2.タックスプランニング(税金対策)

2009年6月 6日 (土)

非課税の預金 「納税準備預金」

一般的な預金では、利子の20%は所得税・住民税として源泉徴収されますが、この利子に対して課税されない預金があります。

「納税準備預金」というもので、用途は納税に限ります。どんな種類の税金に使ってもかまわないのですが、目的以外で引き出すと通常のように課税されます。

サラリーマンですと所得税や住民税は給与から天引きされるので使う機会は少ないかもしれませんが、自動車関係の税金や住宅関係の税金(固定資産税など)は通常は勤務先とは切り離されて納税していると思います。一方で個人事業主の方は利用できる機会が多いかもしれません。

引き出し方ですが、専用の通帳と税金の納付書(税務署から納税者に送られてくるもの)を金融機関の窓口にもって行き、引きだします。

面倒ではありますが、少しでも有利な預金ということで利用価値はあると思います。

なお、預金とは違いますが投資信託などの運用益に対して課税されない金融商品があります。確定拠出年金がこれに相当し、年金用途に限った運用であるためこれも課税関係で優遇されています(詳細はこちら)。

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2009年4月 8日 (水)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その3(裁決事例)

前回からの続きです。

「配当所得は申告しなかったけど、申告することも出来たのだったら今からでも申告したい」という場合について、前回示しましたように国税庁は「できない」という判断をしていますが、これを不服とし、国税不服審判所に申し立てをされた人の(拍手すべき?)事例がいくつもあります。(国税不服審判所の裁決事例を以下で検索できます。キーワードに「配当所得」「更生の請求」と入力すると20件程度ヒットします。)http://www.kfs.go.jp/cgi-bin/sysrch/prj/web/pub/editCriteriaByKeyword

結論からいいますと、複数ある裁決の結果はやはり同じで、申立人の主張は認められていません。

国税不服審判所の裁決理由は多くの事例において、以下のような感じです。『更正の請求が認められるのは、納税申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が「国税に関する法律の規定に従っていなかったこと」又は「当該計算に誤りがあったこと」の二つの場合に限られている。』(国税通則法第23条第1項)
つまり、配当所得を申告しないのも(意図的であったか否かにかかわらず)1つの「正しい」やり方であり、誤りではないからというもの。これはその部分だけみれば確かにそうかもしれません。

○「申告不要制度は」積極的な判断なのか?
一方で、審判所の判断として多く見られるのが、各申立人について「申告不要制度を自分の意思で選択している」とみなしているところです。「いや、その判断は、違うでしょ」というのが多くの一般人の意見かと思います。つまり、「申告不要制度」などよく知らず、また配当金を受け取る際に税金が源泉徴収されているのだから、申告する必要はないだろうと考えるのが普通であって、(申告不要制度を)「主体的に選択した」と思っている人はほとんどいないと思います。
「錯誤」していたとみなせなくもないと思うのですが、こういう人たちに対する救済措置が現実としてない、ということになります。(配当所得を申告できるということを「知らないお前達が悪いんじゃ!」といわんばかりです。)

○時間がたったからダメということ?
別の見方です。そもそもその年の申告期限内に配当所得も申告していればすんなり通っていたわけです。仮に、一番最初に配当所得を申告せずに書類提出した後であっても、その年の期限内(通常3/15)であれば、あとから配当所得を申告しなおせば、通るわけです。でも3/15を過ぎた後では、たとえ更生の請求の期限1年以内であっても、ダメ、ということになります。
つまり、「時間がたったからダメ」ということになります。このように考えると、なかなか腑に落ちないものです。

○結論
前例主義である以上、さかのぼっての配当所得の申告が今後認められる可能性は低いでしょう。税務署や審判所・裁判所の人たちが、配当所得の申告に関して申立人たちと同じ経験をしていれば別かもしれませんが・・・。

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2009年4月 7日 (火)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その2(国税庁の判断)

前回からの続きです。

●まず逆の場合から。つまり、過去の確定申告において、「配当所得について確定申告(=総合課税を選択)したが、やっぱり配当所得については申告から外したい(申告不要制度を選択)」と思った場合。

これに関しては、「できません」ということが租税特別措置法関係通達8の5-1に記載されています。http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/801226/sinkoku/57/08/06.htm

●では次に今回のケース。つまり上記ケースとは逆に「配当所得は申告しなかったけど、申告することも出来たのだったら今からでも申告したい」という場合。国税庁は以下のような解釈をして「更生の請求はできません」としています。http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/07/01.htm

しかし、その解釈の根拠の1つは「租税特別措置法第8条の5第2項」です。この法律(http://www.houko.com/00/01/S32/026.HTM)に記載されていることは極端に言うと「配当所得については総合課税とは別計算でもいい」くらいのことであって、「今回のような更生の請求はできない」と解釈するには無理があるようにも感じます。つづきは次回へ。

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2009年4月 6日 (月)

配当所得を過去にさかのぼって申告したいとき その1

一般的な配当所得(上場株式の配当金、株式投資信託の分配金など)については、所得税・住民税が源泉徴収されており、課税関係は終了しています。つまり、申告も何もしなくてもいいわけです。ただし、確定申告することにより税金が戻ってくる場合があることを以前にお話しました。「一般的」にはこのような知識を持つ人はあまり多くないと思います。

さて、この仕組みを初めて知って、次回からそうしようという場合はいいとして、次回ではなく過去の確定申告にさかのぼって配当所得を「申告」したい場合はどうしたらいいのでしょうか?

