5.リスク管理と保険

2009年8月25日 (火)

親の資産管理を行う(預金の引き出し) その2 成年後見制度

前回からの続きです。今回は、親が意識不明や認知症など判断能力がなくなった場合の話です。

このような場合、一般的には「成年後見制度」を利用します。成年後見制度とは、判断能力や意志能力が不十分な人の権利を擁護する制度で、「法定後見」と「任意後見」の2つがあります。

1.法定後見制度
被後見人(この場合は親)に判断能力がなくなってから、成年後見人を家庭裁判所が選任します。従って、子どもが後見人になりたくても必ずしもなれるとは限りません。成年後見人になると親名義の銀行口座から後見人である子がお金を引き出すことはできますが、利殖目的のリスク商品(株など)の売買は家庭裁判所が認めないことがあるようです。先に債券や預金などに移しておく必要がありそうです。

2.任意後見制度
被後見人となる人(親など)が、自分の意思能力のあるうちに、将来判断能力が衰えた場合に備えて、あらかじめ自分の任意後見人を選んでおきます。(家庭裁判所が選任するわけではありません。)公正証書で契約を結びます。成年後見人の場合と違い、後見人の仕事・役割の範囲を自由に決めることができます。被後見人である親の口座からの引き出しは基本的にはできるのですが、「代理人カード」(作成には親本人の手続きが必要)の利用を基本とする銀行が多いようです。

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2009年8月23日 (日)

親の資産管理を行う(預金の引き出し) その1

親が病気で倒れて入院し、その治療費を親自身のお金で支払う場合、子が親の預金を引き出す必要がでてくることがあります。しかしいくら親族だからといって、自分以外の名義の預金を引き出すのは簡単なことではありません。自分の身分を証明するため運転免許証をみせたり、親子関係を証明する戸籍謄本をみせても銀行で断られる場合が多いようです。

銀行の立場としては、たとえ窓口に来た人の身分が間違いないことが証明されても、その手続きが本当に口座名義人の意思によるものなのか確認が必要とのことのようです。あとあと資産をめぐる相続争いにならないようにする意味があります。

引き出すためには、銀行で所定の代理人申請手続きをする必要があります。私的な委任状ではあまり認められないようです。また、公正証書で委任契約を結んでいても、別途銀行での手続きが必要な場合もあるようです。

意識不明の状態になったり、認知症になったりしたときなど、親に判断能力がない場合の話は次回です。

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2009年8月18日 (火)

生命保険の必要保障額の考え方6 遺族厚生年金4

前回は、夫が亡くなったときの「妻の年齢」と「子どもがいるかいないか」の違いによって、遺族厚生年金の受給額や受給期間がどのように変わってくるのかをみました。今回は、妻の生年月日による違いと、併給調整の話です。

○経過的寡婦加算
夫が亡くなって遺族の妻に遺族厚生年金が支給される場合、妻が昭和31年4月1日以前生まれの場合、生年月日に応じた「経過的寡婦加算」が65歳以降に支給されます。これは、厚生年金の被保険者期間が20年以上ある人が亡くなった場合に限ります。

○併給調整
遺族厚生年金を受給していた妻が、自身の老齢厚生年金を受給する権利ができた場合、併給調整が行われ、両方を全額受給することはできません。夫婦共働きで、ともに老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給している場合で、夫が亡くなったケースなどもこれに該当します。

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2009年8月16日 (日)

生命保険の必要保障額の考え方5 遺族厚生年金3

前回からの続きです。遺族厚生年金の受給期間や受給額がどのように異なるのかみていきます。

まず、夫が亡くなったときの「妻の年齢」と「子どもがいるかいないか」による違いから。

○子どもがいない場合
・夫死亡時に妻27歳: 遺族厚生年金は32歳までの5年間。 → 夫が亡くなった時に30歳未満で子どもがいない妻は、5年間の有期年金となります(平成19年4月に遺族厚生年金が見直され、それまで年齢制限がなかったものがこのようになりました)。
・夫死亡時に妻30歳以上: 遺族厚生年金は終身もらえます。
・夫死亡時に妻40歳以上: 終身の遺族厚生年金に加えて、65歳まで「中高齢寡婦加算」が支給されます(年額60万円弱)。

