ、復職日を含む月の前月までの期間が免除期間となります。

一方で、勤務する会社の育児休暇制度が充実していない場合、上記拡充制度を活用しきれるわけではないようです。つまり、法律で育児のために休業できると定められている期間は「子が原則1歳未満」の場合であり、この最低期間を超えた育児休暇制度を持っていない会社の社員の場合、必ずしも恩恵を受けられるわけではないようです。

なお、労働基準法の産前産後休業期間(産前42日間と産後56日経過まで)は育児休業にはあたりません。産休期間中の社会保険料は免除にはなりません。
 ちなみに、産前休業期間に仕事を休むか休まないかは自由に選択できます。産後休業期間のうち、42日間は法律上「働いてはいけない」期間で、残り14日間(産後56日まで)は、医師の許可があれば働いてもよい期間となっています。産後56日経過してから、育休期間になります。

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