そもそも確定申告は、以下に該当する場合には、過去にさかのぼって修正することができます。

1.修正申告
確定申告で納めた税金が本来納める額よりも少なかった場合や、還付を受けた金額が多すぎる場合の修正を「修正申告」といいます。

2.更生の請求
1の修正申告とは逆に、税金を払いすぎた場合や還付を受けた金額が少なすぎる場合の修正を「更生の請求」といいます。申告期限から1年以内であれば請求が可能です。(ちなみに1と2を比較するなら、ほとんどの人が2ならやる、ではないでしょうか・・・?)

さて、本題ですが配当所得を申告せずに確定申告をすませたもの(←「申告不要制度」というものがあるので、これは1つの正しいやり方でもあります)について、「やっぱり確定申告し(総合課税を選択し)ます」というのができるでしょうか?つづきは次回です。

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2009年3月 4日 (水)

離婚時の年金分割 その2(第3号被保険者期間の強制分割)

前回、「厚生年金の合意分割」についてみましたが、今回は「第3号被保険者期間の強制分割」の話です。

2.第3号被保険者期間の強制分割

・当事者: 平成20年4月1日以降に、第2号被保険者期間がある夫と第3号被保険者期間がある妻です(逆の場合、つまり夫が第3号、妻が第2号でも対象です)。
・分割の方法: お互いの合意は不要で、平成20年4月以降の厚生年金の納付記録は第2号被保険者から第3号被保険者に2分の1が分割されます。
・請求期限: 「厚生年金の合意分割」と異なり、離婚後○年以内、といった期限はありません。

前回お話した1の「厚生年金の合意分割」も、今回の2の「第3号被保険者期間の強制分割」も、厚生年金の分割であり、お互いの基礎年金は分割されることはありません。

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2009年2月 8日 (日)

アルバイトでも有給休暇

休んでも給料がでる有給休暇。正社員だけの制度ではありません。一定の要件を満たせばパート社員など非正社員でも取得することができます。

例えば、週1日の労働契約であっても6ヶ月の勤続年数があれば1日付与され、同じ6ヶ月でも週に4日働く人であれば7日間付与されます(年次有給休暇の付与日数)。

また、パート社員の有休取得に伴う賃金の支払方法は以下の3つが労働基準法で定められており、どの計算方法を使用するかによって支給額が若干異なってくる場合があります。

1.過去3ヶ月間の日額の平均賃金で支払う
2.有休を取得した日に通常通り勤務したとみなして、通常通りの時給換算で支払う
3.健康保険法で定める標準報酬日額相当額で支払う

1と2は就業規則によって定め、3は労使協定によって定められます。

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2009年2月 5日 (木)

年金受給者必見!確定申告 その5(グロソブを持っている人その2)

前回、グロソブの普通分配金の話をしましたが、今回は分配金の扱いについて少し詳しくみていきます。

グロソブは主に外国債券に投資する投資信託ですが、分類上は「株式投資信託」です。「公社債投資信託」ではありません。株式にまったく投資していなくても「株式投資信託」を名乗ることが出来ます。実際に投資しているかしていないかではなく、目論見書で「株式に投資できる・してもよい」としている投資信託を「株式投資信託」といい、グロソブはそれに該当します。

なぜ、株に投資していないのに「株式投資信託」として売り出しているのかについては理由があります。公社債投資信託の場合は、基準価額が元本を下回っている場合は分配金をだすことができない決まりがあるからです。基準価額が下がっていても、投資家に分配金を出したいと考えている場合は、「株式投資信託」として売り出す必要があります。

債券そのものを所有していた場合、得られる金利は「利子所得」に分類されますが、債券を株式投資信託に組み込んだ場合(グロソブなど)の金利収入は「配当所得」に姿を変えるわけです。ですのでグロソブの分配金は、株式そのものから得られる配当所得などと同じように扱われ、「配当控除」の適用を受けることが出来るわけです。

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2009年2月 4日 (水)

年金受給者必見!確定申告 その4(グロソブを持っている人)

前回、特定口座で株式の売買を行っている人が、確定申告をしたほうがトクする場合について書きましたが、今回は具体的に、例えばグロソブ(のように分配金をだす投資信託)を保有している人が確定申告をしてトクする場合をみていきます。

まず、去年、グロソブを売却し損失を確定させた人。もうかっていないのですから確定申告の必要はないと考えがちですが、しておいたほうがよいと思われます。去年確定した損失を今後3年間繰り越すことが出来るからです(損失の繰越控除)。確定申告しておけば、例えば今年株式を売買して儲けがでた場合、去年のグロソブの損失と相殺することが出来ます。つまり、今年の株式売買での儲けに対する税金を減らすことが出来ます。