○子どもがいる場合
・夫死亡時に妻27歳、子3歳: 遺族厚生年金は終身もらえます。 → 30歳未満であっても、18歳までの子どもがいる場合は終身給付となります。(ただし、妻が30歳になる前に子どもが亡くなるなどした場合は、終身給付でなくなります。)
 また、子どもが「18歳になってから最初の3月末まで」の間、「遺族基礎年金」と「子の加算」が支給されます。また今回のケースは、夫死亡時に妻40歳未満のケースですが、上記「子どもがいない場合」と異なり、子どもの年齢が18歳の年度末時点で妻の年齢が40歳以上の場合、遺族基礎年金の支給終了後に「中高齢寡婦加算」が、65歳まで支給されます。

・夫死亡時に妻27歳、子7歳: 遺族厚生年金は終身支給であり、遺族基礎年金、子の加算も支給されます。ただし上記ケースと異なり、子どもが18歳時点で妻は40歳未満であるので、中高齢寡婦加算の支給はありません。

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2009年8月14日 (金)

生命保険の必要保障額の考え方4 遺族厚生年金2

前回からの続きで、遺族厚生年金に関する話です。

【支給額】
遺族基礎年金と異なり、厚生年金加入者(夫など)が亡くなるまでの平均年収によって支給額は変わってきます。平均年収を算出するのは大変ですが、実務的には試算時点の年齢ごとの係数をかけて試算します。

例えば、50歳の場合の係数は0.6倍程度で、その時点での年収が700万円のとき、平均年収は700万円×0.6=420万円と推定できます。もっと若い人の場合は係数に0.8などを使います。おおよその支給額は、加入者の生涯の平均収入を12で割って、1.23倍して算出します。

なお、遺族年金は非課税です。

【年齢制限など】
厚生年金加入者であった夫が亡くなったときの妻の年齢や、そのときに子がいるかいないかなどによって、支給される期間や加算額が異なってきます。詳細については次回みていきます。

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2009年8月11日 (火)

生命保険の必要保障額の考え方3 遺族厚生年金1

前回は遺族基礎年金のお話でしたが、今回は遺族厚生年金のお話です。

厚生年金加入者(である人またはであった人)が亡くなった場合に遺族に支給される年金です。正確には、以下の4要件のいずれかにあてはまる場合に支給されます。

【要件】
1.厚生年金の被保険者が亡くなった時(在職中の死亡)
2.現在は厚生年金の被保険者ではなくても、在職中のケガや病気が原因で亡くなったとき(厚生年金の被保険者期間中に初診日のあるケガや病気が原因で、かつ初診日から5年以内の死亡に限られます)。
3.1級または2級の障害厚生年金の受給権者が亡くなったとき(3級では支給されません)
4.老齢厚生年金の受給権者または、老齢厚生年金の受給資格期間を満たした人が亡くなったとき(高齢の方が該当します)

【受給できる遺族】
 亡くなった人(上記要件にあてはまる人)に生計を維持されていた配偶者・子・父母・孫・祖父母の順で受給できます。配偶者がいなければ子に、配偶者も子もいなければ父母に・・・ということです。

・配偶者=妻の場合は妻の年齢要件はありませんが、配偶者=夫の場合は、妻死亡当時に夫が55歳以上であることが必要です。さらに、実際に年金を受給できるのは60歳からになります。自分が老齢厚生年金の受給対象になっている人は、どちらか(遺族厚生年金か自分の老齢厚生年金か)の選択になります。
・父母、祖父母が遺族厚生年金を受給する場合も夫の場合と同様の年齢制限(死亡時55歳以上、受給は60歳から)があり、自分の老齢厚生年金との選択です。
・子や孫が受給する場合は、未婚でありかつ18歳まで(18歳になってから最初の3月31日まで)の受給となり、1級又は2級の障害者の場合は20歳までです。

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2009年8月 9日 (日)

生命保険の必要保障額の考え方2 遺族(基礎)年金

前回、生命保険の必要保障額の基本的な考え方のお話をいたしました。その際に考慮する要素の1つが遺族年金ですが今回はそのお話です。亡くなった方が自営業者など国民年金の第1号被保険者の場合と、会社員などの第2号被保険者の場合とで、遺族が受け取る年金の種類が異なります。

1.遺族基礎年金
遺族基礎年金の支給の目的は、「子の養育」であり、子のいない被保険者が亡くなっても、遺族に基礎年金は支給されません。亡くなった方が自営業者(第1号被保険者)でも、会社員など(第2号被保険者)でも支給対象になります。

【支給額】
 支給額は定額であり、国民年金保険の被保険者期間によって(保険料納付月数によって)支給額はかわりません。
 遺族が妻と子の場合: 定額分(現在年間約79万円で、老齢基礎年金と同額)に加え、子どもの数に応じて加算額があります。子どもが2人までの場合、一人につき23万円弱の加算で、3人目以降はさらに8万円弱加算されます。

 遺族が子のみの場合(一人親または両親が同時に死亡): 子が一人の場合、定額分の約79万円のみですが、2人目以降は上記同様に加算額が一人当たり23万円弱で、3人目以降にはさらに8万円弱加算されます。

【支給期間】
生計を維持されていた子どもが18歳になるまで(18歳になってから最初の3月31日まで)。子が障害等級1級または2級の場合は、20歳までです。未婚の子に限られます。

なお、老齢基礎年金と一緒で、国民年金保険料の未納期間が一定以上だと遺族基礎年金は支給されませんので注意が必要です。

子どもがいないと支給されない遺族基礎年金ですが、以下の場合には「死亡一時金」が支給されます。
【死亡一時金】
国民年金の第1号被保険者として、保険料を納めた月数が36ヶ月以上ある者が、老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受けないまま亡くなった場合、死亡一時金が支給されます。(例えば納付期間15年以内の場合は12万円。)

遺族厚生年金については次回。

 

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2009年8月 7日 (金)

生命保険の必要保障額の考え方1

多くの人が加入している生命保険ですが、貯蓄や遺族年金などすでに自分に備わっている保障とみなせる部分を考慮に入れず、高額の保険に加入している人がほとんどのようです。おおざっぱではありますが、以下のようにより正確な必要保障額を計算することができます。

1.支出見込み額の計算
2.収入見込み額の計算
3.1-2が、保険で必要な保障額ということになります。

では、具体的にみていきます。
1.支出見込み額
(1)遺族の生活費(子どもの独立まで): 現在の50-70%程度と仮定
(2)遺族の生活費(子どもの独立以降): 現在の30-50%程度と仮定
(3)教育費(奨学金を利用し、一人1千万円程度)
(4)葬儀費用: 300万円程度
(5)予備: 100万円

2、収入見込み額
(1)遺族年金などの社会保障
(2)死亡退職金などの企業保障
(3)預貯金などの自己資金
(4)遺族の勤労収入

このように計算すると、必要保障額が、現在加入の保険金額よりもずいぶんと少なくてすむこともあるようです。

 

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2009年8月 5日 (水)

地震保険 その3

前回からの続きです。

地震保険の保険金の金額は主契約である火災保険の金額の30%~50%となっています。これは1つの地震保険契約での額ではなく、他の地震保険契約も含めての額になります。つまり、(地震保険は官民で運営するもので)地震保険にいくつ入っても、補償額の上限は50%です。しかし、以下のように地震保険以外の商品に別途加入し、保障を手厚くする方法はないわけではありません。

民間損保の火災保険の商品には、地震補償を上乗せして100%まで補償が受けられる商品もあります。しかし、地震補償上乗せ分の対象は火災被害のみです。

また、JA共済の「建物更生共済」や全労災の「自然災害保障付火災共済」、ミニ保険事業者である日本震災パートナーズの「リスタ」など、補償内容は異なりますが地震に備えることができます。

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2009年8月 3日 (月)

地震保険 その2

前回の続きです。

○保険料
木造住宅は、非木造住宅のほぼ2倍の保険料になりますが、同じ構造でも住む地域によっても保険料は異なります。地震による被害が大きくなることが想定される地域では高く、そうでない地域は安くなります。その差は3倍以上にもなります。
例えば、木造住宅で保険金額1,000万円、1年契約年払いの場合、保険料が最も高い東京、神奈川、静岡の3都県では31,300円であるのに対し、最も安い地域では10,000円です。県境に住んでいる場合など不公平感は否めません。

○保険料を安くするには
1.複数年契約
他の種類の契約でも一般的にそうですが、複数年契約ですと割安になります。
2年契約 5%割引
3年契約 8%割引
4年契約 10%割引
5年契約 11%割引