次の話は、グロソブの売却はしていなくても保有している人にも該当します。分配金を受け取ったときに税金が源泉徴収されている場合です。前回書きましたが、(税金が引かれている)分配金について、確定申告で「配当所得」として申告し配当控除の適用を受けることにより、節税できる場合があります。ここで注意が必要なのは、すべての分配金について配当控除の適用を受けることができるわけではないということです。

分配金には「普通分配金」と「特別分配金」の2種類があり、分配金について送られてくる資料をみると内訳が書いてあります。このうち「特別分配金」は、投資信託としてもうかっていないのに出される分配金であり、投資家がだした元本の一部が返ってきているにすぎません。ですので毎月分配金が払われるからと言って喜ぶ内容のものではありません。特別分配金はもうけではなく元本の返却なので、当然のことながら税金はかかりません。ですので(税金を払っていないものに対して)配当控除の適用はありません。

2008年、グロソブの分配金の大半は「特別分配金」であったようです。一方で「普通分配金」が支払われている部分については分配金を配当所得として申告すると、多少の税金が返ってくると思われます(所得の多い人が申告すると話は別ですが)。

グロソブは主に外国債券に投資しているので株の配当金とは扱いは異なるのでは?と思いがちですが詳細は次回に。

今回書いたメリット(損失の繰越控除、配当所得の申告による配当控除の適用)は、「源泉徴収ありの特定口座」を持っている人に限った話ではありません。「源泉徴収なしの特定口座」でも「一般口座」でも同様です。

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2009年2月 3日 (火)

年金受給者必見!確定申告 その3(夫のみ課税されている場合)

夫婦とも年金受給者で、夫のみが年金に対して所得税が源泉徴収されており、妻の年金は非課税水準といった夫婦は多いかと思います。

国民健康保険料は世帯主に請求が来るので、所得の多い夫が2人分の国民健康保険料を支払って社会保険料控除を受けることにより、妻の社会保険料控除を生かすことができます。同一生計の子供などの国民年金保険料なども、同様に所得の多い人がまとめて払いことにより、生かすことができます。

65歳以上で公的年金を年額18万円以上もらっている人の介護保険料のように、年金からの天引きでしか払えない社会保険料は、上記のように所得控除(社会保険料控除)を生かすことができませんが、後期高齢者医療制度保険料については、08年10月からは口座振替でも支払えるようになったので、生かすことができます(09年の新年度からは、原則すべての人が年金からの天引きか口座振替かを選べるようになります)。具体的には、夫が妻の分もあわせて口座振替で支払うことにより、夫の社会保険料控除にすることができます。

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2009年2月 2日 (月)

年金受給者必見!確定申告 その2(源泉徴収ありの特定口座の人)

年金受給者が確定申告したほうがトクする場合を前回お話しましたが、それ以外に株式などの投資を行っている人が該当する場合があります。

「源泉徴収ありの特定口座」以外の人は、もともと確定申告の必要があると思いますが、「源泉徴収ありの特定口座」の人でも確定申告したほうがトクする場合があります。おおざっぱに言いますと、年金所得(年金収入-公的年金等控除額)と株式等の譲渡益をあわせても38万円に満たない方です。

源泉徴収ありの特定口座の場合は譲渡益が生じると、収入全体が低くて本来課税されないはずの人でも一律に所得税・住民税が源泉徴収されます。従って、確定申告することにより、源泉徴収された分を取り返すことができます。

株式や投信の譲渡損がでた場合(売却して損失を確定した場合)でも、確定申告することにより損失を来年以降、3年後まで繰り越すことが出来ます。

また、(譲渡益とは別に)配当金・分配金に対する所得税・住民税も源泉徴収されていますが、これも確定申告によって取り戻すことができます。グロソブを保有している人の例をこちらでご紹介しています。

配当金・分配金を申告することは、収入や株式等の譲渡益がある程度多い人でも意味がでてきます(配当控除を受けられるからです)。目安は課税所得金額が330万円です。これ以上所得のある人は税率が高くなり税負担がかえって多くなるので、このケースのように、しなくてもいい確定申告はしないほうがいいかと思います。)

一方で、前述の譲渡益や配当金・分配金を申告することにより、総合課税の対象になる所得などが増えることになるので、翌年の国民健康保険・後期高齢者医療制度保険料・介護保険料・医療費の窓口負担が増えてしまう場合があります。例えば、70歳以上の高齢者の場合、医療費の窓口負担は通常1割ですが、株式の譲渡益の申告により年間収入金額が増え、その結果3割負担になってしまう場合があります。ここでいう年間収入金額は、株式売却の場合譲渡益ではなく、売却代金で判断されるので注意が必要です。

確定申告による税負担の軽減と、翌年の社会保険料の負担増を比較する必要があります。計算は面倒なので、FPや税理士などの専門家に、数万円を払ってでもみてもらう価値があるかと思います。

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