2.建物が、耐震基準を満たすなど、以下の条件に該当しますと、割引になります。ただし以下のうち1つしか使えず、重複適用はありません。
・住宅性能表示制度の「免震建築物」: 30%割引
・住宅性能表示制度の「耐震等級1-3」に相:10-30%割引
・改正建築基準法の耐震基準を満たす: 10%割引
・1981年6月1日以降に新築: 10%割引 

3.地震保険料控除
所得税・住民税ともに適用可能です。確定申告して節税しましょう。

 

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2009年8月 1日 (土)

地震保険 その1

地震による被害で大きなものの1つは地震による火災です。火災保険に入っているから大丈夫、というのは間違いで、地震による火災被害は、火災保険では補償されません。正確に言えば、「地震火災費用保険金」というのが火災保険にはあり、建物が半焼以上になったときに火災保険の保険金額の5%(300万円が限度)が支払われるというものはあります。でも十分ではありません。

地震保険は、政府と民間が一緒になって運営しているもので、各保険会社で火災保険の特約として加入することができますが(つまり単独では加入できない)、どこで契約しても保険料は同じです。

○補償額の上限
地震保険の保険金額は、主契約である火災保険金額の30%~50%の範囲かつ上限が建物の場合5千万円、家財で1千万円と決められています。例えば、建物に2千万円、家財に1千万円の火災保険を掛けている場合、地震保険としては建物が600万円~1千万円、家財は300万円~500万円の保険金額ということになります。また、高価な(30万円超)貴金属や書画、骨董などは地震保険の対象にはなりません。

○実際の支払額
地震保険は、上記のように保険金額に上限がある上に、いつも満額支払われるわけではありません。損害の程度に応じて支払い保険金支払額は以下のようにかわってきます。
・全損: 地震保険金額全額支払(ただし時価が限度)
・半損: 保険金の50%(時価の50%が限度)
・一部損: 保険金額の5%(時価の5%が限度)

また、地震の被害が日本全体で大きかった場合にも注意が必要です。1回の地震の保険金の支払総額には上限があり、2008年4月時点で5兆5千億円となっています。これは関東大震災級の地震を想定したものですが、これを超える被害が出た場合、各被保険者に支払われる保険金額は、契約よりも減らされてもよいことになっています。つまり、契約通りの保険金がおりない場合もあるということです。

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2009年6月 2日 (火)

契約者の夫と受取人の妻が同時に亡くなった場合の生命保険金の受取人は?

6月2日、上記に関して最高裁が判断を示しました。

このケースは、被保険者が夫で保険金受取人が妻である生命保険(死亡保険)において、夫妻が同時に亡くなり、かつ2人の間には子どもがいない(または子どもも同時に亡くなる)場合です。子どもがいれば、子どもが相続人になるので問題は生じません。しかし、子どもがいないとなると夫と妻の双方の法定相続人が絡んでくるわけです。

上記のような場合に保険金が誰に支払われるかの規定は、保険会社によって異なる場合もあるようですが、今回は夫と妻の双方の法定相続人を保険金の支払先としていたようです。しかし妻側の親族が、保険金は双方に支払うのではなく全額妻側であると主張していました。

今回の最高裁の判断は二審同様に妻側の主張を認め、保険会社の上告を棄却しました。

つまり、「被保険者である夫と受取人である妻が同時に亡くなった場合は、妻の法定相続人だけが保険金を受け取る権利がある」として確定しました。

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2008年10月 1日 (水)

火災保険の注意

火災保険は大きくわけて以下の3種類があります。

1.住宅火災保険
2.住宅総合保険
3.新型火災保険

1→2→3の順にいくほど補償は手厚くなります。一般的に1の住宅火災保険では補償されずに、2の住宅総合保険や3の新型火災保険で補償される内容には以下のようなものがあります。

・物体の落下、飛来、衝突(自動車の飛込みなど)
・給水設備からの漏水などによる水ぬれ
・騒じょう、労働争議などに伴う暴行、破壊
・屋内での盗難、鍵の破損など
・台風や集中豪雨による川の氾濫などの水災

さらに、1や2では補償されずに3の新型火災保険でのみ補償されるものには以下のようなものがあります。

・(屋内ではなく)持ち出し家財の損害
・偶然の事故による住まいや家財の破損や汚損
・凍結水道管修理費用
・ドアロック交換費用

賃貸住まいの場合、建物については家主が火災保険に加入していますが、火災や水漏れで建物に損害を与えた場合、家主に対して賠償責任を負うことになります。これに備える保険は、家財保険の借家人賠償責任特約です。

fancrew

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2008年1月 7日 (月)

傷病手当金 その2

前回からの続きです。病気などによる休職で、期間が長くなると会社から退職を勧告されることがあります。傷病手当金は、支給開始から1年6ヶ月間受給することができますが、途中で退職した場合はどうなるのでしょうか?

答えは「支給される」です。退職によって健康保険の被保険者でなくなっても、退職前に傷病手当金の支給が開始されていれば、支給開始から最長で1年6ヶ月継続して受給することができます。

一方で、傷病手当金を受給している間は雇用保険の基本手当てを受給することはできません。ただし、傷病を理由にハローワークに申請すれば、雇用保険の受給期間を最大で3年間延長することができます。つまり雇用保険の基本手当てを後にずらして受けることができることになります。

傷病手当金は、健康保険だけにある手当金ではありません。雇用保険にも傷病手当金があり、求職の申し込み後に病気などを理由に職業につくことができない場合は、雇用保険から傷病手当金が支給されることがあります。(ただし健康保険の傷病手当金との二重支給はありません。)

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2008年1月 5日 (土)

その他健康保険について(出産手当金、埋葬料)

前回まで、健康保険制度の様々な給付について書いてきましたが、それ以外にもまだあります。

1.出産手当金

健康保険の被保険者が出産のために仕事ができず給料がもらえない場合、出産予定日の6週間(42日)前から、出産日の8週間(56日)後までの98日間(労働基準法の産前産後休業期間)分、産休前の給料(標準報酬日額)の3分の2が、支給されます。H19年4月までは6割だったので、多少増額されています。出産が予定日より遅れた場合は、その日数分がプラスされます。また、双子の場合は出産前の期間については42日ではなく98日分支給されます。

計算例: 双子を出産予定の人が予定日より6日遅れて出産し、出産手当金が支給される日数をすべて休業した場合。出産前の標準報酬月額を24万円とします。
まず標準報酬日額は、24万円÷30=8,000円。1日分の出産手当金は3分の2の5,333円となります。支給日数は98(出産前、双子)+56(出産後)+6(遅れた分)=160日となります。

ただし、これは休業中に給与が支払われない場合に支給されるものです。手当金よりも少ない額の給与が支払われる場合は、手当金との差額を受け取ることができます。

また、H19年4月までは、退職後6ヶ月以内に出産した場合や、任意継続被保険者であっても支給されましたが、廃止されました。また、出産育児一時金については被保険者の扶養者でも支給されますが、出産手当金の場合は被保険者本人でないと支給されません(専業主婦などでは不可)。

2.埋葬料

被保険者や被保険者の扶養家族が亡くなったとき、埋葬料あるいは家族埋葬料として、一律5万円が支給されます(H18年10月に改定)。故人が国民健康保険の加入者の場合は、「葬祭費」が支給され、自治体により異なりますが5万円前後が支給されます。

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2008年1月 4日 (金)

あまり知られていない健康保険の力 その4 出産育児一時金

被保険者またはその人に扶養されている家族が出産した場合、産んだ子ども一人につき38万円の出産一時育児金が支給されます(扶養家族が出産した場合は、「家族出産一時金」という名前です)。

この金額は2006(H18)年10月に従来の30万円から35万円に引き上げられ、H21年以降は38万円になっています※(一番下)。さらに2009年10月からは、緊急少子化対策として4万円引き上げられ42万円になる予定ですが、こちらは2年間の暫定措置の予定です(~2011年3月末)。

また、妊娠85日以上の出産であれば、死産や流産、早産などでも支給されます。

ところで、妊娠した場合の定期健診や出産費用は、異常分娩などの場合を除いて、原則として健康保険は適用されません(3割負担ではなく、全額負担)。ただし確定申告で、医療費控除は受けらます。

この医療費控除を計算する際に、支給された出産育児一時金は「保険や給付金などで補填される金額」として計算します。例えば出産に36万円の費用がかかった場合、「出産育児一時金」が35万円支給されるので、医療費としては36万円-35万円=1万円の計算になります。他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合、医療費控除の対象になります。(所得の少ない家の場合は、10万円を超える必要はありません。)

※09年1月の「産科医療補償制度」導入時には、3万円増の38万円になりました。ただし、受給者はこの恩恵を受けるかどうかは?です。「産科医療補償制度」は、出産時の医療事故で重い脳性まひとなった子に対する補償であり、補償金は3,000万円、1回の出産に対する保険料は3万円です。分娩を扱う医療機関が任意で加入し掛金は医療機関が負担しますが、この保険料は分娩費用に上乗せされる公算が大きいと厚労省が考え、出産育児一時金を3万円引き上げる方針にしたものです。産科医療補償制度に加入していない分娩機関で出産する場合は3万円の増額はありません。

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2008年1月 3日 (木)

あまり知られていない健康保険の力 その3 高額療養費

重い病気などで病院に長期間入院したり、通院したりする場合には多額の医療費を払わなければなりません。民間の医療保険に加入する人が増えていますが、公的な保険である健康保険には「高額療養費」の支給というものがあります。

被保険者やその家族が、1ヶ月のうちに(暦月で計算します)同じ病院で支払った医療費(入院費と通院日は別計算、など細かい計算方法があります)が一定額を超えるとき、超える額が高額療養費として支給されます。

○自己負担限度額の計算方法

一般所得者(標準報酬月額が53万円未満)の場合、外来、入院ともに

80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1% です。

ここで「かかった医療費」とは、自己負担前の総額です。

例えば100万円の医療費がかかった場合。80,100円+(100万円-267,000円)×1% = 88,330円。

高額療養費の申請をしないと、3割負担の場合は100万円の3割、つまり30万円を負担することになりますが、申請した場合は88,330円が自己負担限度額になりますので、30万円との差額が払い戻されます。

なお、保険外併用療養費の差額部分(差額ベッド代など)や入院時の食事代(食事療養費)、入院時生活療養費は支給対象にはなりません。

この制度は国民健康保険にもあります。

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2008年1月 2日 (水)

あまり知られていない健康保険の力 その2 傷病手当金

病気やケガで会社を休んだことはありませんか?

病気やケガで連続3日以上休んだとき、その後さらに休んで仕事につけない場合に健康保険から「傷病手当金」の支給を受けることができます(ただし、業務外の病気やケガが原因の場合です)。

○支給額: 標準報酬日額の3分の2 (H19年4月より、従来の6割から引き上げられました)

○支給期間: 支払い開始から最高1年6ヶ月まで

休んでいた間に給料やその一部が支払われた場合は、傷病手当金と支払われた給料の差額のみが支払われます。例えば有給休暇を利用した休業の日があっても休業日にカウントされますが、支給額はその分減額され、有休扱いにならない日以降の分が支給されます。

ちなみに、国民健康保険にはこの制度がありませんので、会社員や公務員以外の方は自衛策が必要です。

傷病手当金 つづきはこちら

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2008年1月 1日 (火)

あまり知られていない健康保険の力 その1 (海外)療養費

毎月給与から天引きされる健康保険。結構な額です。病院にお世話になったときに、医療費の負担が3割ですむだけではありません。

「(海外)療養費」とよばれるものがその1つ。

海外旅行に行くときは、海外旅行障害保険に入ることが多いと思います。「海外では健康保険は使えない」と思っているかもしれませんがそんなことはありません。

旅行先で病気になったときの治療費用は、いったん被保険者自身が全額負担しますが、現地での医療費の領収証と、治療内容を詳しく記載した診療内容明細書などを添付して、2年以内に保険者に請求すれば、本来の3割負担を引いた分の7割が戻ってきます。

この制度は国民健康保険にもあります。

給付対象は、「日本国内で認められている保険診療の範囲内」です。民間の海外旅行傷害保険では、既往症や歯科治療は補償の対象外であることが多いのですが、この健康保険では一定の条件下で給付対象となります。また、海外旅行傷害保険などから給付を受けた場合でも、減額されることはありません。

一方で、注意すべきはその国での治療費が日本の平均的な治療費より高い場合です。先ほど「本来の3割負担を引いた分の7割が戻ってきます」と書きましたがこの「本来の」がクセモノです。健康保険による公的給付は「日本で治療を受けたら給付されるはずの額」であって、日本の医療費を基準に計算するのです。日本での治療が平均的に5万円の疾病が、その国で50万円かかったとしても、計算の基準になる医療費は5万円であって、戻ってくるのは5万円の7割を超えることはありません。また、支払いは日本円であり、支給決定日の外国為替レートが適用されます。

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2007年12月23日 (日)

保険商品の銀行窓口販売 全面解禁

07年12月22日から、銀行が生命保険、損害保険のあらゆる商品を販売できるようになりました。どのようになったかといいますと

・生保商品
一部解禁(今まで): 個人年金保険、変額個人年金保険、養老保険など
全面解禁(今後): 死亡保障保険(月払い終身保険など)、医療保険なども

・損保商品
一部解禁(今まで): 火災保険など
全面解禁(今後): 自動車保険なども

となりました。

保険商品を選ぶのに、生保職員に聞いたり損保の代理店に足を運んでもその会社の商品しか選択することはできませんが、今後は様々な会社の保険商品を扱っている銀行に行けば、一度にいろんな会社の商品を比較することができます。(ただし、大手都銀でも、扱っている保険会社の数は限られています。一番多い三井住友銀行でも6社程度)。

基本的に、同じ保険商品であれば保険代理店で購入しても、銀行で購入しても値段は同じです

便利になる一方で、銀行の職員がどれほど保険商品の知識を提供できるかは、個々人の力量の差がつきやすい部分といえると思います。保険商品は内容が複雑であり、保険会社の職員でさえ、専門的知識をもつ顧客に対しては、十分満足してもらえる説明をできるエリート営業担当はそう多くはいないでしょうから。そのため銀行では、保険知識の研修など職員の教育に力をいれているようです。

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2007年11月13日 (火)

災害にあったら所得税を減免

前回、「雑損控除」についてみましたが、今回は「災害減免法」の説明です。

「雑損控除」と同様に、災害にあった場合に税金面で優遇措置が受けられます(雑損控除と災害減免法はどちらか一方のみ適用されます)。

雑損控除との違いは以下の通りです。

●対象となる原因: 災害のみ(盗難や横領は対象になりません)

●対象となる資産: 住宅・家財のみ(現金などは対象になりません)

●適用要件
・対象となる被害の程度: 被害額が時価の1/2以上(被害額: 損害額から保険金・損害賠償金等を差し引いた残額) 
・合計所得金額が1,000万円以下

●減免措置: 合計所得金額によって、その年の所得税を全額、半額あるいは1/4免除

●繰越控除: 控除しきれない額があっても、翌年以降繰り越すことはできません。

●住民税への適用: ありません(雑損控除はあります)

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2007年4月 8日 (日)

クーリングオフの注意

保険商品などをいったん契約した後、「しまった、そんなつもりではなかった!」「それなら契約しなかった」など、契約を取り消すことができるのがクーリングオフです。

これによって既に支払った保険料は返金され、解約金などのペナルティを受けることはありません。

クーリングオフをするためには、その日を含めて8日以内に文書によって、解除の意志を伝える必要があります。

その日とは、申し込み日、クーリングオフの内容を記載した書面を受け取った日、1回目の保険料の支払日などのいずれか遅い日です。

注意することは、このクーリングオフがどんな場合にでも適用されるわけではないということ。以下の場合には適用されません。

1.保険会社、証券会社、銀行などの店頭で自ら出向いて契約した場合

2.保険料を口座振込みで支払った場合

3.保険会社の指定した医師の診査を受けた場合

4.保険期間1年以内の契約

5.既契約の増額や変更(転換は除く)

6.自賠責などの強制保険の申し込み

7.財形貯蓄、団体信用生命保険の申し込み

上記の一部につき、6月から規制がかわり、条件が緩和される予定です。

1のように銀行の窓口に自ら出向いても、定期預金の口座をつくりに出向いた場合で、ついでに、銀行員から保険をすすめられて申し込んだ場合

2のように振り込んだ場合であっても、それが以下のような場合。→ 販売員が自宅訪問し、そこで契約から振り込み手続きまですべて済ませた場合など

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